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「理想の奥さん」は無理だった 出産後1年で別離

[池沢詩織さん(仮名) 第2回]

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NIKKEI STYLE

こんにちは。ライターの大宮です。僕はバツイチで、現在は愛知県で再婚生活を送っています。最近は離婚歴のある人は珍しくないですよね。一度失敗しているだけに少しは謙虚になっているので、結婚相手としては悪くないよと主張したいです。

大手メーカーの財務部で働く池沢詩織さん(仮名、40歳)もバツイチのシングルマザーです(前回記事:「40歳・大手メーカー勤務 女優似のシングルマザー」)。子どもが1歳の誕生日を迎えた頃に元夫の哲也さん(仮名)と離婚しました。哲也さんが求める「理想の奥さん像」に詩織さんが適応できず、しまいには哲也さんに対して嫌悪感を抱いてしまったのが原因です。

「気むずかしいところがある彼が気分よく過ごせるように気を使っていました。夫婦げんかをしたことはありません。でも、子どもを産んでからは精神的に余裕がなくなって、彼に気を使ってあげられなくなりました。そんなときに『君は強くなった。僕に頼ってくれなくなった』と言われたこともあります。赤ちゃんがいるのに自分を見てほしいという彼が気持ち悪くなってしまいました」

結婚や引っ越し、出産などをきっかけにしてカップルの関係性が悪化することはよく聞きます。環境が大きく変わると適応するのに時間がかかり、その間は気持ちの余裕がなくなってしまうからです。

「失敗した」と気づいたときにはもう遅い

せつないのは、「失敗した」と気づいたときには信頼関係や愛情が決定的に損なわれているケースが多いこと。夫婦というのはもともと他人なので、我慢の限界は意外なほど低い位置にあるのだと思います。むしろ、我慢をせずに小さなけんかをしてお互いの不満を吐き出し、妥協点を探り合ったほうがいいでしょう。不満をため込んでしまうと、どこかで相手に対する気持ちが切れてしまいかねません。

僕の場合は、最初の結婚では我慢をし過ぎました。飼い犬や両親と一緒に住みたいと主張する元妻に安易に従ってしまったのです。室内犬と一緒に暮らすことに違和感を抱き続け、一方では義理の父親が同居していることで「オスとしてがんばる」気持ちがなくなりました。朗らかな夫ではなく、不機嫌な居候。嫌がられて当然ですね。元妻に「あなたとは別々に暮らしたい」と言われた時点で短い結婚生活に終止符が打たれました。

再婚したときも、義理の両親から同居を打診されました。田舎なので家が広く、部屋が余っているからです。純粋な好意ですね。でも、手痛い失敗から学んだ僕はそれとなく辞退。その代わり、妻の実家から車で30分圏内にある駅前のマンションを借りて、家賃は僕が払うことにしました。気軽に行き来ができる距離でもあるし、僕も「自分は世帯主なのだ」という小さなプライドを守ることができています。共働きなのに家事の8割は妻が担当してくれていますが、子どもができたりしないうちは問題がなさそうです。

「思い切りがよすぎたかな……でも嫌なものは嫌だから」

詩織さんの話に戻ります。初婚だから仕方ないとは思いますが、詩織さんは初期設定から間違えてしまったのです。すなわち「優しくか弱い妻から頼られつつ支えられる」結婚生活を希望する男性と結ばれて、そのまま専業主婦になったことです。

「家事をしても社会的に評価はしてもらえません。専業主婦として家にいて彼の帰りを待っている暮らしでは、社会から取り残されているような気持ちになりました」

哲也さんが詩織さんを対等なパートナーとして認めていたら、専業主婦としても誇りを持って生活を続けられていたかもしれません。しかし、哲也さんは財布すら詩織さんに渡そうとはしませんでした。それでは仕事をやめた詩織さんは経済的にも不安になってしまいますよね。

「子どもが小さいのに別れたことは、自分でも思い切りがよすぎたかなと思います。でも、嫌なものは嫌なんです。後悔はしていません。幸いなことに戻れる実家もありましたし、養育費もちゃんと払ってもらっています」

嫌なものは嫌。この言葉を聞いたとき、僕は背筋が伸びるのを感じました。結婚をすると男女ともに安心してしまう傾向がありますが、実際は「他人同士」の愛情だけで結びついている関係なのです。あまりに気を抜いて相手にあきれられ、「あなたと一緒にいたくない。嫌なものは嫌」と言われたら終わりですよね。そんな事態に直面する10歩ぐらい手前で踏みとどまり、大人としてどう振る舞うべきかを考えて実践する必要があるのだと思います。ホント、気を付けたいです……。続きはまた来週。

大宮冬洋(おおみや・とうよう)
 フリーライター。1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに就職。1年後に退職、編集プロダクションを経て02年よりフリーに。著書に『30代未婚男』(共著/NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)など。電子書籍に『僕たちが結婚できない理由』(日経BP社)。読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京もしくは愛知で毎月開催中。
ライター大宮冬洋のホームページ http://omiyatoyo.com/

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