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このコーヒー 産地は「東京都」なり

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「東京コーヒー」が注目を集めている。産地は東京都小笠原村。都心から南へ1000キロメートル離れた小笠原諸島だ。コーヒーの国内消費量が伸びる中で、希少な国産コーヒーへの関心も高まっている。2020年の五輪開催を控え、東京に世界の視線が注がれる中、都内で生まれた香り立つ漆黒の1杯を味わってみた。

その珍しい東京都産コーヒーは東京・広尾にあった。カフェアパショナート広尾店では、小笠原諸島で栽培された「東京コーヒー」を毎日5杯程度限定販売している。「数量限定のコーヒーはいかが」が売り文句だ。1杯930円と普通のコーヒーの2倍ほども高いが、注文が入ってから専用のコーヒーミルを使って一杯ずつ作り、専用のカップで提供するというこだわりぶりだ。小笠原のコーヒーの歴史をまとめた、栽培農家手製のしおりもつく。

小笠原諸島の希少な「東京コーヒー」

「ミルもカップも専用なのは、ほかのコーヒーの味や香りが混じらないようにするためだ」とカフェアパショナートの店舗を運営するCup of joe(東京・港)社長の露木将久さんは話す。メニューにはコロンビアなど海外の有名産地がズラリと並ぶが、東京コーヒーの「限定販売」という文字はひときわ目立ち、来客の関心を引く。「日本で栽培された珍しいコーヒーなので、割高でも注文は入る」と営業部課長の清水直樹さんは話す。

この東京コーヒーを一口飲んでみた。香りも味わいも強く感じられる。「一度試してみてリピーターになるお客さんも多い。東京都産のコーヒーを珍しがって外国人観光客からも注文が入る」(同)。まさか東京都でコーヒー豆が収穫できるなんてという意外性が、価格が高くても飲んでみたいという気持ちを起こさせているようだ。

コーヒー豆の産地といえば赤道周辺の「コーヒーベルト」地帯が中心だ。コーヒー豆の栽培に適しているとされ、ブラジル、コロンビア、マンデリン、モカ、キリマンジャロなど有名な銘柄はいずれもこのベルト地帯が産地だ。小笠原村は「コーヒーベルト」地帯から200キロメートルほど北方に離れている。

ところが東京都小笠原支庁によると、小笠原諸島の父島と母島にはコーヒーを栽培する農家が、中小規模ではあるが、合わせて5軒ほどあるという。父島の野瀬農園もその一つ。「温かい海流が流れているのでコーヒーを栽培できる」と同農園の野瀬もとみさんは話す。しかも父島は東京都内。れっきとした東京都産のコーヒーとして売り込める。

日本の人口減少や少子高齢化にもかかわらず、コーヒーの国内消費量は近年増え続けている。全日本コーヒー協会によると、2015年の消費量は46万1892トンと前の年に比べ2.6%増えた。20年前と比べると約30%増えている。コーヒーの人気が根強い中で、消費者の味覚も肥えて、味わい方、楽しみ方も広がっている。そうした中で希少なコーヒーを求める傾向もみえる。

年間収穫量はコーヒー2万杯程度

「土地が限られていて大量生産はできないけれど、20年かけてコーヒーの木を1200本にまで増やした」と野瀬さんは話す。父島は第2次世界大戦の混乱により島民が住めない時期があった。戦後は米国の統治下に入った。1968年に小笠原諸島が米国から返還され、かつての住民が帰島できるようになると、まずマンゴーやパッションフルーツなど果物から栽培が復活していった。

そして「明治11年(1878年)ころからコーヒー栽培をしていた記録がある」と知った野瀬さんは、限られた土地に少しずつコーヒーの木を植えて増やしていった。だが、もともと果物の栽培の方が主力であるため、コーヒー栽培に適した土地はあまり残っていない。小笠原諸島が2011年に世界自然遺産に登録され、環境保全との兼ね合いもあって容易に栽培地を広げられない面もある。

小笠原村のコーヒー農家はいずれも栽培規模が小さく、同諸島全体の栽培量も「正確には調査、把握ができていない」(小笠原支庁)。比較的規模の大きな野瀬さんの農場でも「年間の収穫量はおよそ200キログラム。だいたいコーヒー2万杯分くらい」と言う。

人気が今後広がっても、生産量を急激に増やすのは難しい環境にある。限られた量という希少価値も人気を高めることになりそうな東京コーヒー。さらに認知度が高まれば、一段と供給が追い付かない状況になりそうだ。一杯のありがたみを感じながら、東京コーヒーの香りをたまには楽しみたい。

(映像報道部 近藤康介)

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