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長く続く不安や不調 それは自律神経失調症かも

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NIKKEI STYLE

日経ヘルス

「自律神経失調症状」は誰にも起きる

「失恋してから、ずっと胸の詰まった感じがある」「イヤな上司のいる部署に異動してから下痢ばかり」……。この心と体の不思議な関係を解き明かすカギの一つが、自律神経にある。

全身に張りめぐらされた自律神経をコントロールしている中枢は、脳の間脳という場所にある視床下部だ。視床下部は、自律神経(交感神経・副交感神経)、ホルモン、免疫系などを介して内臓の働きをコントロールしている。

この視床下部のすぐ上にあるのが大脳辺縁系。「情動脳」ともいわれ、不安、恐怖、怒りなどの感情や、本能的欲求を生じる場所だ。そして、脳が不安やストレスを感じると、大脳辺縁系を介して視床下部に影響が及ぶ。

「例えば、非常に強い不安や緊張を感じると、その『緊張信号』が視床下部に伝わって交感神経に指令を出す。すると動悸(どうき)や発汗などが起きる」と、東急病院心療内科の伊藤克人医長は説明する。

問題は、この視床下部の調節に不調をもたらすことがあること。ストレスが慢性的に続いたりすると、緊張信号が出っぱなしになって視床下部に負担がかかる。次第に視床下部の働きに混乱が生じ、交感神経と副交感神経の切り替えもうまくいかなくなる。

その結果、暑くもないのに汗が出たり、動悸がしたりという自律神経失調症状をもたらすことに。「この程度の症状なら、人前で緊張したときなど誰でも経験するが、もし、長く続くようなら自律神経失調症という病気が疑われる」(伊藤医長)

「自律神経失調症」の原因は5つのタイプに分けられる

自律神経は全身に張りめぐらされ、体のさまざまな機能をコントロールしている。伊藤医長は「一度バランスが崩れると、さまざまな不調(上のリスト)が現れる」と話す。

自律神経失調症は、発症原因もさまざまだ。伊藤医長は、原因として5つのタイプを挙げた。もともと自律神経に機能異常をもたらしやすい体質や性格素因がある一方、生活習慣の乱れが関与する場合や、精神的ストレスがもたらす「緊張信号」が高まって発症する場合もある。これら複数の原因が重なることもある。

自律神経失調症の治療は「まずは患者さんが訴える症状をもたらす別の病気がないかどうかを確かめる」(伊藤医長)。原因となる病気がないとわかれば、心理療法や薬物療法を行う。例えば、不安が強く「緊張信号」が過度に出ている場合には、患者の話を傾聴し気持ちを楽にする一般心理療法を行う。また、自律神経の機能異常を改善する働きのある、抗うつ薬や抗不安薬などを用いる。

このほか、自律訓練法といったリラクゼーション法などを行う場合もあるが、重要なのは生活改善のアドバイスだという。伊藤医長は「同じ出来事でも、とらえ方次第でそれがストレスになったりならなかったりする」と話す。考え方をチェンジする方法を学べば、つらさを軽減できるというわけだ。

自律神経失調症を原因で分類した5タイプ

【タイプ1】体質が原因

 もともと体質的に自律神経機能のバランスの悪い人がいる。急に立ち上がるとめまいがするといった、起立性低血圧の症状が見られる場合、このようなタイプの可能性が高い。

→軽い運動を習慣づけて自律神経機能をアップしよう

【タイプ2】性格・素質が原因

 神経質傾向が強い人は、完全主義的傾向が見られ、小さな事にもこだわる。体のちょっとした不調に対しても、重大な病気ではないかと心配して緊張信号が強く出る。

→考え方をチェンジして気持ちを楽にする

【タイプ3】生活リズムの乱れが原因

 自律神経は約24時間の周期でバランスを保っている。その周期の維持には睡眠、食事、運動などが関与しており、生活リズムが乱れると自律神経の中枢に過度の負担がかかる。

→毎日定時に起床し朝食をとるなど規則正しい生活を心がける

【タイプ4】身体的ストレスが原因

 暑い、あるいは寒い環境で作業を続けると、体温調整のために緊張信号が過度に出続けるため、自律神経失調症が見られるようになる。冷房の効きすぎにも要注意。

→衣服などで環境の変化にきめ細やかに対応する

【タイプ5】精神的ストレスが原因

 不安や緊張、あるいは抑うつなどの「不快な気分」を生じるような場面が、日常生活で多く見られるような場合に、緊張信号が過度に出て、自律神経失調症となる。

→心療内科などで一般心理療法などを受けてみる

ストレスを減らして緊急信号を出させない!
「考え方」をチェンジしよう
【ケース1】「朝、夫とケンカして、イライラして家事が手につかない」
 →チェンジ!
 イライラなどの不快な気分を自分でなんとかしようとすると、気持ちがイライラした状況に向き、ますますイライラが募る。とにかく目の前の家事をどんどん済ませよう。すると、片付いたことにスッキリして、いつの間にかイライラなんかどうでもいいと思えるはず。
【ケース2】「職場で先輩のAさんと同じように仕事がこなせずに不安になる」
 →チェンジ!
 今の自分と、Aさんのように働く理想の自分とを比較して悩んでいるが、理想の自分にすぐになるのは無理なこと。理想は理想として、今の自分でいいんだという気持ちで仕事を頑張っていけば、少しずつ理想の自分の姿に近づいていく、と考えよう。
【ケース3】「友人にメールを出したのに返事がない。なんだか不安でしょうがない」
 →チェンジ!
 世の中には自分でなんとかなることと、何ともならないことがある。相手からすぐ返信がくるかどうかは、相手次第で自分には何ともならないこと。不安な気持ちはあるがままにして、むしろ、目の前にある自分の仕事を片付けることへ気持ちを向けよう。

自律神経が裏で関わる主な病気は「更年期障害」「過敏性腸症候群」

自律神経失調症ではないが、自律神経の乱れがさまざまな症状をもたらす病気は少なくない。激しいめまいや耳鳴りが起きるメニエール病、突然息苦しくなる過換気症候群、女性ホルモンの変調がきっかけで起こる更年期障害、便秘と下痢を繰り返す過敏性腸症候群などだ。

例えば、女性の更年期では卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)が少しずつ減少。伊藤医長は「視床下部は、もっと分泌せよという信号を出し続けるが、卵巣はそれにうまく対応できない」と話す。そのうち、視床下部自体の機能がバランスを失って、自律神経系の働きにも影響を与え、さまざまな自律神経失調症状が表れる。

また、過敏性腸症候群の症状も自律神経の乱れが原因だ。胃や腸などの消化管は、主に副交感神経によって活発に活動するが、ストレスによって過度の緊張信号が続くと、視床下部の働きに狂いが生じ、自律神経系が正常に働かなくなる。伊藤医長は「仕事や運動など、本来は交感神経が活発に働くときにも消化管が活動して、強い便意をもたらしたり、下痢を起こしたりするようになる」と話す。

これらの、自律神経が関与した病気の症状改善の治療には、自律神経失調症と同様のアプローチが行われる。また、自律神経のバランスを整えるような生活習慣を心がけることも症状の緩和に重要だ。

・暑くないのに一人で汗をかく 更年期障害

卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン)の低下によって、視床下部の機能がバランスを失い、自律神経系の働きにも大きな影響が出る。気温に関係なくのぼせや冷えが見られる。動いてもいないのに、動悸や発汗といった自律神経失調症状が表れる。気温や湿度の変化が大きく頻繁だったときにも、自律神経系の症状がみられる。

・下痢や便秘を繰り返す 過敏性腸症候群

ストレスにより過度の緊張信号が続くと、視床下部の働きに狂いが生じて自律神経系が正常に働かなくなる。本来、胃や腸のような消化管は、副交感神経の働きによって活発に働くが、自律神経のバランスが崩れていると、仕事をするなど本来、交感神経が働いているときにも、消化管が活動して腹痛、下痢などをもたらす。

自律神経の乱れをセルフケアで整えよう

生活習慣を工夫することでも自律神経のバランスの乱れを整えることができる。これは自分に合いそうだ、と思うものから試してみよう。

・仕事帰りに寄り道する

日常のストレス解消では、オンとオフの切り替えが重要。せっかく仕事を終えたのに気持ちがオフにならないときは「寄り道」がお薦め。カフェでコーヒーを味わったり、書店で新刊書を立ち読みしたりするだけでも、オフのスイッチになる。

・笑う、号泣する

笑いが自律神経にもたらす効果は、世界の研究で明らかにされている。おかしくて大笑いできればいいが、ニッコリ「つくり笑い」でも効果があるという。そして同様に効果があるのが泣くこと。泣くことで副交感神経が優位な状態に切り替わる。

・ウオーキングなどの運動をする

神経伝達物質のセロトニンには、副交感神経の働きを高めて自律神経のバランスをとる作用がある。セロトニンを増やすのはリズミカルな運動で、ウオーキングがその代表だ。それ以外の運動全般にも、終えたあとに副交感神経を高める効果がある。

・ぬるい風呂に入る

入浴には、いくつもの健康効果があるが、自律神経との関わりでいえば40℃の湯が1つの目安だ。このぬるめの湯が副交感神経を高めてリラックスさせてくれる。30分の半身浴なら全身がしっかり温まる。入浴後は湯冷めしないうちに布団へ。

・コーヒーは控えめに

コーヒー、紅茶、緑茶に含まれるカフェインには、交感神経の活動を高める作用がある。日中の気分転換にはいいが、自律神経失調症の人は日常的に交感神経が優位になっているので、あまり飲みすぎないように。就寝前には飲まないほうがよい。

東急病院健康管理センター所長 兼 心療内科医長
伊藤克人さん
筑波大学医学専門学群卒。日本心身医学会認定医。「つらい体の症状があるのに検査しても異常なし。そんなときは心療内科で相談を。体と心を全体で診て症状を改善します」。

(ライター 荒川直樹、構成 大屋奈緒子=日経ヘルス編集)

[日経ヘルス 2016年12月号の記事を再構成]

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