公認会計士・心理カウンセラー 藤田耕司

公認会計士・心理カウンセラー 藤田耕司
2017/1/4

post 2020~次世代の挑戦者たち

藤田 4000万人という目標は東京、大阪、名古屋といった大都市圏だけでなく、地方都市でも観光客を大幅に増やさなければ達成は難しいと思います。地方に訪日客を呼び込むグランドビジョンやプロモーション戦略については、どう考えますか。

須田 地方はそれぞれ名物や名所はありますが、どういう経路で、どこの国の人を、どう呼ぶかについてのグランドビジョンは描けていない場合が多いと思います。ブランドの作り方に関するプロモーション戦略も弱いと感じています。イベントを開催するにしても、ブランド化し、世界的なブームを起こしていくためにはどうすればいいのかという観点から戦略的に計画していくことが必要です。

政府の目標達成に向けた対策などについて聞く藤田氏

藤田 世界的なブームを意識するならば、SNS(交流サイト)戦略は必須でしょうね。

須田 はい。例えば、海外の有名人を積極的に招待して、その人にフェイスブックやインスタグラムで名物や名所を紹介してもらうことができれば、高い効果が狙えるかもしれません。有名人×SNSの広告戦略はもっと活用できる余地があります。そういった柔軟な発想を持って地方自治体が海外にどんどんプロモーションしなければいけないと思います。

藤田 SNSの活用以外では、何が必要ですか。

須田 もちろん、海外に行って旅行博覧会に出展する、雑誌などに広告を出す、テレビに露出するといった「王道」のプロモーション方法についても一段と積極的に進めていく必要があります。私たちのような旅行会社も地方自治体の協力があれば、いろいろな戦略を組み立てることができます。民間企業と自治体の連携を促進していきたいですね。

藤田 これまでに自治体がプロモーションに成功した事例としては、どんなものがありますか。

須田 例えば、北海道のある自治体がインドネシアで積極的にプロモーション活動を展開した結果、急に北海道ツアーの需要が増えました。その理由はラベンダー畑でした。インドネシアのような熱帯地域にはラベンダー畑はないので、興味を喚起できたのです。冬の雪まつりより、夏のラベンダー畑の方が人気です。この自治体の担当者は当初、雪まつりを推すつもりだったので、現地で意外なニーズを顕在化できました。このように観光振興の担当者が積極的に海外に足を運んで、しっかりとPRできている自治体は希望の光が見え始めています。

藤田 2020年に向けて日本が観光立国を実現するための方向性がわかりました。次回は須田社長自身の経営者としての今後のビジョンについて伺いたいと思います。

すだ・けんたろう 2007年にフリープラス設立。10年中国・上海にフリープラス上海を設立し、訪日旅行事業に参入。アジアを中心に事業を展開し、日本に観光客を呼び込みながら、訪日観光関連事業を拡大している。16年、日経ビジネスの「次代を創る100人」(15年12月28日・16年1月4日合併号)に選ばれた。同年、日本ニュービジネス協議会連合会が選ぶニッポン新事業創出大賞グローバル部門の優秀賞を受賞。
ふじた・こうじ 公認会計士、税理士、心理カウンセラー。早大商卒。監査法人トーマツを経て日本経営心理士協会、FSG税理士事務所、FSGマネジメントを設立。経営コンサルティングと心理学を融合した経営心理学の普及活動を行い、企業の経営顧問、経営者のメンターを務める。主な著書に「リーダーのための経営心理学」(日本経済新聞出版社)がある。

post2020~次世代の挑戦者たちは原則水曜日に掲載します。

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