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スマホの料金、動画重視なら大手の大容量プラン

2016/11/27

 通話だけでなく動画や音楽、ゲームなどを楽しむ手段としても利用する人が広がった携帯電話。機能が増えた分、料金もかさみがちだ。各社はニーズの変化に対応した大容量プランや割安な通話料金プランを打ち出している。自分にあった料金プランをどう見つければいいのだろうか。

 家計が負担するスマートフォン(スマホ)や従来型の携帯電話(ガラケー)の利用料金は年々増えている。総務省の家計調査によると、2015年は2人以上世帯で前年比5%増の11万1013円だった。遡って比較できる00年(2万8598円)の約3.9倍に達した(グラフA)。スマホの普及とともに、動画など大量のデータを使うコンテンツの利用が広がっていることが押し上げた。

 携帯電話料金は主に2種類に分けられる。1つはスマホやガラケーで話す際にかかる通話料で「基本プラン」などとも呼ばれる。もう1つはインターネットに接続したり、電子メールを送受信したりする際にかかる通信料で「データ定額サービス」といわれることがある。スマホやガラケーの利用者は各社の提示する通信料と通話料のプランから、それぞれ選んで組み合わせるのが一般的だ。

■「5ギガ比較的多く」

 特に大切なのが通信料で、プランを選ぶ際は自分の用途を見極めることがポイントとなる。各社は1カ月に利用できるデータ量ごとに定額で料金を設定しているためだ。通信大手3社なら2ギガバイトで月3500円程度からで、例えば2ギガバイトすべてを動画視聴(標準画質の場合)に使うと一日平均18分になる(表B)。これで十分かどうかは利用者の使い方次第だが、動画視聴以外にサイト閲覧やメール送受信などをすることも考えて「これまでは月5ギガバイトを選ぶ人が比較的多かった」(ソフトバンク料金企画1課の西村英明課長)という。

 同じ5ギガバイトでも会社によって料金に差があることに注意が必要だ。低価格を売りにしている格安スマホ業者は1500円程度と通信大手の3分の1以下ですむ(表C)。安く提供できるのは大手から通信回線を借り、大がかりな設備を持つ必要がないためだ。利用者は携帯電話番号などの情報が登録されたSIMカードを受け取って、スマホに差して利用する。

 携帯料金の節約を第一に考えるなら選択肢になるが、ネット経由で購入し、自分で初期の利用設定をする必要があるなど導入時に手間がかかる。回線を借りているため、昼休みのオフィス街など特定の地域と時間帯に利用が集中すると、通信速度が遅くなる可能性もある。

 利用者の使い方によっては大手3社のプランを選ぶことも一案だ。最近はネット配信された映画・ドラマなどの映像コンテンツや投稿サイト、交流サイト(SNS)の動画を楽しんだり、スマホやタブレットなど複数の端末を保有したりする人が増えている。今年9月にソフトバンクが大容量のデータ通信に対応した割安プラン「ギガモンスター」を始め、他の2社も同様のプランを投入した。

 料金は20ギガバイトが月6000円、30ギガバイトが8000円前後と決して安くはない。ただ20ギガバイトと5ギガバイト(5000円)を比べると差額は1000円で、容量は15ギガバイト増える。格安業者で大容量プランを提供するのは楽天など一部に限られる。大手の従来のプランでも1カ月の契約容量を使い切った際に追加で購入するには1ギガバイト当たり1000円程度かかることが多いのに比べると有利と言えそうだ。

■月の使用状況確認

 もちろん、むやみに大容量で契約すると家計に占める通信料金の負担は重くなりかねない。野村総合研究所の北俊一プリンシパルは「毎月の使用状況を確認して例外的に高い月を除く利用量で選び、超過する場合は追加で購入するといい」と助言する。

 通話料にも見直しの余地はある。大手ではこれまで国内通話なら無制限にかけられる定額プランが主流。スマホなら2700~4200円、ガラケーは2200~3700円が一般的だった。

 最近増えているのが1通話が5分以内なら何回でもかけられるプランだ。au(KDDI)が昨年秋からスマホ向けに始めたプラン「スーパーカケホ」(1700~3200円)をきっかけに各社が相次ぎ打ち出している。

 スマホ以外ではNTTドコモが今年10月から「カケホーダイライトプラン(ケータイ)」の名称で提供を始め、他社にも広がった。ただし利用できるのは「LTE」や「4G」などと呼ばれる高速通信に対応した機種や契約に限る点には要注意だ。

 様々な機能が使えるようになった半面、スマホを使いこなすのは難しいという人もいるだろう。主な用途が通話やメールのみという場合は、あえてガラケーに戻すのも節約を目的とするなら有効な手になりそうだ。(藤井良憲)

■2年単位で契約 通話料割り引き
 大手3社は2年単位で契約すると通話料を割り引くサービスを提供している。2年契約や2年縛りなどと呼ばれる制度で、契約期間中に解約すると9500円の解除料を支払う必要がある。他社への乗り換えがしにくくなるといった見方が根強い。
 大手は一方で、2年契約の利用者に特典を付けている。NTTドコモは契約更新ごとに「dポイント」を付与。ソフトバンクもTポイントを贈るなどのサービスを始める予定だ。ただし、どちらも通常のポイントと異なる利用期限があり、用途も限定されているので気を付けよう。au(KDDI)は会員専用ポイント交換サイトなどで使えるギフト券を贈っている。

[日本経済新聞朝刊2016年11月23日付]

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