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うっとり絶妙 スリランカでアーユルベーダ体験

日ごろの生活を見直す心地よさ

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NIKKEI STYLE

インドやスリランカの伝統医学であるアーユルベーダ。シロダーラという額にオイルを垂らす施術やマッサージがイメージとして先行しているかもしれないが、実はそれはほんの一部にすぎない。スリランカに行き、体質診断から始まって、ヨガ、様々なトリートメント、食事を含む専門施設で、アーユルベーダとは何かを体験した。

「聖なる光り輝く島」スリランカへ

インド大陸の南に位置するスリランカのコロンボまで成田から直行便で約9時間。イヤリングのような形の九州より小さいこの島国には、実に8つの世界遺産と100を超える自然保護区があり、国名のスリランカは「聖なる光り輝く島」という意味を持つ。スリランカの人々にとってアーユルベーダは伝統医療だが、観光客でも訪れやすいアーユルベーダ施設も多くあり、中にはリゾートホテルの一部に付設しているところもある。その中から、スリランカ人のオーナーはじめ日本語が分かるスタッフがいることから、日本人にも馴染(なじ)みやすい「アーユピヤサ」で、アーユルベーダのプログラムを受けることにした。

6時に起床、お粥とヨガから始まる朝

コロンボから車で約3時間、アーユピヤサはスリランカのカレーには欠かせないスパイスの産地マータレーにある。客室は広々としていて、洗面所もきれい。机の上に置かれたスケジュールによると、朝6時起床。レストランでハーブ入りのお粥(かゆ)を飲んでから1時間のヨガ、その後に朝食。お昼を挟んで午前に約2時間、午後に約1時間のトリートメント、そして8時には夕食を終えるというのを毎日繰り返すという規則正しいもの。

翌朝6時、朝日と鳥のさえずりと共に起き、ヨガの前にまずお粥を飲むというのが新鮮だ。見た感じ青汁風のお粥は、ハーブ、ココナツミルク、米そしてガーリックにショウガも入っていて、スープのように深みのある味。胃腸も含めて体が目覚めていくようだ。

ヨガの道場は敷地の少し奥にあって、深い緑に囲まれ、空気がここだけさらに澄んだ感じがする。ヨガマットにあぐらをかいて座り、まずは心を静めて「オー、ウー、ムー」というマントラの唱和から。ポーズを取るのではなく、深い呼吸と体を伸ばすことに意識を集中させて、ゆったりと動作をする。筆者は体が硬いのだが、この動きの前後で前屈をするのが楽になるのを実感。途中で朝日が輝き、道場に射す日の光が温かく、自然の恵みも感じる時間はとても心地よいものだった。

アーユルベーダの体質診断の方法とは

初日のトリートメント前にアーユルベーダの専門医が問診と脈診で、各自の体質(ドーシャ)を分析してトリートメントの方針を決める。アーユルベーダでは、人はヴァータ、ピッタ、カパという3つの体質要素を持っていて、どれかに偏っていることが心身に様々な症状を引き起こす。この3つのバランスを取るためにトリートメントをその人の体質に合わせて行うというわけだ。

この体質チェックは、記憶力、集中力など精神的なものと体の特徴や食欲、睡眠などの身体的なものの合わせて24問に対して、自分で一番合うと思う答えを選んでいき、その回答で診る。例えば、許容力なら「あまりない(ヴァータ=V)」「普通(ピッタ=P)」「寛容である(カパ=K)」、身体の特徴では「背が高く、痩せ形、乾燥している、弱い(V)」「繊細、中肉中背、強い(P)」「大きくて強い(K)」など。迷ってしまったら、先生が判断を手助けしてくれる。私が回答を決めかねた、手足が「薄く、ざらつく(V)」「強い、赤っぽい掌と足の裏(P)」「大きくて強い(K)」では、私の手に触って「ピッタね」と選んでくれる。

その後、先生が動脈に当てた3本の指で、どの指の脈が一番強いかと、脈の速さなどで総合的に3つの体質のバランスを判断し、それに合わせて使うオイルやハーブも含めて個別にトリートメント法を選んでくれる。

座ってマッサージ、微妙なシロダーラの調節にうっとり

アーユルベーダで行うマッサージ(アビヤンガ)のうち、まず私は肩と頭のマッサージからということで、これが座ったままで行うのに驚いた。オイルはゴマ油をベースにしたもの。頭髪はこするように、肩はなでる、揉(も)む、つまむという様々なツボ刺激で、終わると肩が軽く感じる。抜けた頭髪をさっさと払い、次は全身マッサージに移る。こちらも握りこぶしを使った強いタッチとさするような優しいタッチの強弱のバリエーションが心地よく、揉みほぐされて1時間半が過ぎた。

そして、シロダーラ。他国で受けた経験ではずっと同じ場所に油が垂れて、頭がベタベタになった印象だけが残っているのだが、ここでは垂らす位置を変えていく調節が絶妙。まるで優しく額をタッピングされているようで、確かにうっとりするものだ。シロダーラの後にはハーブを敷いた箱のようなスチームバスに入る。最後にハーブティーが出され、額回りにユーカリ、ハッカ、シナモンなどが入っているバームを塗ってもらって終了だ。

その他に、目の回りを小麦粉で作った土手で囲んで、油をたらし、眼を洗うという施術や温かいハーバルボールや薬草湯の施術もあった。

医食同源、昼は王様のように、夜は物乞いのように食べる

アーユルベーダでは、食事によっても体のバランスをとる。施設によっては、体質によって避けるべき食べ物を特定して、指導を図るところもあるとのことだが、アーユピヤサの場合は、体の状態を考慮しながら、野菜を中心とした品数の多い食事で消化を高め、老廃物を体から出すという基本的なアーユルベーダの考え方にのっとったメニューを出していた。

野菜・豆類など数種のサラダに野菜・チキン・白身の魚といった数種のカレー、付け合わせとして穀物や米粉で作ったパン、芋など。そして果物などのデザート。カレーだけでこんなにバリエーションがあるのかというほど、毎回、異なる味や風味で飽きない。そして、お酒はなし。午後にチャイが出る以外は、常に飲むのは白湯だ。これは夕方、部屋にポットに入れて持ってきてくれる。

食事量は「朝は若い男のように、昼は王様のように、夜は物乞いのように食べよ」といって、昼は野菜のみの食材だが一番たくさん食べるように出し、夜は軽くしているという。ハーブや野菜は、オーガニック農法で施設内の畑で作っている。実感として、カレーなのにまったく胃もたれすることがなく、滞在中はとてもお通じが順調だった。

オーナーに聞く、アーユルベーダの目指すところ

アーユピヤサは、スリランカ人と日本人、2人の運営による。現地でスリランカ人オーナーのサラット・ジャヤスンダラ氏にアーユルベーダとこの施設の目指すものについて伺った。

「もともと、日本語ガイドをしながらアーユルベーダに使うオイルやドリンクを日本に輸出していたのですが、リピーターの方から成果への感謝を聞くにつけ、体と心の両面から健康を目指し、体験してもらえる施設を造りたいと思ったのが設立のきっかけです。

アーユルベーダは、ジャングルの中で瞑想(めいそう)するような僧侶たちが自然の葉などを使って、病を癒やすというようなことから始まっているので、まず重要視しているのは"健康を保ち、病気にならない"こと。その次に"病気を治す"ことだったのです。

ですので、施設でも病気にならないための生活の基本を守ることを大事にしています。食事は量も含めて昼を中心に考えていて、イカ・カニ・エビやトマト・パイナップルは過剰に取るとよくありませんし、豚と牛肉は出しません。お酒および冷たい水はなし。そして、部屋にはテレビとWi-Fi(ワイファイ)も入れてません。朝はヨガ、アーユルベーダ専門医の診断の元でのトリートメントを受け、リラックスをしながらも規則正しい生活を送ってもらうのです」

ゲストには、多忙な生活をここでリセットして見直すという目的の人も多かった。確かに、ここでの滞在で体の調子がよくなるのを感じるのとともに、配慮した食事を取って規則正しい生活を送ることの心地よさにはまる気がするのだった。これこそアーユルベーダの目指すところなのだと思う。

アーユピヤサ http://www.ayupiyasa.com/index_j.html

取材・文/小野アムスデン道子
世界有数のトラベルガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集を経て、フリーランスへ。東京とポートランドのデュアルライフを送りながら、旅の楽しみ方を中心に食・文化・アートなどについて執筆、編集、プロデュース多数。日本旅行作家協会会員。

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