「熱い思い」では通用しない 観光プロモ下手の日本人訪日旅行ベンチャー、フリープラスの須田健太郎社長に聞く(2)

公認会計士・心理カウンセラー 藤田耕司

公認会計士・心理カウンセラー 藤田耕司
フリープラスの須田社長
フリープラスの須田社長

観光立国・日本を世界に売り込むことは2020年東京五輪・パラリンピックの成功、その後に到来する「post2020」時代の行方のカギを握る。ただ、日本の国際観光収入は世界17位にとどまり、観光立国としての存在感は薄い。訪日旅行ベンチャー、FREEPLUS(フリープラス、大阪市)の須田健太郎社長(31)は訪日外国人の心に響く、日本の観光地の売り込み方をどうみているのか。(聞き手は公認会計士・心理カウンセラー 藤田耕司)

藤田 これまで多くの訪日観光客のツアーを企画してきた経験を踏まえ、どんなツアーが人気なのかを教えてください。

須田 アジア各国の旅行会社に様々なツアーの企画を提案していますが、やはり、「ゴールデンルート」と呼ばれる東京→箱根→富士山→名古屋→大阪を巡るツアーの申し込みが大きな割合を占めています。特に中国ではゴールデンルートが人気ですね。一方、台湾は東北地方、タイでは関東圏や関西圏のツアーが好まれます。

藤田 国ごとに一定の傾向があるのでしょうか。

須田 各国の旅行業の成熟度合いによって人気のルートが変わっていきます。旅行業が成熟していない国ではゴールデンルートが人気で、ある程度成熟した国では、関東圏や関西圏の3泊4日あたりの需要があります。さらに旅行業が成熟した国々では、北海道、東北、九州、四国などにも行く旅行客がいます。

藤田 最近は体験型のツアーが人気だと聞きますが。

須田 そうですね。例えば、子供がいる家族連れのツアーで農業体験をしたり、小学校に子供が1日体験入学をしたり、民家で宿泊したりするものがあります。

藤田 1日体験入学は旅行客の子供が同年代のクラスに参加して、通常の授業を受けるということですか。

須田 はい。参加してもらうのは、言語の壁があまりない音楽の授業が多いですね。これは学校側の協力が必要なので、地方自治体と一緒になって企画します。例えば、長野県では、このような体験入学を通じた交流を積極的に推進しています。

写真を撮影して、投稿したくなる観光スポットはブランド化に成功している(東京・浅草を訪れた外国人)

藤田 20年東京五輪に向け、今後も海外からの観光客が増えると予想されますが、国内では集客をめぐって地域間競争も激化します。外国人を呼べる観光地になるためには、どんな工夫が必要ですか。

須田 例えば、アジアの人がどこを旅行するのかを考える際、旅行先の写真をフェイスブックに投稿して、たくさんの「いいね!」がつくのかが重要な判断基準になります。読者から「いいね!」がつくかどうかは、その場所が本当に良いかどうかよりも、その国の人にとってブランド価値があるかどうかで決まります。そのため人気のツアーを作るには、どこに行って何を撮ったら「いいね!」を押してもらえるか、という視点が重要です。そして海外の人に向け、観光名所や料理を戦略的にブランド化していく必要があります。

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