今年こそ!「片づかない」私を変えるプロのコツ
働く女性たちの「部屋が片づかない」理由を4つのタイプ別に分析。片づけられない自分のクセを知り、そのクセに合った対処法を頭のなかに入れておけば、キレイな空間をキープできます。
自分にぴったりの方法で無理せず片づく
「働く女性たちは、片づける時間がないことにみんな悩んでいます」と、整理収納アドバイザーの中山真由美さん。残業続きで忙しい人、疲れて片づける意欲が湧かない人……。一口に「時間がない」といっても、その理由はさまざま。「片づけは体力と気力が必要。無理して疲れたら元も子もありませんが、散らかった部屋は、心にもよい影響を与えません」(中山さん)
片づかない部屋を見るたびに「自分はダメな人間だと無意識に自分を責めてしまう」(中山さん)。部屋の状態と心とには密接な関係があるのだという。
では、ストレスなく片づけるにはどうしたらよいのだろうか。鍵を握るのが、自分の心に潜む"片づけられないクセ"を知ること!
例えば、片づけと聞いただけで面倒と感じるタイプは「何事も『やらない理由』を探すクセがあるので、目の前の30 センチ四方の場所をスッキリさせることから始めて」と、アドラー心理学を取り入れた片づけカウンセリングを行う丸山郁美さんは話す。自分が片づけられない理由と解決策を知り、今日から快適な部屋をキープしよう!
下の4タイプから自分が一番近いものを選ぼう!
今、あなたに最も当てはまるのはどのタイプ?一番近いと思うものを選んで片づけを始めてみよう!
【Type1】片づけは大変……面倒&苦手女子
「貴重な休日に片づけなんて面倒」「昔から片づけが苦手…」。「部屋が散らかっている」読者の6割が、そもそも片づけに消極的だった(※)。※アンケート概要/2016年10月に日経WOMANの公式サイトで実施。527人(平均年齢40.0歳)から回答を得た
【Type2】最近ヘトヘト……お疲れ女子
「職場のストレスや人間関係の悩みでつらい」「すぐに疲れてしまい、家に帰ったとたんぐったり」。心とカラダが疲弊している状態が続いている。
【Type3】残業、ヨガ、資格の勉強……忙し過ぎ女子
「最近、残業が続いてる」「ヨガや英会話の勉強でアフター6はぎっしり」。オンもオフも予定をいっぱい詰め込んで"時間がない"女子が急増中。
【Type4】昔より洋服が増えた……モノマックス女子
「駅ナカでつい買い物をしてしまう」。ちょこちょこ買いから、プチプラ服のまとめ買いまで、買い物が好きでモノが増えるタイプ。
【タイプ別・モノを減らす処方箋 & 3日で完了!片づけアクション】
【Type1】片づけは大変……面倒&苦手女子
モノを減らすための処方箋
[片づけのプロがアドバイス]
「すべきことをつい後回しにしがち。寝る前の5分間、床に落ちたゴミを拾う、いらないモノを1つ捨てる訓練から始めて。モノを減らす行為をカラダに覚えさせましょう」(中山さん)
[心のプロがアドバイス]
「面倒な気持ちは、やらない言い訳を考える"どうせ病"が生み出す感情。『生きていれば散らかる!人生に片づけは必須!』と受けとめて。目の前の小さな場所から始めてみて」(丸山さん)
3日で完了!片づけアクション
[1日目]平日の夜1時間
使う場所に置き直す
"よく使うものを、使う場所に置き直す"練習からスタート。面倒くさがりの人にとって「欲しいモノがすぐ見つかる」のは何よりの達成感。シングルはリビングから、家族がいる人はキッチンから始めるといい。
[2日目]土曜9~13時の4時間
置き直しを家全体に拡大
必要なモノがすぐ見つかる快適さを実感したら、部屋のほかのエリアにもチャレンジ。1カ所ずつ集中的に行うこと。間取り図に、必要なモノの名前と置き場を書き入れていくと、より明確にモノの定位置が決まる。
[3日目]日曜9~13時の4時間
収納グッズなどを買い足す
モノの居場所をつくる際に必要な収納グッズがあれば、買い足して整理収納レベルを上げる。達成感も生まれ、片づけが楽しくなってくる。片づけの途中で記憶にないものが出てきたら、いさぎよく処分を検討。
【Type2】最近ヘトヘト……お疲れ女子
モノを減らすための処方箋
[片づけのプロがアドバイス]
「出しっ放しのペンを引き出しにしまうなど、モノをあるべき場所に戻すことから始めて。探す手間が減ってラクになったと実感したら、徐々に片づけエンジンがかかるはず」(中山さん)
[心のプロがアドバイス]
「心とカラダが疲弊すると、自分の頑張りを分かってもらえない『哀しみ』の感情が強まります。できていることに目を向けてほしい。"不完全の勇気"で臨んでください」(丸山さん)
3日で完了!片づけアクション
[1日目]平日の夜1時間
引き出し1つ分の中身を把握
クローゼットの引き出しを1つ空けて、中身を把握することからスタート。どこに何が入っているかを把握するだけ。捨てる/捨てないの判別はしなくていい。
[2日目]土曜9~13時の4時間
カゴやボックスを使って整頓
引き出しの中を使いやすく分類し、カゴやボックスに入れて整理。「種類ごとにまとめる作業」をすると、見た目もキレイになり、気持ち良さを実感できる。不要なモノは処分する。
[3日目]日曜9~13時の4時間
クローゼット全体の整理
引き出しの整理がすんだら、クローゼットの整理を。アイテムごとに並べるだけで、不要なモノが見えてくる可能性大。毎朝着る服の中身を把握できれば、着る服に迷わなくなり、自信が生まれる。
【Type3】残業、ヨガ、資格の勉強……忙し過ぎ女子
モノを減らすための処方箋
[片づけのプロがアドバイス]
「忙しいときは、モノの取捨選択の判断を誤りがち。何を片づけるべきか、考えるのも億劫なはず。まずは、今使っている身の回りのモノは触らずに、使わないモノから減らして」(中山さん)
[心のプロがアドバイス]
「忙しい女性は、時間がないことで『焦り』や『心配』ばかりが強くなりがちに。まずは『片づけの時間』をスケジュールに組み込み、時間を確保。なるべく動かず、その場に座って目の前の作業だけに集中すると心が落ち着いてきます」(丸山さん)
3日で完了!片づけアクション
[1日目]平日の夜1時間
片づけ計画作りに着手
手描きで部屋の間取り図を描き、各エリアでよく使うものの名前を書き出す。全体を俯瞰(ふかん)して計画を立てるのが狙い。エリアごとの書き込みが完成するたびに色を塗って、満足感や達成感を表現しよう。
[2日目]土曜9~13時の4時間
TO DOリストを作成
手描きの間取り図を見ながら、エリアごとに集中的に片づけ開始。このタイプはやりだすとハマる人が多い。各エリアで片づけるべきTO DOリストを用意するとテンションUP!時間厳守で疲れないよう配慮して。
[3日目]日曜9~13時の4時間
しまい込んだモノの整理も
手を付けていないエリアの片づけをする。同時に収納スペースの奥にしまい込んだモノを外に出して要/不要の見極めを同時にしよう。スッキリが快感を生み、モチベーションも上がる。
【Type4】昔より洋服が増えた……モノマックス女子
モノを減らすための処方箋
[片づけのプロがアドバイス]
「プチプラ服や、習い事など趣味のモノが増えがち。昔ハマった習い事や資格勉強の道具など、今は使っていないモノから処分しましょう」(中山さん)
[心のプロがアドバイス]
「部屋にモノがあふれている人は、心に寂しさがあるのかも。自分の気持ちに寄り添いながら、モノを整理するとうまくいきます。例えば『この服を着て幸せになったかな?』と問いかけて、手放す基準にしましょう」(丸山さん)
3日で完了!片づけアクション
[1日目]平日の夜1時間
最も興味のない場所を整理
習い事の道具や洋服など、最近増えたモノ以外から片づけをスタートしよう。例えば洗面所の整理整頓など、毎日よく使うけれど、特別にモノが増えているわけではない場所から、始めてみて。
[2日目]土曜9~13時の4時間
不要なモノを整理してスペース確保
収納棚の中にありがちな、今使っていないモノのため込み場所を整理。必要なモノを収納できるスペースづくりを行って。昔ジムに通っていた頃のウエアや道具などは片づけるチャンス!
[3日目]日曜9~13時の4時間
よく使うアイテムを収納
空いたスペースに、必要なアイテムを入れていく。収納スペースに収めていく作業を通して、急増するアイテムの量も把握できるようになり、物欲のストッパー代わりにも。
この人たちに聞きました
丸山郁美さん
ホテル業界に就職後、妊娠を機に退職。子育てに追われ、部屋が片づかずイライラした経験から、アドラー心理学を片づけに応用。現在、心理学を取り入れた片づけカウンセリングを中心に活躍。近著は『あなたのお部屋がイライラしないで片づく本』(かんき出版)。
中山真由美さん
インブルーム取締役。整理収納アドバイザーとして、個人宅からマンション、不動産業までの収納コンサルティングや、セミナー講師などで活躍。今最も予約の取れないアドバイザーのひとり。著書は『いちばんシンプルな「片づけ」のルール』(マイナビ)ほか。
(イラスト shapre)
[日経ウーマン 2017年1月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。