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2026年冬季五輪、膨れあがる経費 立候補は札幌だけ?

オリパラ学(8)

2016/12/8 日本経済新聞 朝刊

 2026年冬季五輪の招致に札幌市が乗り出す意向を示している。26年大会の開催都市が決定するのは、現在のルールでは7年前。4年後の東京五輪の前年となる19年の国際オリンピック委員会(IOC)総会である。

 その札幌の五輪招致の見通しは厳しいとされている。冬季大会の開催が東アジアで連続するからだ。18年は韓国の平昌、22年は北京。本来は夏季、冬季のそれぞれで五輪開催地が同じ大陸、地域で続くのは避けるという暗黙の了解があるのだが、これで26年までも札幌となれば冬季は3大会連続で東アジアが舞台。しかも20年夏季は東京だ。現実的にIOC委員たちが札幌に票を投じるとは考えられない。

 ところが、かつては各国の代表的な都市が華々しく争った五輪招致レースは様変わりした。欧米各都市の五輪招致熱は冷めてしまった。理由は莫大な経費の負担。ロシアで開催された14年ソチ大会には五輪史上最高の5兆円以上を投じたとされる。22年大会が再びアジアとなったのも、ノルウェー政府が財政保証をしなかったオスロが撤退して、最終的に北京とアルマトイ(カザフスタン)しか残らなかったからだ。

 来年決定する24年夏季大会の招致レースからもハンブルク、ローマなどが脱落した。今では立候補の前に住民投票で民意を問うのが当たり前の手続きになってきた。

 この状況では26年大会への立候補都市が結果的に札幌市だけというケースすら起きかねない。開催を望む都市がなくなってしまえば、五輪は存続の危機を迎える。IOCが20年東京大会の経費の削減を躍起になって求めるのも強い危機感の表れだ。

(編集委員 北川和徳)

[日本経済新聞2016年12月8日付朝刊]

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