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ピコ太郎が語る『PPAP』誕生秘話 長さ1分の理由

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NIKKEI STYLE

角刈りにパイソン柄のセットアップ、目元には怪しいサングラスをした謎の男性が、「ペンパイナッポーアッポーペン」と、テクノ調の曲で歌い踊る約1分間の動画が世界を席巻している。

『PPAP』と名付けられたその動画は、2016年9月28日に米国の人気シンガー、ジャスティン・ビーバーがTwitterで「お気に入り」と紹介したことをきっかけに大ブレイク。「YouTube週間再生回数ランキング」では、3週連続で日本人初の世界一を記録。累計は1億回を超える。

その張本人であり、お笑い芸人・古坂大魔王とそっくりな、千葉県出身の53歳のピコ太郎に、『PPAP』の創作秘話について聞いた。

       ◇        ◇        ◇

僕の才能を見いだしてくれた、プロデューサーの古坂大魔王さんの家に行った時に生まれたのが『PPAP』です。古坂さんがコントで使っていた『テクノ体操』のトラックを基に、曲を作ろうとなったんです。僕が歌詞を考えている時に、手に持っていたのがペン。じゃあ「アイ・ハブ・ア・ペン」でいいんじゃないかと。彼は青森県出身ということもあり、部屋にリンゴが置いてあったので、「アイ・ハブ・アン・アッポー」。そんな調子で出来上がった1曲です。

8月末にYouTubeに『PPAP』をアップした後、女子中高生たちが歌やダンスをマネした「カバー動画」を上げてくれるようになりました。その後、米国の面白動画を紹介するサイト「9GAG」に取り上げられ、その3日後に、あのジャスティン・ビーバーがTwitterで紹介してくれたんです。今はそのことを"ジャスティンインパクト"、そして今の状況を"ジャスティンフィーバー"と呼んでいます(笑)。

ヒットした理由は全く分かりませんが、「ペンパイナッポーアポーペン」は英語圏の方からすると、「L」が多く入っていて、発音が意外と難しいらしいんですね。外国の方に「子どもはあれを覚えて言いたくなるんだよ」と言われました。最近では、トランプ米国次期大統領の5歳の孫娘さんが、「カバー動画」を上げていて驚きました。

ミュージカルの手法を活用

約1分という長さも良かったんだと思います。一般的に曲といえば5分ほどありますよね。ただ濃厚な1分間で盛り上がって終わる曲があってもいいんじゃないかと。Twitterにアップ可能な動画の上限時間も140秒だったりしますしね。グラミー賞も受賞している、米国のヒップホップグループ、ブラック・アイド・ピーズのウィル・アイ・アムさんが数年前のインタビューで、「今後の曲はよりシンプルに、より音階もなく、1分ぐらいになるんじゃないか」と言っていたのが、頭のどこかに残っていたのかもしれません。実際のところは、1分くらいの長さの曲しか作れないというのもあったりはするんですけど(笑)。

       ◇        ◇        ◇

楽曲の踏み込んだ話になると、「プロデューサーの古坂さんが言っていた話ですが」と謙虚に断わりを入れつつ、『PPAP』に隠された秘密を語ってくれた。

       ◇        ◇        ◇

実はミュージカルなどで使われる、盛り上がる部分ではBGMを流さない、「ブレイク」というテクニックを使っています。最後の「ペンパイナッポーアッポーペン」がオチというかサビなので、それを強調して聴かせるために、直前で音を止めているんです。相川七瀬さんの曲『夢見る少女じゃいられない』と同じ方式と言えば分かりやすいですかね(笑)。

また冒頭に、かわいらしい子どもの声で「ピ、ピコ、ピコ、ピコ太郎」と入れてあるのですが、あれにはお笑いの要素である、「緊張と緩和」の意味合いがあって。見た目の怖い僕からいきなり曲を始めるのではなく、子どもの声で1度聴く人たちを「緩和」させておいて、その後に流れる曲をより際立たせる効果を狙っています。

ですがヒットしたのは本当に偶然だと思います。ただ準備だけはずっと怠らずにやってきました。打率が低いことは分かっているので、『PPAP』をアップした際にも、同時に5曲を上げているんです。それは古坂さんの歩んできた人生から学んだことが大きく影響しています。

90年代にはやったバラエティ番組『ボキャブラ天国』で芸人ブームが起きた際、底ぬけAIR‐LINEというコンビを組んでいた古坂さんも一躍時の人となりました。周りの芸人たちが売れたお金で車を買うなか、古坂さんはブーム後を見据えて、「音ネタ」をレベルアップさせようと、パソコンやシンセサイザー、音楽ソフトに何百万も費やしていたそうです。しかしそこからすぐにうまくいったわけではなく、食えない時期や音楽だけをやっていた時期もありました。周りの芸人からはバカにされるも、「音楽で世界を変える」という思いだけはずっと持っていたそうです。

先日、同じボキャブラ世代の芸人のくりぃむしちゅー上田(晋也)さんに、「あの時に言ってた音楽ってこういうことか。国境を越えちゃうからすごいよな」と言われた時は、今までの努力が報われた気がして、涙が出るほどうれしかったと言っていました。

今後も1カ月に2曲ぐらいのペースで、曲をYouTubeにアップし続けていくつもりです。ヒットの作り方は分からないので、今面白いと思うものを皆さんにどんどん提供して、あとは世の中の人々に選んでもらえるかどうかだと思います。このような作品でも、日本文化の一端ではあると思うので、それを世界の人々に楽しんでもらえるとうれしいです。

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2017年1月号の記事を再構成]

日経エンタテインメント! 2017年1月号


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