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『君の名は。』大ヒットの立役者、弭間さんに大賞 ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017 全受賞者を紹介

日経ウーマンオンライン

2016/12/2

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日経ウーマンオンライン

女性のキャリアとライフスタイルを支援する女性誌『日経WOMAN』(日経BP社 東京都港区、編集長:安原ゆかり)は、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017」の大賞者・弭間(はずま)友子さんを含む今年の受賞者8人を決定いたしました。

「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017」大賞に選ばれたのは、アニメ映画『君の名は。』メガヒットの立役者、東宝 映像本部 映像事業部 アニメ事業グループ 宣伝プロデューサーの弭間(はずま)友子さん(39歳)です。

2016年8月26日の公開以来、10代の客層を中心に口コミで人気が爆発した『君の名は。』。公開3カ月で興行収入は194億円(*)に達し、スタジオジブリの『もののけ姫』(193億円)、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(173億円)など歴代のヒット作を抜くなど、歴史を塗り替える大ヒットとなりました。『君の名は。』の企画スタートから宣伝まですべてに関わり、映画を成功に導いた中心人物が弭間友子さんです。

弭間さんはアニメ作品に力を注ぐと東宝で新設された映像事業部に、宣伝のリーダーとして転職。アニメ作品宣伝の中心メンバーとして戦略を立案、実行してきました。新海誠監督の『君の名は。』は、2014年の企画スタート時から参加。宣伝戦略としては、夏休みに見たくなる映画というコンセプトを施策の中心におき、元気な青空を配したポスター、主人公らが入れ替わりリズミカルでかつドラマチックな展開を見せる予告編、JR山手線内のモニターを使ったプロモーションなどを展開。新海誠監督の名前を積極的に露出させ、監督作品の特徴的な映像美を前面に出す手法で、SNS(交流サイト)での口コミにつなげました。公開3カ月で興行収入194億円は、歴代公開映画6位、邦画では3位に入る快挙です。大ブームを巻き起こした緻密な宣伝手法や、リーダーシップを評価して2017年の大賞となりました。

※2016年11月28日東宝公表

ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017受賞者

【大賞】

弭間友子さん(39歳) 東宝 映像本部 映像事業部 アニメ事業グループ 宣伝プロデューサー

アニメ映画『君の名は。』の宣伝戦略を主導、邦画の歴史を塗り替えるメガヒットをけん引した

1977年7月3日神奈川県生まれ。明治大学商学部在学中に映画館でのアルバイトを経験。映画関連の仕事をしたいと思うキッカケとなった。大学卒業前に、映画宣伝会社レオ・エンタープライズに入社。『A.I.』『ハリー・ポッターと賢者の石』などの大作映画の宣伝を担当する。2002年に20世紀フォックス映画宣伝部へ転職。共同ピーアールを経て、2011年に同社関連会社のマンハッタンピープルへ。アニメ映画『けいおん!』の宣伝を担当し、興行収入20億円に迫るヒットにつなげる。2012年より現職。主にアニメ映画を中心に宣伝戦略を立案。映画『君の名は。』については、2014年の企画スタートから関わる。新海誠監督の名前を前面に出し、露出を増やし、監督の真骨頂である美しい風景画などを大きく配したポスター制作など、宣伝戦略を主導。興行収入194億円というメガヒットに導いた。

【デザインものづくり賞】

クリエイターと企業、地域をつなぎデザインの力で新しいものづくりをリード

林千晶さん(45歳) ロフトワーク 代表取締役

クリエイター2万5000人のネットワークを構築、デザインの力で地域創生も手掛けるリーダー

2000年に同社を創業。グラフィックデザイナーから建築家まで、国内外のクリエイター2万5000人のプラットフォームを創設した。以来、クリエイターと企業や地域をつなぎ、年間530件以上のウェブやコミュニケーション、空間などのデザインを手掛ける。2015年には岐阜県飛騨市らと「飛騨の森でクマは踊る(通称ヒダクマ)」を立ち上げ、代表取締役社長にも就任。飛騨の森林資源を世界に発信し、ものづくりにつなげるなど、森林活用の新しい仕組み作りに取り組む。

【「ドボジョ」キャリア開拓賞】

夫の転勤・海外赴任でも自身のキャリアをあきらめず、自らキャリアを切り開いた

大西陽子さん(44歳) 大林組 海外支店ジャカルタ高架橋工事事務所所長

海外で初めての女性の工事現場所長。大プロジェクトをまとめる“ドボジョ”

土木技術者のなかで女性はまだ少ない。そんな土木分野で、しかも、インドネシア・ジャカルタの高速道路を建設するという現場で、工事所長を務めている。入社当時は、関西地域限定の専門職だったが、新婚時代に夫が東京へ転勤となり、総合職への転換試験を受け、なんとか合格し、東京へ異動。国内だけでなく、台湾などのプロジェクトに携わる。夫のジャカルタ赴任が決まったとき、第1子を妊娠中で、出産後、生後4カ月の子供とともに夫の元へ。育休後、子供と2人で帰国し、職場に復帰する。ジャカルタ異動希望を出し、2012年10月からジャカルタに赴任。15年11月から工事現場の全体を見る所長を務める。

【食ビジネス革新賞】

食材ロスをなくしながら、高回転率を実現する食堂を経営

小林せかいさん(32歳) 「未来食堂」代表

「あつらえ」「まかない」「ただめし」……これまでにない仕組みを考え、飲食業に新風を吹き込んだ

2015年にオープンした東京・神保町の「未来食堂」。メニューは日替わりで1種類だけだが、18時以降は店にある食材を選んでオーダーメードできる「あつらえ」や、50分間未来食堂で働けば1食900円の定食が無料となる「まかない」といった、ユニークな仕組みを持つ。11時~14時の昼のピークタイムで最高7回転するなど順調に顧客が増えている一方で、売上原価率は25%前後と低い数字を実現。無駄を省くことで、原価率を下げ、余った食材は翌日の小鉢の材料や「あつらえ」を提供することで食材ロスもほとんどゼロにしている。売り上げや事業計画書を公開することで、自分の知識をシェアしながら、よりよいビジネスを模索している。

【イノベーティブものづくり賞】

世界初の技術を搭載するVR用ヘッドマウントディスプレーを発売した、次世代ものづくり経営者

小島由香さん(29歳) FOVE CEO

VR用のヘッドマウントディスプレーを開発。視線の動きを感知する世界初の技術を搭載。世界から12億円を超える出資を集める次世代経営者

テレビゲーム機「プレイステーションVR」など、家庭向けのVR(仮想現実)端末が相次いで発売され2016年は「VR元年」といわれる。ゲームなどでVRコンテンツを楽しむのに必要なのがヘッドマウントディスプレー(HMD)。小島さんは、この11月に世界初の「視線追跡機能」を搭載したVR用HMD「FOVE」を発売した。視線追跡機能は目線の動きを赤外線で感知する。ゲーム内でプレイヤーが視線を動かすだけで、操作を行えるもの。世界中の出資会社から資金を集め、11月に新製品の予約販売を開始した。

【子育て家庭応援ビジネス賞】

子育て中の人を応援し、地域のためになるビジネスに成長させた

馬場加奈子さん(44歳) サンクラッド 代表取締役

3人の子供を持つシングルマザー。学生服のリサイクルビジネスを創業し、全国展開を実現

大学卒業後、保険会社に就職。結婚を機に退職し、3人の子供を出産する。その後、離婚を経て、1人で子育てをしながら、制服のリサイクルショップ「さくらや」をオープンする。制服のリサイクルを思いついたのは、自身の経験から。子供の成長に合わせて気軽に買い替えたいなど、子育て中の多くの人が感じている不満を上手にビジネスに生かした。買い取った制服の洗濯や刺繍取りなどの作業は、地域の障がい者施設や高齢者に委託するなど、地域のためになるビジネスにもしている。現在は月会費3500円のパートナー制を採用し、全国に18店を展開するまで成長させている。

【チーム2017賞】

がん患者のための無料の相談施設を2016年10月にオープン

秋山正子さん(66歳) NPO法人マギーズ東京共同代表理事・マギーズ東京センター長(写真左)、鈴木美穂さん(33歳) NPO法人マギーズ東京共同代表理事(写真右)

2人に1人が「がん」になる日本で、がん患者を支援する新しい場 「マギーズ東京」開設をチーム力で達成!

がん闘病の不安や悩みを看護師や臨床心理士に無料かつ、予約不要で相談できる「マギーズ東京」(東京都江東区)を2016年10月にオープン。モデルとなったのは英国の「マギーズセンター」。患者が心のよりどころにできる場が必要と感じていた秋山さんを、同じ思いを持った鈴木さんが訪ねることで日本にもマギーズセンターを作ろうというプロジェクトがスタート。開所や運営資金は、クラウドファンディングや寄付などで総額8000万円を集めた。秋山さんの運営ノウハウと、鈴木さんの行動力で 10月にマギーズ東京の開所を実現。オープン後、訪問者は後を絶たない。

「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」は、(1)働く女性のロールモデルを掲示、(2)組織の中に埋もれがちな個人の業績に光を当てる、(3)活躍した女性たちを通して時代の変化の矛先をとらえるという主旨のもと、1999年から毎年実施するアワードで、本年が18回目となります。『日経WOMAN』は、1988年の創刊以来、「働く女性」をバックアップしてきました。今後も「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」を通じ、社会で活躍する女性を表彰することで、時代を担う女性たちを応援していきたいと考えています。なお2016年12月7日発売の『日経WOMAN』1月号では受賞者紹介と審査結果の詳細を掲載いたします。

[nikkei WOMAN Online 2016年12月2日付記事を再構成]

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