「ヌードルで1兆やりますか」日清、世界に挑む日清食品HD社長 安藤宏基氏(上)

――社長になった30年前と今を比べると、社長のやるべき仕事は変わりましたか。

「昔は、ある程度、失敗が許されるというか、こういう言い方は妙だが、会社のなかで、やりたいことを結構、やってきたんじゃないかと思う。何度も挑戦して、何度も失敗した。ところが今は、そういうことを野放図にやることができなくなってきている。経営者の考え方は、株主などから、あらゆる角度でチェックされている。我々を取り巻く環境は厳しくなってきている」

経営者、ちょっと窮屈

「以前は、多少のゆとりがあって、遊びでやっているビジネスが花咲くということもあった。しかし、現在のビジネスはきちんと考えて、行動し、結果を出すことが求められている。本業回帰しようとか、資源を集中化しようとか、戦略的にはどうなんだとか、そういったことを明確にしてやらなくてはいけない。そういう面では経営者の仕事は、ちょっと窮屈になっているかもしれない。まあ、考えてみれば、それだけ株主に対しても、社会に対しても責任があるわけだ」

――経営の自由度が制限されるようになったのでしょうか。

「基本は一緒なんですよ。それは、ルール上とか、言葉のうえで、拘束されているように見えるかもしれないが、実は一緒だ。やるべきことをきっちりやることであって、成果を出すことは変わらない。我々の会社というのが、社会の公器として、役立っているのかということが基本だ。そうでなければ、社会にとってみたら、不要な存在です」

「食品企業は、敏感にスピーディーに対応できる体制をつくっておかないといけない」

――食の安心・安全に対する消費者の目は、厳しくなっています。

「未然に防ぐことが大事です。不可抗力的な事故もありますけど、会社のなかで見直すことはたくさんあります。危険な要素を徹底的に研究し、洗い出す。分かった以上は問題は起こしてはダメです。それを分かっているのに、まだやっていたら、それは罰せられる。食品企業は、敏感にスピーディーに対応できる体制をつくっておかないといけない」

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