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物理キーなし、驚きの軽さと薄さ YOGA BOOK

戸田覚の買うか買わぬか思案中

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NIKKEI STYLE

日経PC21

レノボ・ジャパンからとても変わったモデルが登場した。「ヨガ・ブック・ウィズ・ウィンドウズ」(以下、ヨガ・ブック)がそれだ。ノートパソコンとしてもタブレットとしても使える、いわゆる「2イン1」モデルなのだが、従来の機種とは大きく異なっているのだ。

その最大の特徴はキーボードだ。なんとタッチセンサー式で、物理的なキーは付いておらず真っ平らなのだ。キーボード部分はペン入力パッドにもなり、付属ペンでなぞると手書きメモなどを入力できる。

しかも驚くほど軽くて薄い。キーボード部分込みで700グラムを切り、液晶を閉じたときの厚さも1センチ以下という極薄ボディーだ。さらに価格が税別5万円台と手ごろでとても魅力的。あまりの先進さにどこまで使えるのか興味が尽きないところだが、今回も辛口で思案していこう。

超極薄のボディーは楽々と持ち歩ける

今からおよそ6年前に登場したアップルの初代「iPad」はWi-Fiモデルで680グラムだった。当時としてはとても軽く、喜んで持ち歩いていたことを思い出す。今回取り上げるヨガ・ブックもほぼ同じ690グラムなのだが、キーボード部分を含めての重さである。キーボードを搭載しない初代iPadと同等なのだから、改めてその軽さがわかる。最近はマイクロソフトの「サーフェス」をはじめ、軽量なモデルも増えているが、どれもアピールしているのはキーボードを取り外した状態での軽さだ。

液晶は360度回転し、さまざまなスタイルで使うことができる。そのヒンジはレノボが独自に開発して、歴代の「ヨガ」シリーズに搭載してきたキャタピラーのような構造を持つタイプだ。見た目に美しいだけでなく、動作がとてもしっかりしている。かなり固めなのだが、下の写真にもある「ウォッチ」スタイルなどで利用する際には、このくらいしっかりしていないと動いてしまう危険性があるのだろう。どんな角度でもピタリと止まるのがうれしい。

ボディーの厚さが9.6ミリと1センチを切っているが、これは前述したように液晶を閉じたときの厚さだ。液晶側は4.05ミリ、キーボード側は5.55ミリとなっている。キーボードを搭載し、液晶が開閉する「クラムシェル」型のノートパソコンの中でも群を抜いて軽くて薄い。

液晶は10.1型で大型のタブレットと同じサイズだ。パソコンとしては画面がちょっと狭く感じるが、その分、本体がコンパクトに仕上がっており、ほぼB5用紙に近いサイズに収まっている。持ち運びを考えたら、このコンパクトさはありがたい。さらに非常にうれしいポイントは、液晶の解像度が1920×1200ドットなことだ。通常のフルHDの解像度(1920×1080ドット)に比べ、ヨガ・ブックの液晶は縦方向に広く、とても使い勝手が良好だ。

携帯ノートとして考えると非常に軽く小さいヨガ・ブックだが、タブレットとして捉えると実は軽くない。最近のタブレットは10型前後の液晶で、400グラム台が当たり前になっている。700グラム近くあるヨガ・ブックを長時間手に持って電子書籍を読むような使い方をすると腕が疲れてくる。タブレットとして利用する際には、テーブルやヒザの上に置いて使うのがベストだろう。もしくは、せっかくキーボードが付いているのだから、やはりノートパソコンスタイルで利用したい。

本体の作りは非常に良く、高級感も抜群だ。「ボディーはマグネシウムアルミニウム合金製で、キーボード面にはガラスを採用しています。十分な剛性感も確保できていると思います」(レノボ・ジャパン モバイル製品部の柴山友則さん)。このクオリティーならガジェット好きなユーザーの心をくすぐること間違いなしだ。

独特のキーボードは高速タイピングには厳しい

クラムシェル型ながらこの薄さを実現したのは、タッチセンサー式のキーボードによるところが大きい。キーの機械的な押し下げが必要ない分、薄さを追求できる。キーが表示された部分を指で触れるだけで認識するのだが、スマートフォン(スマホ)やタブレットのスクリーンキーボードに近い感覚だ。

しかし、正直、パソコンのキーボードとして考えた場合、ほとんどの人が使いづらいと感じるだろう。普通のキーボードは、指の感触でホームポジションを把握できる。キーに指を軽く乗せた状態でホームポジションを保持して、そこから指を動かしてさまざまなキーを打っている。ところが、ヨガ・ブックは指を当てた瞬間に入力される。だから、ホームポジションに指を置いておくことができず、指を浮かせた状態にしておかなくてはならないのだ。

さらに、指先でキーの位置が把握できないために、タッチタイピングには無理がある。打鍵しているうちに指先がキーからずれていき、その都度ポジションの修正を余儀なくされる。キーに触れた瞬間に小さくブルッという振動が伝わってきたり、電子的なタイプ音がしたりする工夫もなされているのだが、やはり限界がある。キーの位置を把握してタイプミスを減らすには目視に頼るしかない。特に「BackSpace」など、サイズが小さいキーを目視せずに探し当て、タイピングするのは極めて困難だ。

それでも、慣れてくるとタイピング速度は向上していく。僕は合計5時間ほどタイピングしてみたが、最初の20~30分で入力速度はずいぶん向上し、一般的な携帯ノートの6~7割の速度では打てるようになった。その後はさらに8割くらいまで向上した。キーボードの学習機能も影響しているのかもしれない。

とはいえ、長文のメールや議事録の作成などにはちょっと厳しい。また、短文でもかなり意識を集中してタイピングしなければならないので疲れる。このあたりは、もっと使い込んでさらに慣れることで解消されるのかもしれないが。

「これ1台ですべて済ませるというモデルではありません。出先で急ぎのメールを送ったり、パワーポイントのスライドを1枚だけ追加したりするときに、このキーボードは役立つでしょう。スマホのスクリーンキーボードに慣れている学生さんなどにも使ってほしいと思います」(柴山さん)

確かにメールやSNSのちょっとした入力程度なら、何とかこのキーボードでも大丈夫そうだ。そもそも、物理的なキーがないこのキーボードを見た瞬間、ある程度の覚悟が必要になる。つまり、使ってみる前から「打ちづらいだろうな」とほとんどの人が予想するはずだ。そして、その当初の予想に比べると「意外に打てるな」と感じるのも確かである。

キーボードがペン入力パッドに切り替わる

課題があるとすればペン入力だ。キーボード右上のボタンを押すことで、キーの表示が消えて黒いペン入力パッドに切り替わる。ここに付属の「リアルペン」で手書きをすることで、画面に文字や図形を描画できるのだ。しかし、実際に使ってみるとやや違和感がある。

多くの人は、すでに、サーフェスや「iPad Pro」などのペン対応タブレットでスクリーンに直接文字や図を描いている。ところが、ヨガ・ブックは手書きする場所がキーボード部分で、表示される場所が液晶部分と異なっているので、お互いの位置をうまく把握しづらいのだ。特に細かな文字を書くときには、一画ごとにずれが生じそうになる。また、かなり慎重にペン入力パッドの位置を指定しなければ、画面上の思い通りの場所に文字や図形を書き込むことができない。画面に直接手書きしたほうがはるかに作業しやすいのだから、わざわざキーボード面に入力させなくてもよかったのではないだろうか。

とはいえヨガ・ブックは、ペン先が細く導電性があれば鉛筆などでも画面に直接手書き入力ができる「AnyPenテクノロジー」にも対応する。付属のペンでも画面に直接入力できるのだが、描画が途中で途切れてしまうことがあるのが残念だ。きれいに描画しようと思うと、やはりキーボード部分をペン入力パッドに切り替えて利用することになる。

付属のリアルペンはペン先を交換することでボールペンとして使えるのが面白い。キーボード部分に紙を置くことで、紙にボールペンで手書きした内容が液晶に表示される。なかなか楽しい機能なのだが、少々欠点がある。アプリの消しゴム機能をオンにして、リアルペンで消したい部分をなぞると、画面上ではきれいに消えるのだが、紙の上ではボールペンが何度も線を描くことになってしまう。この点は、いかんともしがたく、とても残念だ。また、用紙の使えるスペースもアプリによって異なる。特に「OneNote」を使っていると、メニューなどのエリアが大きいために、せっかくの紙も真ん中あたりしか使えない。

拡張性は最低限でヘビーな利用には向かない

CPUはアトムを採用する。メモリーが4ギガあるとはいえ、ウィンドウズをフル活用するには少々厳しい。手書きアプリを複数利用して作業していると、だんだん表示が遅れてくる印象が否めない。

実はヨガ・ブックにはアンドロイド版もあり、そちらを使ってみると快適にサクサクと動作する。手書きもずいぶんと試してみたが、処理が追いつかないような印象を感じることはほとんどなかった。

拡張性は最低限だ。端子はマイクロUSBとマイクロHDMI出力しかない。もちろん、普通に使おうと考えると間違いなく不足する。だが、タブレット感覚で利用し、ほとんどワイヤレスで済ませるなら困ることは少ない。ヨガブックはタブレットとして割り切ればこそ、その魅力が高まるのだ。

購入するなら迷わずアンドロイド版

 コンパクトで本体の質感も高いヨガ・ブックだが、実際に使ってみると欠点も少なくない。キーボードはタッチセンサー方式としては打ちやすいが、普通のキーボードには遠く及ばない。何よりCPUがアトムでウィンドウズを利用するには非力だ。一方、アンドロイド版は、性能が同じで、OSが軽い分、動作は文句なく快適だ。

 このモデルは、基本はタブレットとして使い、必要なときにちょっとだけキーボードを利用する使い方が向いている。ならば、OSはアンドロイドで十分だ。アンドロイド版のほうがWi-Fiモデルで1万3000円、LTEモデルで1万5000円も安く(ともに税別)、またタブレットに適したアプリもウィンドウズよりはるかに多い。アンドロイド端末として割り切ればキーボードの満足度も高くなる。買うなら迷わずアンドロイド版だ。
戸田覚(とだ・さとる)
 著書が130冊を超えるビジネス書作家。年間300機種以上を評価する、パソコン批評の第一人者でもある。そのキャリアは20年近くに及び、ユーザーの視点で、パソコンの良し悪しをずばり斬る。

[日経PC21 2017年1月号の記事を再構成]

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