新垣結衣の『逃げ恥』効果 冬限定チョコCMも絶好調2016年11月 CM好感度月間ランキング

今期のドラマで一番のヒットとなっている『逃げるは恥だが役に立つ』(以下『逃げ恥』)。ドラマの人気を反映して、主演の新垣結衣が出ている明治「メルティーキッス」のCMも絶好調。11月度の銘柄別CM好感度ランキングで自己最高の好感度スコアを更新し(63.3P%)、総合6位を獲得した。若い世代の女子から圧倒的な支持を受け、商品の売れ行きも好調だ。

雪景色の中で新垣結衣が「♪冬のキッスは 雪のような口溶け~」と歌う明治「メルティーキッス」のCM
CM総合研究所調べ
■調査対象期間:2016年10月20日~11月19日(東京キー5局)
■当月オンエアCM:全2791銘柄
■東京キー5局でオンエアされたすべてのCMを対象に、関東在住の男女モニター3000人に、好きなCM・印象に残ったCMをヒントなしに自己記述してもらい、その得票数を足し上げたもの
■同商品の複数作品にオンエア・好感反応がある場合、代表作品は最もCM好感度の高い作品
■企業・銘柄名・作品名はCM総合研究所の登録名称であり、正式名称と異なる場合がある

明治「メルティーキッス」のCMは、新垣が「♪冬のキッスは 雪のような口溶け~」と歌いながら、雪が降り積もった階段を降りて来て、家の前の赤いポストへ。ポストの中から赤いリボンのかかったメルティーキッスを取り出し、一粒を口にして味わい、「大賛成」と呼びかける。

メルティーキッスは、冬期限定で発売されるチョコレート。パッケージに23度以下での保存と記載されているように、溶けやすいため、気温が上がる夏には販売できない。冬の風物詩的なお菓子だ。1992年に発売されて、来年25周年を迎えるロングセラーとなっている。

歴代のCMキャラクターには、今井美樹、森高千里、広末涼子、中山美穂、鈴木えみ、松嶋菜々子、相沢紗世といった人気タレントが起用されている。新垣は2011年から登場して、今年で6年目。明治コミュニケーション本部宣伝部プロダクトブランド2Gの酒見康隆氏によると、「上質、オシャレ、高級感といったブランドイメージにぴったり」というのが起用の理由という。

若い独身女性から圧倒的な支持

CMは10月25日からオンエアが始まり、11月度の期間内の放送回数は94回。上位の携帯各社が1000回を超えるのに対して、トップ10に入った銘柄で最も少なかった。CM総合研究所の関根心太郎代表は、「この出稿量でのCM好感度の高さは驚異的。『逃げ恥』の提供枠でオンエアしている効果が顕著です。番組の雰囲気とCMのクリエーティブがうまくあうと、大きな訴求力が生まれる好例になりました」と言う。

CMの支持層は、18~24歳という若い独身女性が圧倒的。CM好感要因の1位は出演者・キャラクター。回答欄のコメントには「ガッキーかわいい」「大人っぽくなったね」といった声が目立つ。厚手ニットのカーディガンや花柄のロングワンピース、左右非対称のウェーブヘアといった、ファッションやヘアスタイルも話題となっている。「新垣さんは、あこがれのお姉さんという位置づけのようです」(関根氏)。

演出の黒田秀樹氏は、資生堂「TSUBAKI」などを手がけたクリエイター。「女性を美しく撮ることには定評のある方。今回もロマンチックな雰囲気で、ファッション性も高い。女子の心をくすぐる要素が詰まった映像になっています」(同)。

明治宣伝部の酒見氏も、「『逃げ恥』での新垣さんが妄想系のかわいい女子なのに対して、CMでは大人っぽい彼女が見られます。同じ放送枠で、イメージの違う顔を味わえる点も印象に残ったのではないでしょうか」と、ドラマとの相乗効果が高かったとみている。

CM好感要因の2位は「商品にひかれた」。 11月度にCMがオンエアされた2791商品中で、「商品にひかれた」という回答数はトップだった。CM好感度を反映して、商品の売れ行きも好調。11月の出荷金額は前年比120%と大きく伸びたという。

新垣が雪が降り積もった階段を降りて来て、家の前の赤いポストからメルティーキッスを取り出す。画面に「今年は、濃厚クリーミー」というコピーがかかり、一粒を口にして、「大賛成」と呼びかける

ちなみに、今年の新しいメルティーキッスは「濃厚クリーミー」というのが売りだが、CMでは文字が出てくるだけで、それに対して新垣が「大賛成」と口にする。「新垣さんにどんなセリフを言ってもらうかは、クリエーティブでも議論がありました。商品の特性を語ってもらうよりも、味わいを肯定している映像のほうが、お客様の感覚に近いのではないかという結論から、今回の映像になりました。『「大賛成」と言ってるカットがかわいい』という感想も多く寄せられているので、良かったのではないかと思います」(酒見氏)。

CMソングも冬の風物詩に

CM好感要因の3位は音楽・サウンド。「♪冬のキッスは 雪のような口溶け~」と新垣が口ずさむ歌は、6年間ずっと同じ曲が使われている。「それも“風物詩”効果を生んでいる」と、CM総研の関根氏は言う。「毎年、同じ歌、同じタレント、同じ雪の映像を繰り返していることで、CMが流れ始めると、今年もメルティーキッスの季節がやって来たと受け止められる。それも、少ないオンエア回数であっても認知度が強い理由のひとつです」。

新垣は、もともと女子からの人気が高いタレントだが、ヒットドラマ『逃げ恥』で脚光を浴びて、さらに注目度がアップ。CMにも、その波及効果は絶大だった。

メルティーキッスは冬期限定商品なので、CMのオンエアは1月末までの予定。12月20日で最終回を迎える『逃げ恥』ロスの声が強まるなか、メルティーキッスCMのほうはもうしばらくの間、女子たちを楽しませてくれそうだ。

(日経エンタテインメント!小川仁志)

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