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1日500円から 短期自動車保険、スマホで手軽に

2016/12/10

 1日や1週間など短い期間だけ契約できる自動車保険が増えている。補償内容はあらかじめ決まったパッケージ型で、スマートフォン(スマホ)やコンビニエンスストアから手軽に申し込める。基本保険料は1日500円からだ。「ちょっと運転するだけ」と無保険で車を運転するのは高いリスクを伴う。どのような場合に短期の自動車保険への加入を検討すべきかまとめてみた。

■1日単位で契約

 短期自動車保険は原則、自動車を運転する当日に保険を契約・発効できる。ただし自分が乗る車の修理費用などに充てる車両補償を付ける場合には、事前登録が必要なものもあるので注意が必要だ。1日単位の契約が主で、たとえば7日間加入するには1日単位の保険に7回入ることになる。

 補償の内容は運転中に他人を死亡させたり、けがをさせたりした場合の対人賠償、他人の車や家を壊してしまった場合の対物賠償はともに無制限。一方、自分や同乗者のけがなどへの備えとして、搭乗者傷害特約と自損事故特約が付いているものが多い。年契約の保険と保険金の支払い方法などが異なるため、念のためチェックが必要だろう。

 事故歴によって保険料が安くなったり、高くなったりする等級制度はない。このため事故歴での保険料の差はない。

 実際に加入を検討すべきなのは、自分や配偶者以外の名義の車を運転する場合だろう。たとえば久々の帰省で、実家の車を運転する時。両親が契約する保険の対象に自分が入っていなければ、短期の保険で慣れない実家の車を運転するリスクをカバーできる。

 友人数人で自動車旅行に出かける場合にも短期自動車保険は有益だ。疲れた時に運転を交代することもあるだろう。旅行期間中の短期契約をしていれば、年契約の保険契約をしている車の保有者以外が運転しても安心だ。

 このほか人の運転で遠出をして、その人が急に体調が悪くなったり、けがをしたりした場合だ。急な運転でも契約・発効する短期の保険に入れば、無用なリスクを避けられる。

 1日から加入できる自動車保険は2012年に最初に発売した東京海上日動火災保険のほか、あいおいニッセイ同和損害保険と三井住友海上が手掛ける。保険料は各社とも車両補償がないプランで1日500円、同補償があるプランで1日1500円となっている。三井住友海上では、1日1800円で車内手荷物の補償も付けられる。

 スマホから申し込む場合、ブラウザから各社の申し込みサイトにアクセスし、決められた場所に名前や住所、運転免許証の情報などを打ち込む。運転する車の登録ナンバーなども必要になる。保険料は毎月の携帯電話代の請求に加算されるため、クレジットカードの情報などを打ち込む必要はない。東京海上日動はスマホ以外の携帯電話にも対応している。

 三井住友海上ではコンビニのセブン―イレブンでも入れる。店内の多機能のコピー機を操作して申し込み、保険料をレジで支払う。

■リピーター割り引き

 保険会社によって保険期間の区切り方が違うので注意が必要だ。東京海上日動は日付ごとの契約となるが、他の2社は契約が発効してから24時間ごとの区切り。たとえば午後5時から翌日の午後5時まで保険に加入したい場合、東京海上日動は午後5時から深夜までと、翌日の午前0時から午後5時までを補償するために2日分の保険を契約する必要がある。その他の保険会社は1日分で済む。

 あいおいニッセイ同和と三井住友海上はリピーターであれば短期保険料の割引を受けられる。

 家族の自動車保険を見直す機会にもなる。年契約の自動車保険は通常、対象とする運転者の年齢を高く設定できるほど割引される。たとえば子が18歳になって免許を取ったが、ごくたまにしか運転しないとする。自動車保険の対象をその子より、親の年齢に設定した方がより割引を受けられやすい。子は運転する時だけ短期で保険を契約すれば、合計の保険料を減らせる可能性がある。

 誰の車をどんな頻度で運転するのか。それによって入れる保険も、向いている自動車保険も変わってくる。(湯田昌之)

[日本経済新聞朝刊2016年12月3日付]

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