平野ノラが明かす バブル女キャラが生まれたきっかけ

日経エンタテインメント!

(写真:中村嘉昭)

太眉にソバージュ、肩パッド入りの衣装で「おったまげー!」「しもしも~?」など、バブル時代のフレーズを連発する平野ノラが絶好調だ。50音どれでもバブリーなフレーズにしてしまうのが鉄板ネタで、最近は人気バラエティに立て続けに出演。『SMAP×SMAP』(フジ系)に出た際は、香取慎吾がノラの扮装をしたことも話題になった。

バブル女キャラが生まれたのは2013年の終わり頃。「知り合いの作家に、“ノラのネタってバブリーな感じがするよね”って言われて。そこからキャラクターやフレーズをバブル時代に寄せていきました」。 

とはいえ、2年以上パッとしなかった。風が吹き始めたのは16年7月。出演した番組の放送がたまたま6日連続になり、メジャー感を印象づける結果につながった。「私はこれを“ノラウィーク”って呼んでるんですけど」とその波を説明する。

ミュージカルを夢見るも…

子どもの頃から目立ちたがり屋で、特に好きだったのが『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日テレ系)の高田純次。『アニー』を見てミュージカルに傾倒し、「いつか自分もエンタテイナーに!」と強く思うように。高校卒業後はミュージカルスクールを見学したり、劇団に参加したり。しかし、「決められたセリフを言う演劇より、自分で考えた言葉で笑わせるほうに興味を持つようになった」という。

現在38歳。お笑いの世界に挑んだのは25歳の時だった。あるオーディションで初めてネタというものを披露するも、結果は不合格。強烈なダメ出しにショックを受け、お笑いの道を断念する。

「でも、やりきった感がないまま諦めたせいか、その後、OL、フリーター、飲食店の店員、不動産の仕事と、何をやっても『やっぱりお笑いをやりたい』という思いが残るようになってしまって。『エンタの神様』が人気の時期でしたが、うらやましすぎて直視できなかった。諦めたことがトラウマになっていた」

2度目の挑戦は31歳。同棲していた彼氏がいたが、「ここで結婚したらもう芸人にはなれない」と、プロポーズを断り一念発起した。デビュー3年目にしてヒットキャラクターに出会い、今に至る。

ネタ作りのモットーは「バブルを再現するのではなく、多少ズレていても自分が面白いと思うことを優先する」。当時はやっていたことをただ並べてもウケないという。事務所の先輩・ふかわりょうからの「キャラの精神状態が面白さを左右する」という教えを胸に、心の底から「昭和、サイコー!!」と思えるものを吟味。たとえスベったとしても、「当時の女性たちのように“自分が一番いい女”だと思ってるキャラだから、絶対にブレないでいます(笑)」。

見た人をハッピーな気持ちにさせられる芸人になることが目標だ。底抜けに楽しそうなこのキャラに、2017年はもっとあやかりたい。

ひらの・のら 1978年10月20日生まれ、東京都出身。小・中・高とバレーボールチームのキャプテンを務めていたことから、バラエティ番組でもその腕前を披露。「しもしも~?」のギャグで使用するショルダーホン(肩掛けベルト付き携帯電話)は段ボールと綿、ガムテープで手作りしたもの。「3台あるけど、修理しながら同じものを使い続けています」(ノラ)。手製の衣装は同じものが6着。飛び出すラインスタンプも好評。ワタナベエンターテインメント所属。

(ライター 遠藤敏文)

[日経エンタテインメント! 2017年1月号の記事を再構成]

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