今回は過去1年間(2016年9月末時点)の騰落率ランキングを紹介する。
前回(2016年6月末時点)に引き続き首位の金鉱株投信「ブラックロック~」は、約80%の上昇率も驚異的だが、さらに着目したいのが純資産総額の伸びだ。6月末で158億円だったのが、その後3カ月で8割増の282億円となっている。
R&I発行の『ファンド情報』(2016年7月25日号)によると、同投信の単独販売会社である野村証券が、ドル資産を多く保有する投資家にヘッジ手段として積極的に提案したもよう。残高の急拡大は、大手証券の販売力の強さを示している。
同投信の残高は、1995年に設定された直後にも300億円に迫ったことがあったが、その後は右下がりだった。こうした既存の長寿投信の提案を強化する動きは、新規設定投信の販売に注力する従来の販売トレンドとは、一線を画した新たな潮流といえるだろう。
ランキングでもう1本注目したいのが、8位の「JPMジャパン~」。該当期間の日経平均株価の騰落率がマイナス5%という厳しい運用環境の中、約45%の上昇率は国内株式投信では出色だ。
JPモルガン・アセット・マネジメントは、数年前まで「JPMザ・ジャパン」などがR&Iファンド大賞で賞を何度も獲得し、国内株式運用で強さを見せていた。近年は受賞が少なかったが、同投信を含め、復活の兆しとも取れる。

(格付投資情報センター)
[日経マネー2017年1月号の記事を再構成]