つい食べてしまう仕事中のお菓子 1分でやめるコツ
前回の記事「夜中のお菓子がやめられる 誰でもできる1分簡単ワザ」で紹介したオススメアクション、実践していただけましたか? いずれも1分あればできるので、気軽に試してみてくださいね。そして、今回は「会社でつい食べてしまうお菓子」。やめたいのにやめられない……といつも思っているあなた、必読です!
仕事中のお菓子が我慢できない、そのわけとは
会社でのお菓子は、夜中のおやつよりも誘惑がいっぱい。それほどお腹がすいているわけでも、そのお菓子を食べたいわけでもないのに、無性にお菓子が恋しくなって、ついつい食べてしまう。やめようと思っても、出張のおみやげや差し入れ、おすそ分けがまわってきて、誘惑に負けてしまう。気がつくと体重が増えていた……なんてこと、経験があるのではないでしょうか。
そして、楽しく味わって食べるならいいけれど、仕事中の「なんとなくお菓子」や「とりあえずお菓子」をやめたいと思っていませんか?
それでは早速、会社でなんとなく食べてしまうお菓子をやめるための仕組みと、簡単なアクションをお伝えしましょう。
会社でのお菓子がやめられないKさん。残業が多い仕事ということもあって、オフィスのコーヒーマシーンの横には、お菓子と冷蔵庫が常備。Kさんは、「何をいつ食べてもOKだし、来客者からのお菓子の差し入れも多くて、やめたいけれどやめられる自信がない……」と悩んでいました。
Lさんのオフィスは、勤務時間中はお菓子禁止。ドリンク、飴、チョコ、ガムのみOK。Lさんは、ランチ後の眠気覚ましのガムにはじまり、3時のおやつや仕事が行き詰まったときのチョコが習慣化しています。Lさんは、「チョコをやめると仕事がはかどらない気がして、なかなかやめられない」と悩んでいました。
* * *
私たちは、理由もなく無性にお菓子が食べたくなるわけではありません。「お菓子が食べたい!」は、体からのサイン。仕事中にお菓子を食べたくなるのは、小腹がすいたときだけではありません。特に、疲れていたり、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスがたまったときに、無性にお菓子が恋しくなるのです。実際に、お菓子のおかげで、リフレッシュやストレス解消ができ、結果的に仕事の効率が上がることも。
そうはいっても、限度があります。やっぱり、自分でメリハリをつけられたら、もっと気分がよく仕事をできるのに……と思っている方も多いのでは? ではいったい、どうしたらいいのでしょうか?
お菓子をやめるには脳の仕組みを活用しよう
「仕事中のやめられないお菓子」に自分でメリハリをつけ、もっと気分よく仕事をするためにはどうしたらいいのでしょうか? 解決策は2つあります。
・「お菓子を食べる代わりにすること」を事前に決めておく
・お菓子を食べたくなったら、代替行動をしてスイッチを「キリカエ」る
お菓子を食べる以外の代替行動を決めておいて、お菓子モードから「キリカエ」てみましょう。最初にすることは「突発的に無性にお菓子が食べたくなったらすること」(代替行動)をあらかじめ決めておくのです。次に、お菓子を食べたくなったら、その瞬間に代替行動を行います。そうすることで、お菓子モードから、通常のモードに「キリカエ」ることができます。
これは、脳の仕組みを活用しています。人間の脳には、さまざまな刺激や思考のうち、その瞬間にもっとも重要なものに集中するという機能があります。つまり、人間の脳は、1つの作業をはじめると、ガムをかむなどの反射的な作業を除いて、もう1つ別の作業をするためのスペースが少なくなるのです。この仕組みを「キリカエ」スイッチとして、活用します。
参考までに、私のクライアントが実践してみて、効果があった代替行動をご紹介しましょう。
・10秒だけ目を閉じる(視界情報を遮断することでキリカエ)
・とりあえずトイレに行く(場所を変えることでキリカエ)
・とりあえずブラックコーヒーを飲む(代替飲食でキリカエ)
・とりあえずゴミ箱を空にする(気分転換でキリカエ)
いずれも1分ほどで出来ることですよね。では、もう1つの方法を次にご紹介しましょう。
たかがお菓子、されどお菓子 自分の欲求に耳を傾ける
「お菓子が食べたい!」は、体からのサイン。本当におなかがすいているときもあれば、気分転換やストレス発散が目的のこともあります。体から発せられたサインの意味を考えるクセをつけると、突発的に食べたい欲求が減ります。
・食べたいと思う本当の目的は? と自分に問いかけてみる
食べたくなったら、「本当の目的は?」と、「目的チェック」をするだけ。もし小腹がすいているならお菓子を食べてもいいのです。不思議なことに、自分の本当の欲求がわかるだけで、お菓子の欲求がなくなることもあります。もしそれでも食べたい場合は、解決策1の代替手段を試してみましょう。
* * *
以前は、会社でお菓子を食べたくなったら、その都度食べていたKさん。「解決策1:代替手段」を実行するようになってから、変わりました。Kさんは、食べたいサインが出たら、トイレに行くことにしました。すると、トイレから戻ると、食べたい気持ちが消えているときもある事に気がつきました。それでも、食べたいときは、まずはブラックコーヒーを飲むことにしたのです。その結果、「お菓子を食べる量が減った」と教えてくれました。
日々結果が問われるプレッシャーのきつい職場にいたLさん。お菓子を食べたくなったら、ちょっと立ち止まり「目的チェック」をするように。自分自身に「どんな目的でお菓子を食べたいのだろう?」と問いかけたのです。
すると、仕事で行き詰まったときが多いことに気づきました。仕事の行き詰まり自体は、お菓子以外の別の方法でも解決可能です。Lさんは、仕事で行き詰まってお菓子を食べたくなったら、トイレで軽くストレッチしたり、人と話をするなど、代替行動をとるこにしました。以前の、仕事での行き詰まり⇒お菓子という流れが、仕事の行き詰まり ⇒ 代替行動 ⇒ それでもダメならお菓子、になったことで、会社でのお菓子が3分の1に減ったと教えてくれました。
1.食べたくなったときの代替手段を決めておく。
2.食べたいと思ったら、本当の目的は? と自分に問いかけてみる。
お菓子は、あなたの敵ではありません。うまく付き合えば、仕事でもプライベートでも、あなたの人生に楽しみや豊かさをプレゼントしてくれます。仕事もお菓子タイムも、あなたが心から楽しめる時間が1秒でも増えるヒントになりますように。
大平朝子(おおひら あさこ)
国家公務員試験を首席合格。裁判所書記官として、年間2000件の裁判記録を扱う中で問題解決のある法則を発見し、独立。教育団体、女性団体、外国人リーダー向けに、講演・研修を実施。無職だった夫をベストセラー作家にした手法が注目され、女性経営者など2300人以上の問題解決に携わる。現在は、愛する二人の息子の育児をしながら、夫であるプロコーチ大平信孝のスクール「株式会社アンカリング・イノベーション」のマネジメントも行う。著書に夫婦初共著となる「ダラダラ気分を一瞬で変える 小さな習慣」(サンクチュアリ出版)。
[nikkei WOMAN Online 2016年11月22日付の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。