宿泊先の確保に技あり インバウンド集客倍増で急成長訪日旅行ベンチャー、フリープラスの須田健太郎社長に聞く(1)

公認会計士・心理カウンセラー 藤田耕司

公認会計士・心理カウンセラー 藤田耕司
フリープラスの須田社長
フリープラスの須田社長

2020年東京五輪・パラリンピック後の「post2020」もインバウンド(訪日外国人)観光は引き続き成長が期待される。訪日旅行手配などを手掛けるFREEPLUS(フリープラス、大阪市)の須田健太郎社長(31)は成長分野の担い手として注目される若手起業家の一人。同社が日本に呼び込んだ外国人観光客総数は毎年2倍のペースで増加を続け、16年3月期は13万人に達した。インバウンド振興の旗手に急成長の原動力について聞いた。(聞き手は公認会計士・心理カウンセラー 藤田耕司)

藤田 訪日観光のビジネスを具体的にどのように展開しているのですか。

須田 海外の旅行会社に対して日本を旅行するツアーを提案し、その旅行に必要な宿泊施設、交通機関、飲食店、観光施設、ツアーガイドなどの予約手配や催行中ツアーの管理を行っています。現在、世界24カ国の450社以上の旅行会社と取引をしています。海外拠点は上海、ジャカルタ、シンガポールにあります。

藤田 インバウンド観光の需要拡大に伴い、業績も伸びていますね。

須田 日本に招いた観光客は14年3月期が2万5000人でした。その後、15年3月期は6万人、16年3月期は13万人で推移しています。売上高は14年3月期が9億円、15年3月期は18億円、16年3月期は38億円になりました。従業員数はアルバイトを含めると、14年3月期が39人、15年3月期は82人、16年3月期は130人になっています。

藤田 利用者数、売上高、従業員数ともに毎年2倍のペースで増えていますね。このビジネスをどのような経緯で始めたのですか。

須田 会社設立は07年です。当時22歳でした。IT(情報技術)関連のアウトソーシングサービスを手掛けていましたが、10年に訪日旅行の事業を始めました。きっかけは「日本の国内総生産(GDP)が中国に抜かれる」というニュースでした。ショックでしたね。日本のGDPは米国の次。そう思っていたのに、まさか中国に抜かれるとは。日本は少子高齢化も進み、労働人口も減る。先人が築いてくれた豊かさが、どんどん失われていく。日本の「没落」に歯止めをかけ、豊かさを取り戻すのは日本人の義務だと感じ、人口が減少しても日本のGDPを伸ばせる産業を育てたいと思うようになりました。国外から人を呼び込み国内での消費を促せる訪日観光に関連したビジネスならば、それが可能だと思ったのです。

藤田 日本人としての危機感があったのですね。

須田 それだけではありません。やるからにはその分野で世界一の企業を創りたいという思いもありました。自分の人生をかけてでもやるべきなのは訪日観光関連事業だという結論に至り、この事業を10年10月に始めました。

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