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探したらあった「金利」 変わり種の積立、続々登場

2016/11/29

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 マイナス金利導入後、友人が「旅行積立」を始めました。「最近は新商品も増えている」と私も勧められたのですが、本当にお得なのでしょうか。

 旅行会社などにお金を積み立てると満期時、ボーナスが加算された金券などを受け取れるのが積立商品の基本的な仕組みだ。2月のマイナス金利導入後、低金利が一段と鮮明になり、相対的に「金利」が高めの積立商品に注目が集まっている。新商品も登場した。

 「10月は旅行積立が前年比2.5倍に伸びた」とJTBの岡田麻利氏。けん引役は10月に発売した「ハワイ積立」。ハワイ旅行に限定した積立商品で、申し込みは発売後3週間余りで約1000件に上った。

 魅力はその「金利」だ。年率換算で3%になり、旅先を限定しない同社の定期積立(1.75%)を大幅に上回る。50万円を一時払いで積み立てれば、1年後には51万5千円分になる。

 満期時には「積立額+ボーナス」の範囲で使えるカードをもらい、このカードで旅行代金を支払う。一定条件を満たせば免税店の50ドルクーポンももらえる。JTBは30年以上、旅行積立を扱うが、旅先を限定した商品は初。「使途を限る分、高ボーナスにしてメリハリをつけた」(岡田氏)

 これ以外にも、使途を限定した独特な積立商品が増えている。6月、ネッツトヨタ多摩(東京都福生市)が始めた「ティーズ・ファミリー・メンバーズ・カード」は同社で車両や車用品を購入したり、車検を受けたりする際に使える。

 毎月、銀行口座振替で指定額をカードに積み立てるがその際、入金額の5%のボーナスがつく。5千円ずつ積み立てると初月は5250円、1年後は6万3000円だ。満期はなく、どの時点でもボーナスは同率。新車(軽自動車除く)を買う時はボーナスと別に、積立総額の5%ももらえる。

 ヤマダ・エスバイエルホーム(群馬県高崎市)は3月、「すまいりんぐ倶楽部 エスメンバーズカード」を始めた。コンセプトは「戸建て住宅版の修繕積立金制度」(経営企画室)。一般にマンションなら住民が管理組合を通じて修繕積立金を積み立てる制度があるが、戸建てにはない。

 同社の戸建て購入者を対象に修繕費などを積み立てられる。やはり口座振替で月々積み立て、カードに入金する。積立額に応じて1~5%のボーナスもつく。

 両社の積立システムを提供するのはジャックスだ。2013年から小売業などに提供してきたが、マイナス金利を機に引き合いが急増。導入企業は今年10月までの1年間で10社増え、23社に達した。「今までにない分野で積立制度を考える企業はさらに増えそう」(ジャックス)という。

 高めの「金利」が際立つ積立商品だが、ボーナスは顧客囲い込みの手段でもある。特定企業で商品・サービスを購入すると決めたなら恩恵は大きいが、広い選択肢から購入先を決めたい場合は、「金利」だけにつられないようにしよう。

[日本経済新聞朝刊2016年11月23日付]

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