マネー研究所

ヴェリーが答えます

ピークオイル・ディマンドとは? 原油需要ピーク超え

2017/1/3

原油関連の記事で「ピークオイル・ディマンド」という言葉をよく見かけるようになりました。どういう意味なのでしょう。(東京都・40代女性)
マネーを呼ぶ「マネ~き(招き)猫」のヴェリーが、読者の疑問を解決します。

かつて「ピークオイル」といえば原油は埋蔵量に限界があり、いずれは生産が枯渇してしまうという供給リスクの話でした。しかしシェール革命で米国の原油生産量が飛躍的に伸びた影響もあり、今ではこの意味での論は後退しています。

これに対し、今市場でささやかれているピークオイル・ディマンドは「原油の供給ではなく、需要がピークを超えてしまう」という話です。世界の原油需要はまだ増加傾向が続いていますが、資源大手企業の一部からは「早ければ今後5年で需要がピークアウトする」との見方も出ています。

その要因の1つが、技術進歩です。特に自動車は燃費効率の改善が進んでいるほか、先進国では電気自動車の普及も始まっています。自動車用のガソリンは原油需要の大きな割合を占めていて、この分野での利用が減れば原油需要全体もピークアウトに向かいやすいわけです。

不安定な原油価格も需要を減退させています。2014年夏には1バレル100ドル台だった原油価格は一時20ドル台まで下がり、今は50ドル台に上昇しています。こんなに値動きが激しいと、企業は生産コストを予測しにくく、経済全体にも悪影響が及びかねません。そこで原油以外の代替エネルギーの利用を増やそうとする動きが世界中で広がっています。

ピークオイル・ディマンドを見越してサウジアラビアなどの産油国の一部はすでに原油収入への依存度を引き下げる政策を進めています。世界的な資源大手も同様で、脱原油依存の巧拙が将来的な業績や株価を左右する可能性もありそうです。

[日経ヴェリタス2016年12月25日付]

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