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妻子と食卓で舌比べ 加藤雅也さん

食の履歴書

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NIKKEI STYLE

「肉よりは魚。牛肉はあまり食べないですね」。身長183センチ、彫りの深い顔立ちから意外な言葉が返ってきた。

基本は「家食」。妻が作る和食を食べる。味の違いには敏感だ。「あれ、きょうのシャケ違うよね?」「わかる? ちょっとお店を変えたのよ」。そんな会話も夫婦で行き交う。

こんなこともあった。沖縄でゴーヤチャンプルを食べたときのこと。おいしかったのでもう一皿頼んだら、ちょっと味が違う。店員に「シェフ2人いる?」と聞くと当たっていた。

「うちのチビもそう」。6歳の一人娘もちょっと味が違うと「ん?」という顔をする。「日本人の舌の感覚は優れていると思う。それを大事に継いでいかないと、日本で子どもを育てる意味がない」。親が率先して好き嫌いなく食べれば、子どもの食わず嫌いはなくなると考える。加藤家では53歳の父も6歳の娘も同じものを食べている。

「消化酵素などの面を考えれば、長年、和食を食べてきた日本人にはやはり和食が合っていると思う」。殺菌効果を考えて刺し身をあぶったり、笹(ささ)の葉を飾りに使用したり。「和食は理にかなうだけでなく、見て楽しみ、舌で味を楽しむ。日本の食文化はすごい」

例えばフグ刺しは、皿の模様を透かして見せる。すしは締めるときの力の入れ具合で味を変える。客の年齢に合わせて締め方を変える。「そんなことまでコントロールできる職人は、日本以外にそうそういない」

日本の文化の素晴らしさに気づいたのは米国で生活を始めてからだ。大学在学中モデルにスカウトされ、23歳の時に「メンズノンノ」創刊号のモデルに選ばれる。翌年パリコレに出演。その後俳優を目指し、1988年に映画「マリリンに逢いたい」で俳優デビューした。

ロケ弁に疑問、米国暮らしで知った和食の力

日本人俳優の可能性を確かめたくて、31歳の時にロサンゼルスに移住し演技と英語を学ぶ。ハリウッドの作品や米国のテレビドラマの出演を経験後、北野武監督「BROTHER」(2001年)への出演を機に活動の拠点を日本に移した。「米国に行ったからこそ日本の良さが見えてきた」。食文化はその最たるものだ。

そんな素晴らしい食文化を持つ日本にあって、ロケ弁だけは解せない。米国、中国、東南アジアのどこに行っても温かい食事が出るのに、日本は冷たいご飯に揚げ物一辺倒。「これには外国人が驚く。撮影中に問題が勃発するのはたいがいそれが原因」。アクション映画などで過酷な撮影が多いだけに、食べることが充実していないとちゃんと働けないのにといつも思う。

食事の大切さは、大学時代の一人暮らしで思い知った。共働きだった母の料理はグラタンやクリームシチュー、カレー、焼き魚などごく普通のものだったが、いろいろな野菜をちょこちょことバランス良く出してくれた。

それが一人暮らしになると、ハンバーグとご飯だけなど、おなかをいっぱいにするだけの食事に変わった。中学高校と陸上を続け、インターハイにも出場した体が、これまで経験したことのない肉離れを頻発させるようになる。バランス良い食事が自分の能力を形成するのにどれだけ大切か。「あのとき母のありがたみを実感しました」

健康情報に敏感

80歳になっても自分の足で舞台に立っていたい。それを基本に、食生活やトレーニング法をトレーナーに相談したり自分で勉強したりして取り入れる。そんな記事は自然と目につくし、子育てする上で栄養にも気遣う整形外科医の妻もその方面には詳しい。「妻は僕の重要な情報源ですね」

元来が原理や裏付けする科学的データがないと納得しないタイプ。食に限らず何にでも疑問を持ち、詳しそうな人にどんどん質問する。様々な情報を関連づけて考えるのが楽しいという。世に氾濫する健康情報にもそれを求め、自分の体で試してもみる。

今、効果を実感しているのはナットウキナーゼ。納豆のねばねば部分に含まれるタンパク質分解酵素だ。半年に1度の健康診断での血液データでは、高めで気にしている中性脂肪の値は下がっている。それで「あ、なるほどね」と納得する。「健康法は人それぞれ。自分に合っていると信じられることをすればいい」

「何かあるはず」大衆食堂に胸騒ぎ

決して健康オタクではない。B級グルメが好きで、地方に行ったときも、きれいとは言えない昔ながらの大衆食堂や喫茶店は「何かあるはず」とのぞいてみたくなる。「高級レストランってあまり好きじゃない。こっちの方が落ち着く」

チキンライスやオムライス、ナポリタン。音楽でいえば歌謡曲。自分のラジオ番組「加藤雅也のBANG BANG BANG!」(FMヨコハマ)で流す曲は大好きな歌謡曲のオンパレードだ。このあたりは「昭和の男」か。

正統派の美男が関西弁を交えながら「高級ワインと安いワインの見分けはわかんないよ」ときさくに言う姿。そんなギャップも魅力的だ。

豚肉、秘伝のたれで

子どもが生まれる前までは近所だったので、よく食べに行ったのが東京・天現寺の豚焼肉専門店「旨焼もぐり」(電話03・5789・2929)。スタッフ全員がと畜場に足を運び、食肉流通のプロセスまで把握するという姿勢が自分の信条に合い「これなら信用できる」と気に入った。オーナーの盛島英欽さんが、愛知県で焼肉店を営む実家の秘伝のたれを武器に「豚肉の価値を上げたい」と10年前に開いた店だ。

純黒豚の「渡邊バークシャー黒豚」に岩手の「白金豚」と茨城の「旨味豚」の3種を用意。さつまいもやパンなどを発酵させた餌で9カ月じっくり育てる純黒豚は、脂の融点が低くて不飽和脂肪酸が多く、塩・コショウだけで楽しめる。これらにタンやソーセージ、カルビ、つくね、黒豚ベーコン、キムチ、ナムル、肉吸いなどがついたお任せコースが3000円(税別)だ。

最後の晩餐

料理上手の妻が作ったものはどれもおいしい。だから、最後もやっぱり妻の作った料理を家で娘と家族3人で食べたい。何がいいか。やっぱりカレーかなあ。ベーコンでだしを取ったりと工夫があっておいしい。特に教わったわけでもないのに、なんだか僕の母親のカレーの味にも似ているんです。

(福沢淳子)

〔日経プラスワン2016年11月26日付〕

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