高圧経済とは? 景気刺激策に期待、インフレ誘発も

2016/11/29

ヴェリーが答えます

「高圧経済」という言葉を最近よく目にします。どういう現象で、どんなメリット、デメリットがあるのか教えてください。(東京都、40代女性)
マネーを呼ぶ「マネ~き(招き)猫」のヴェリーが、読者の疑問を解決します。

「高圧経済」とは、物価の上昇や労働市場の逼迫、活発な設備投資などが続いている過熱気味な経済状況を指します。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が今年10月の講演で高圧経済について発言をしたことで注目を浴びました。

イエレン議長は講演で、経済の過熱感をある程度容認し、金融緩和や財政刺激策を続ける「高圧経済政策」の可能性について言及しました。高圧経済政策のメリットとしては、過熱感がある中で積極的な手を打つことで、景気の改善が期待できることがあげられます。

民間投資を促進させる財政政策や規制緩和などで経済活性化をさせることを目指します。完全雇用の状態に近づきつつある労働市場でも、より需給が逼迫することで生産性が向上したり、非正規社員だった人が正規社員として登用されたりする効果があると指摘されています。米共和党のドナルド・トランプ次期大統領も減税や規制緩和、インフラ支出の増加などを目指しており、高圧経済政策路線をとろうとしています。

ただ、高圧経済政策にはデメリットもあります。過熱感がある中で積極的な財政政策などを進めれば、インフレを進行させてしまう恐れがあるのです。ここにきてこの政策がもてはやされるようになった背景には、各国で大規模な金融緩和政策などをとってきたにもかかわらず、リーマン・ショック前の経済状況まで回復していないという政府や中央銀行の焦りがありそうです。新興国の成長率や人口の増加率が鈍化する中で、現状打破の一手として期待が高まっています。

[日経ヴェリタス2016年11月20日付]

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