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忙しい人向け 短時間の集中運動HIITトレーニング

東海大・川田医師が提案する30~40代で身に付けたい健康習慣(3)

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス
30歳を過ぎたら身に付けたい3つの健康習慣を、東海大学医学部の川田浩志教授に教えていただくシリーズの運動編。前回の記事では「食事」をテーマに取り上げたが、今回は気になる「運動」について話を聞いた。「忙しくて時間がない30~40代のビジネスパーソンにぴったり」と川田教授がおすすめする注目のHIITトレーニングって?

健康維持のために「つらい」運動をする必要はない

健康を維持するために、運動をすればいいことは誰でもわかっているだろう。だが、「わかっちゃいるけれど、おっくうになってしまって……」という人は多いに違いない。とくに30代から40代にかけては、仕事や家庭のことに追われているためか、なかなか運動をする時間がとれない傾向にあるようだ。しかもここ数年、運動をしている人の割合はさらに減っているという。

最近の調査によれば、運動を習慣にしている人は、30代では男女とも1割前後、40~50代では男性が2割前後、女性も1~2割と低い数字が出ている。

このような傾向に対して、東海大学医学部内科学系血液・腫瘍内科学の川田浩志教授は、次のように解説する。

「運動の習慣がつかない理由として、運動に対して『大変そう』『つらそう』という負のイメージが強いことが挙げられます。わざわざ貴重な時間を削ってまで『つらいことをしたくない』と思っている人は多いのではないでしょうか。でも、健康維持のために、つらくなるほどの運動をする必要はありません。ウオーキングの習慣を身につけるだけで病気になりにくくなり、死亡率が下がることがわかっています」

例えば4000人以上の米国男性(平均年齢63歳)を対象にした調査によれば、ウオーキングや軽いサイクリング程度の軽めの運動をするくらいでも、まったく運動しないより明らかに死亡リスクが4割ほど低下することがわかっている[注1]

ただ、「死亡リスクが下がる」といわれても、30~40代の人には遠い未来の話に聞こえてしまい、「だったらぜひ歩こう」という気にはなかなかなれないだろう。30~40代における運動を考えた場合、死亡リスク以前に考えるべき要素がある。

[注1]Wannamethee SGほか. Lancet. 1998年

現代人の筋力は30~40代で落ちている

もしかして、あなたは階段や歩道の段差でつまずくことが増えていないだろうか。それは、筋肉(この場合は足の大腿四頭筋)が衰えている証拠。脳でイメージした通りに、足が上がらなくなっているのだ。

かつては、40歳あるいは50歳を過ぎたころから、そうした現象が現れたが、最近では30代から早くもそんな体験をする人が増えている。これは、運動をしない人が増えたことと無関係ではない。

「とくに鍛えることをしない限り、筋力は20代でピークを迎え、30歳を過ぎると徐々に落ちていきます。ですから、30代で筋肉を鍛える運動をしなければ、その落ち方は激しくなっていくばかりなのです」と川田教授は語る。

では、どういう運動をするのがよいのだろうか。体にいい運動というと、ウオーキングやジョギングのような有酸素運動を思い浮かべる人が多いかもしれない。有酸素運動とは、酸素を体内に取り入れながら長時間続けて行う軽度~中程度の運動のことだ。有酸素運動をすると、体脂肪の燃焼が活発になるため、ダイエット効果があり、生活習慣病の予防にもつながる。

有酸素運動は大切だが、それだけでは足りない

「もちろん、有酸素運動は大切です。生活習慣病予防や持久力を維持するのが目的ならば有酸素運動をするのがよいでしょう。でもそれだけでは、瞬間的に大きな力を出せる『速筋(そっきん)』を鍛えることができません。速筋を鍛えるには、筋力トレーニング(筋トレ)も必要です」と川田教授。

「速筋」とは、ダッシュやジャンプをしたり、重いものをグイッと持ち上げたり、急な動きや大きな力を出すときに活躍する筋肉のこと。それに対して、長い間運動を続けたり、エネルギーを生産したりするために使われる筋肉は「遅筋(ちきん)」と呼ばれている。

「速筋が衰えると、とっさの動きや素早い身のこなしができません。30代を過ぎて引退するスポーツ選手が多い理由の一つは速筋が衰えていくことです。一般の人でも、速筋が衰えると身のこなしが緩慢になり、年寄り臭く見えてしまいます。そうなると、運動がますますおっくうになるだけでなく、ウオーキングやジョギングなどの有酸素運動をした場合にも、歩幅が狭くなったりスピードが落ちたりし、運動の効果も薄れてしまうのです」(川田教授)

では、速筋を維持するには、どのような運動をすればよいのか。一般には筋トレがいいとされているが、それこそ「きつい」「時間もかかる」ということで働き盛りのビジネスパーソンには敬遠されてしまうだろう。

そこで川田教授が推薦するのは、最近注目を浴びている「HIIT(High Intensity Interval Training)トレーニング」だ。筋肉に対して、高強度(High Intensity)の負荷を断続的(Interval)に与えるトレーニングである。

有酸素運動と筋トレの効果が同時に得られる「HIITトレーニング」

HIITはリオデジャネイロ五輪におけるニッポン柔道の復活を支えた最新の科学的トレーニング法の一つとして注目を集めている。だが、そんなに難しく考えることはない。高強度の運動を何十秒か行い、1~2分休み、またきつい運動をする……といったことを何回か繰り返せばいい。

「例えば、高強度の運動を20秒間続け、それを2分間隔で3回繰り返すといった感じです。若干負荷がかかっている自転車型トレーニングマシンを20秒間全力でこぐのを3回繰り返せば、普通に45分間マシンをこぎ続けたのと同じ運動効果が得られることが報告されています[注2]。具体的には、この研究では、HIITトレーニングによって、インシュリン感受性の向上(肥満や糖尿病の予防につながる)、最大酸素摂取量の増加(持久力の指標で、高めれば肥満、動脈硬化、生活習慣病などの予防につながる)、筋肉のミトコンドリア含有量の増加(エネルギー代謝がよくなる)が見られました」と川田教授は説明する。

「最大酸素摂取量が増えるということは、それだけ、有酸素運動能力が高まっているということです。その分、体を動かしたときに、脂肪燃焼が促されます。ミトコンドリアはエネルギー産生の場なので、増えればその分、体のエネルギー産生が促されて、体脂肪燃焼につながります。負荷をかけて自転車をこぐことで、もちろん速筋も鍛えられ、筋肉量が増えれば、その分、ミトコンドリア数も増えてエネルギー産生が増し、さらに脂肪燃焼が促されます」(川田教授)

[注2]Gillen JB et al. PLOS ONE 2016

上のグラフで、「激しいトレーニング」は「自転車型トレーニングマシンを20秒間全力でこぐ運動を、2分の間隔で3回繰り返す」、「通常のトレーニング」は「自転車型トレーニングマシンを45分間、楽なペース(最大心拍数の70%以下)でこぎ続ける」というもの。

「激しい」といっても、健康な30~40代ならば20秒間全力でこぐくらいなら何とかなるだろう。2分間隔で3回繰り返しても、5分で終わる。それだけで、長々と45分間こぐのと健康効果が変わりないのだから効率的だ。

「何よりも重要なのは、HIITをすることで、有酸素運動と筋トレのどちらの効果も得られるということです。つまり、有酸素運動による体脂肪の燃焼、筋トレによる筋肉量の増大が同時に期待できるのです」と川田教授。

忙しくて時間がない働き盛りのビジネスパーソンにはぴったりの運動といえよう。ただし、短時間にせよ、かなり強度の高い運動を行うので、血圧が高いなど健康に不安がある人はあらかじめ医師に相談してほしい。

「自転車型トレーニングマシンを使えば、ペダルの負荷は簡単に設定できます。また、ある程度負荷がかかった状態で全力を出し切ることができればOKで、細かい負荷のレベルにこだわる必要はありませんし、もちろん自転車にこだわる必要もありません」と川田教授。

川田教授自身、自宅にある自転車型トレーニングマシンを使って毎朝このトレーニングを行っている。それを始めてから、明らかに体が変わったことを実感したという。「例えば、以前よりも階段がずっと楽に上れるようになったのです。効果が体感できると、またやりたいという気持ちになるので、好循環が生まれますね」(川田教授)。

「自転車型トレーニングマシンなんて値段が高いし、家が狭いから置く場所なんてない」と思う人もいるかもしれないが、今では1万円台で買える機種もあり、意外に場所もとらない、と川田教授。ウオーキングマシンは音が出るので近所迷惑になる恐れがあるが、自転車型マシンならばその心配もほとんどないのもメリットだ。まずは休みの日に近所のジムで試してみてはどうだろうか。

(ライター 二村高史)

この人に聞きました

川田浩志(かわだ・ひろし)さん
 東海大学医学部内科教授(血液腫瘍内科)、医学博士。最先端の血液内科診療に日々従事しつつ、アンチエイジング・ドックの面談医も務めるなどアンチエイジング医学の普及にも力を入れている。自らがアンチエイジング実践派で、人生を楽しみ、健康的に生きることを信条としている。その生活指導には定評があり、講演依頼やTV・ラジオ・雑誌の取材も多い。受賞歴:東海大学総長賞(松前重義賞学術部門)など。著書:「医学データが教える 人生を楽しんでいる人は歳をとらない」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

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