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健康食品「4つの誤解」 副作用の有無から効き目まで

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2016/12/1

トクホのお茶や機能性表示食品などのヨーグルトも健康食品。健康食品には副作用がないと思っている人が多いようですが、実はそうではないのです(c)goldnetz-123rf
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「ダイエットにいいお茶」「膝にいいサプリメント」など、私たちの身の回りには健康食品があふれている。健康食品を利用したことがある人は8割、定期的に利用している人は3割ともいわれるが、一般社団法人くすりの適正使用協議会が実施した「健康食品・医薬品の知識と意識に関する調査」[注1]によると、健康食品について正しく理解していない人は意外に多い。そこで、同アンケート調査をもとに健康食品に関するよくある誤解をピックアップ、国立健康・栄養研究所情報センターの千葉剛さんに解説してもらった。

■【誤解1】健康食品に副作用はない 

健康食品には副作用がないと思っている人と、わからないという人の合計が半数を超えている。つまり、半数以上が正しく理解していないといえるが、「ありとあらゆる健康食品で副作用が起きています」と国立健康・栄養研究所情報センター健康食品情報研究室室長の千葉剛さんは話す。

「最近多いのは、ダイエット系のサプリメントに入っているコレウス・フォルスコリや、お茶に入っている難消化性デキストリンの過剰摂取による下痢。また、膝にいいといわれるグルコサミンでアレルギーを起こしてかゆみ、湿疹が出たという報告もあります」(千葉さん)

コレウス・フォルスコリは植物の成分で、脂質の代謝を促進するといわれる。難消化性デキストリンはトウモロコシのデンプンからつくられる水溶性食物繊維だ。また、グルコサミンはエビやカニの甲羅からつくられる成分で、軟骨をつくるのに不可欠といわれる。とりすぎたり、体に合わないと、上記のような副作用が起こり得るので注意が必要だ。

また、健康食品の表示で、「●●抽出物」と書いてあるものを見たことがないだろうか。これは、植物などから目的の成分を抽出する際、その他の成分も含めて抽出したものであることを表している。

「例えば、ダイエットにいい成分が入っているからとサプリメントやお茶をとっていたら、それ以外の成分が原因で下痢やアレルギーを起こしてしまったということもあります」(千葉さん)

天然成分であっても合成成分であっても、アレルギーを起こさない人は起こさないし、起こす人は起こす。それは成分の問題ではなく個人差だ。健康食品で注意したいのは、予想しなかったものが原因で下痢やアレルギーを起こす可能性があるという点だ。そうしたことが起き得ることを理解したうえで利用し、不調の原因が健康食品だと気づかないままとり続けることがないようにしたい。

■【誤解2】同じ効能や機能をうたっている健康食品と医薬品なら、効き目は同じである

健康食品が医薬品と同じような効能や機能をうたっていたとしても、効き目が同じとは限らない。

「例えば、コンドロイチンは医薬品にも健康食品にも使われている成分ですが、医薬品の場合、『1日当たりの摂取量800mg』と表示されていれば、実際に800mgコンドロイチンが入っています。しかし、健康食品の場合、実際には800mg入っていないものがあります」(千葉さん)

医薬品には、GMP(Good Manufacturing Practice)という製造工程管理基準があり、製品の品質が一定に保たれるようになっている。しかし、健康食品の場合、GMPの加入は義務ではなく任意なのだ。

「意図して表示の量を入れていない悪質なケースもありますが、入れているつもりでも製造工程がしっかりしていないために入っていなかったというメーカーもあります。品質にばらつきがあるという点で、同じ成分が使われていたとしても、健康食品と医薬品の効き目は同じではありません。健康食品の場合、GMPマークがついている製品は信頼できます」(千葉さん)

しかし、現段階ではGMPがついている健康食品はまれだ。大手メーカーが出している健康食品にもGMPマークがついていないものが多いが、これらも信用できないのだろうか。

「大手メーカーは、健康食品以外の食品などを取り扱っているため、健康食品に問題が出ると他の部門にまで影響が及んでしまいます。ですから、品質管理には気をつけているはず。そういった意味ではGMPマークがついていなくても信頼できる場合が多いでしょう」(千葉さん)

■【誤解3】健康食品と医薬品の併用を、医師や薬剤師に伝える必要はない

アンケートでは約半数の人が、健康食品と医薬品の併用を医師や薬剤師に伝えていないことがわかった。万一併用する場合は、きちんと伝えるべきだ。だがそれ以前に、病気で通院している人が健康食品を利用することはそもそもが間違っていると、千葉さんは指摘する。

「健康食品の対象者は、健康な人や病気が気になる人であって、病気の人ではありません。また、高齢者、妊産婦、子どもはハイリスクグループといって、健康な成人よりも健康食品の影響を受けやすいため、これらの人は基本的には健康食品をとるべきではありません。使用する場合は、必ず専門職に相談してからにしてください」(千葉さん)

病気の人が自己判断で健康食品をとってはいけない理由は、薬との相互作用を起こす可能性があるからだ。「例えば、血圧を下げる薬や血糖を下げる薬を飲んでいる人が、『血圧が高めの人に』『血糖が気になる人に』というサプリメントを飲むと、血圧や血糖が下がりすぎてしまうことがあります。健康食品をとっている場合は、そのことを医師に伝えないと、血圧などが下がった原因がわからず、正しい治療ができなくなります」(千葉さん)

また、健康食品に含まれる成分には、小腸や肝臓で薬の代謝を高進させてしまうものがあるという。

「有名なのはセントジョーンズワート。日本名をセイヨウオトギリソウといい、抗うつ作用があるといわれているハーブですが、これに含まれるいくつかの成分が消化管に含まれるCYP3A4という酵素の働きを活性化させ、抗うつ剤の分解を早めてしまうため、抗うつ剤が効きにくくなってしまうことが知られています」(千葉さん)

健康食品にはいろいろな形態がある。錠剤やカプセルのものは薬っぽいイメージがあるため、医師に伝えたほうがいいかもと思うかもしれない。一方、お茶やヨーグルトはそこまでしなくてもよさそう……と判断しがちだが、実際のところどうすればいいのだろうか。

「血糖値を下げる薬を飲んでいる方が整腸作用のあるヨーグルトを食べても、血糖には影響はないと思うかもしれません。しかし、難消化性デキストリンが入っているヨーグルトの場合、整腸作用もありますが、糖の吸収を抑える作用もあるため、結果的に血糖が下がりすぎることがあります。また、貧血で鉄剤を処方されている方がカテキン入りのお茶を飲むと、カテキンが鉄の吸収を抑制してしまうことがあります」(千葉さん)

以上のことから、ヨーグルトやお茶であっても、医師に伝えたほうがいいといえる。

■【誤解4】健康食品は副作用被害救済制度の対象となっている

「医薬品の場合は、処方薬であっても、ドラッグストアで買ったものでも、医療品副作用被害救済制度に適応されますが、健康食品の場合、国が認めたトクホであっても対象になっていません」(千葉さん)

健康食品で健康被害が出た場合、メーカーは厚生労働省、消費者庁に報告する義務はあるが、あくまでも報告義務であり、救済制度とは無関係なのだという。

「これまで、日本のメーカーの製品ではそれほど多くありませんが、海外の健康食品を個人輸入して重大な被害が起きたことはあります。最近は、日本のものでも医薬品成分が入ったものが出てきていて、各都道府県や厚労省が注意喚起しているものもあります」(千葉さん)

万が一、健康食品をとって被害にあった場合、泣き寝入りするしかないのだろうか。

「メーカーが補償してくれる可能性もありますが、それは、健康食品と副作用の因果関係が証明できる場合に限られます。医薬品の場合、医師が処方しているため、薬と副作用の因果関係を証明しやすいのですが、健康食品の場合、何をどれだけ、どんな頻度で飲んだかがわかりにくい。また、健康食品をとっている人は、1種類だけでなく、2種類、3種類とっていたり、場合によっては医薬品を併用している場合もあります。こうなると、量や飲み方が間違っていたのだからということになり、補償の対象にはなりにくくなります」(千葉さん)

健康食品をとる場合は、表示の量や飲み方を守ることが身を守る手段となることを覚えておこう。

[注1]インターネット調査 調査期間:2016年2月5日~2月8日、調査対象者:全国の20代~70代の男女600人(各年代100人ずつ)

(ライター 村山真由美)

■この人に聞きました

千葉剛(ちば つよし)さん
国立健康・栄養研究所情報センター健康食品情報研究室室長。静岡県立大学大学院博士後期課程修了後、米国ワシントン大学留学、国立健康・栄養研究所基礎栄養プログラム研究員などを経て、2015年4月より現職。現在、消費者庁消費者安全調査委員会専門委員、岐阜大学大学院客員教授を兼任。「健康食品」の安全性・有効性情報サイトを介して、国民に健康食品に関する情報発信を行うとともに、健康食品の安全性に関する研究を行っている。

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