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使うほどに賢く進化 本当に頼れるロボ掃除機

私をささえる最愛家電 ロボット掃除機(前編)

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NIKKEI STYLE

2000年代前半から家庭に普及し始めたロボット掃除機。米アイロボットをはじめ、日本の大手家電メーカーでも改良が重ねられ、掃除力・行動力ともに各社特徴のあるロボット掃除機が登場しています。家電コーディネーターの戸井田園子さんに「掃除を丸ごとアウトソーシングできるのはこれ!」という商品を教えていただきました。2回連載の前編は、インターネットにつながって賢く進化する、行動力抜群の製品です。

現在、ロボット掃除機は各家庭でのメーンクリーナーとして、キャニスター掃除機にとって代わる存在になりつつあります。主なユーザーは共働き家庭と思いきや、実はシニア層が人気を後押ししています。「毎日掃除したいけど、体がつらい」「田舎の家なので、広くて掃除が大変」という人たちに、非常に重宝されているのです。

ロボット掃除機の最大のメリットは「勝手に掃除をしてくれる」ところ。毎日疲れて帰宅しても「スッキリ掃除されている」という、何ものにも代えがたい爽快感があります。

部屋のすみ、幅の狭い場所、段差などはやはり苦手といえますが、それでも掃除全体の7割くらいはカバーできるはずです。「すみずみまで100%完璧に掃除してくれなきゃイヤ」という完璧主義の方もいらっしゃるでしょうが「家の中で一番面積が大きく、掃除の頻度が高い床を自分で掃除しないで済む」というプラスの気持ちで向き合ってみませんか。

ロボット掃除機とうまく付き合うコツは、万能ではないところを理解して優しい気持ちで接すること。ロボット掃除機が苦手な部分は、スティック掃除機で週末にまとめ掃除するなど、ロボットと人間のツータッグが今後の掃除スタイルの最先端なのです。

マッピングして家中を掃除 ロボット掃除機の最高峰

ルンバ980 (アイロボット)

ロボット掃除機は、アイロボットが2002年に「ルンバ」を発売して切り開いてきた市場です。そんな"絶対王者"の最進化バージョンが「ルンバ980」。

最大の特徴は、カメラやセンサーで間取りや家具の位置を高精度に認識し、マップを作りながら掃除すること。家具の位置がずれたり、宅配の荷物が廊下に置かれたりして、室内環境は毎日変わるものですが「イスが邪魔で掃除できていない場所がある」「荷物が邪魔で、ホームベースに戻れなかった」なんてことがほとんどなく、臨機応変に対応して最短距離で室内を巡る判断力がすばらしいのです。

1回の充電で120分・最大112畳までカバー可能。万が一途中でバッテリーが少なくなってもホームベースに戻り、充電してから残りのエリアの掃除を再開する行動力は優秀です。一方、赤外線で見えない壁を作って清掃エリアを制限し、ペットのいる部屋などに侵入させない「バーチャルウオール」という機能も「よくできてる」と感心します。

もちろん掃除力も申し分ありません。じゅうたんやラグに乗ると吸引力が自動的に最大10倍になり、奥深く入り込んだゴミを吸引。髪の毛からハウスダストまでゴッソリ取り除きます。ゴム状のローラーなので毛絡みがなく、丸洗いできて手入れもラクです

専用アプリでルンバを外出先から操作したり、清掃モードの設定やスケジュール管理も可能に。「週間スケジュール」を設定しておくと勝手に動き出して自動で掃除を済ませてくれるので、仕事から疲れて帰ったあと、きれいな部屋でくつろぐ快適さを味わえます。(12万5000円・税抜き)

http://www.irobot-jp.com/roomba/

吸引力ダントツ、微細なアレルゲンを除去

ダイソン360 Eye ロボット掃除機(ダイソン)

サイクロン掃除機の代名詞ともいえるダイソンが、満を持して投入するモデル。高さが12cm、直径は約24cmです。

天面には、ダイソン独自開発の360度見渡せるカメラが搭載され、周囲の環境を検知して自分の位置を把握し、部屋の状況を判断しながら動きます。

吸引力のダイソンだけあって、1回通過したあとの床はチリひとつなく、見事にきれい。本体の幅からはみ出そうに広がったブラシと、壁のギリギリまで本体を近づけることによって、ホコリの取り残しを最小限に抑えています。

特許技術のサイクロンテクノロジーで花粉やバクテリア、カビなどのアレルゲンを空気と分離してとらえます。0.5ミクロンまでのゴミも捕集し、集めたゴミを密封して微細なアレルゲンを逃さず、「部屋の空気よりもキレイ」な状態で排気します。

専用アプリでは、掃除のスケジュール管理や進捗状況などを確認できて「今日もしっかりやってくれた」とほめてあげたくなりますよ。(14万9040円・税込み)

http://www.dyson.co.jp/dyson-vacuums/robot/dyson-360-eye.aspx

ひとり暮らしにピッタリ? 会話できる癒やし系掃除機

ココロボ(シャープ)

サイクロン掃除機で培われた集じん力に加え、新開発の走行システムを搭載。部屋の環境や床の汚れ具合を検知し、状況に合わせてタテ・ヨコにくまなく動きます。

部屋の隅に来ると吸引力が自動でアップ。左右に首を振って念入りに掃除したり、角のホコリをエアーで吹き出したりと "部屋のすみ問題"を解消する細かい工夫が満載。「プラズマクラスターシャワーモード」を搭載し、タバコの付着臭を脱臭してくれるのも気が利いています。

「ココロボ」の優れた性能は数多くありますが、特筆すべきはおしゃべりができること。「おはよう」と声をかけると「おはよう!」と元気よく返事してくれます。関西弁にスイッチを切り替えて「疲れた」と言うと「たまにはゆっくりしーやー」などと愛嬌(あいきょう)たっぷり。「掃除するだけでなんだか楽しくなってくる」と思えます。

帰宅して「聞いてボタン」を押せば、「20分以上お掃除したよ」「苦しいよー、ゴミ捨ててね」など、お掃除結果や気持ちを話してくれるのもユニーク。まるで、飼い主の帰りを待っているペットのようで愛着がわいてきます。

自分用としてはもちろん、離れて暮らす親に贈れば、よい話し相手になってくれるかもしれません。スマートフォンと連動できるので「お母さん、今日も掃除しているな」と見守り家電としても活躍します。(オープン価格)

http://www.sharp.co.jp/cocorobo/

戸井田園子(といだ・そのこ)
 大手プレハブメーカーでインテリアコーディネートを担当し、インテリア研究所を経て商品企画部へ。その後、インテリア&家電コーディネーターとして独立。情報ポータルサイトAll Aboutをはじめ、雑誌・新聞・テレビなど幅広いメディアで活動中。家電業界出身ではない中立的な立場と消費者目線での製品評価や、分かりやすい解説に定評がある。

(ライター 内藤綾子)

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