「常にキャリア再考」 インスタグラムCOOマーニー・レヴィーンさん(キャリアの扉)

「いつ、新しい機会が訪れるか分からない」。2009年からオバマ政権下で国家経済会議の首席補佐官を務め、10年に米フェイスブックへ入社。現在は写真共有アプリを運営する傘下のインスタグラムで最高執行責任者(COO)としてビジネス業務を統括する。

09年に米国家経済会議の首席補佐官。10年にフェイスブックのグローバル公共政策部門。15年現職。46歳

フェイスブックのCOOからヘッドハンティングされた時、最初は「ノー」と答えた。政治に情熱を注いでおり「企業の公共政策に関して興味がなかった」からだ。もっとも、「もう一度考え直した方がいい」という夫の一言で決断が変わる。どのような仕事ができるか深く考えた結果、「テクノロジーには人々の経験をより良くする威力がある」と思い直した。最初は自分の前に現れた絶好の機会に気付かなかった。「それをきっかけに、いつでも自身のキャリアについて想像することの大切さを学んだ」

現在では、インスタグラムを通じて女性同士のつながりを強化したり、サポートし合える交流の場を設けたりしている。12月には「#私と私の物語」というイベントを日本で開催。「女性が安心して自身の人生や物語を共有できるプラットフォームとしてインスタグラムを利用してほしい」と語る。

インスタグラムは広告主が50万を超えるなど、ここ1年で急成長を遂げた。そんな多忙を極める中、仕事とプライベートの切り替えについて「正直、ワークライフバランスについてはよく分からない」と漏らす。「バランス」という言葉を使うと、どちらも同等でなければならないと感じてしまう。けれど「そうでなくても大丈夫。実際、私は仕事をする時間の方が長い。ただ、その分、子どもや夫と過ごす時間も集中する」と話す。仕事は効率的に進めようと努力し、家族との時間は携帯の電源を切るなどして専念するのだという。

後進の女性に伝えたいのは「自身のキャリアを再考することを恐れない」こと。いつ訪れるか分からない転機やチャンスのために、偏見のない好奇心を持つことが大事。メンターや同僚など「キャリアを形成する上で、自分を取り巻くネットワークを大事にすることも必須」と呼びかける。

(南雲ジェーダ)

〔日本経済新聞朝刊2016年12月30日付〕