大洗の割烹旅館が名所に 新・聖地巡礼(下)アニメ「ガールズ&パンツァー」で町おこし 

キャラクターの絵馬を奉納

海沿いの小高い丘の上にある大洗磯前神社も、テレビ放送と劇場版の両方に登場し、ガルパンの聖地として人気がある。劇場版では、写真正面の鳥居の向こう側にある、かなり急な階段を果敢に戦車で下っていくシーンがある。

ここを訪れた日は、大洗の郷土料理である「あんこう鍋」のシーズンを前に、神前で「鮟鱇奉納包丁式」という儀式が行われ、にぎわっていた。ガルパンに鮟鱇奉納包丁式は登場しないのだが、見学者の中にはガルパンファンと思われる人も少なくなかった(ガルパン関連の服を着ていたり、関連グッズを持っていたりする)。

大洗にはガルパン巡礼のリピーターが多い。話を聞いてみると「何度も大洗に来るうちに、ガルパンだけでなく、大洗そのものも好きになっていく」という。

栃木県から10回以上通っているというファンは、「町ぐるみでガルパンを盛り上げているし、商店街の人たちもやさしい。毎度、関連グッズを買って帰るのが楽しみの一つ。ガルパンに直接関係ないイベントでも、大洗で何かあれば来るようになった」と話す。

さて、この神社の絵馬奉納所に目を向けると、そこは巡礼者の絵馬であふれていた。願い事を書くというより、ガルパンのキャラクターたちを描いて奉納している。

よく見ると、西住隊長の誕生日を祝う絵馬が目立った。たとえば「大洗と西住殿のますますのご発展を願って みほ誕 2016.10.23」というメッセージが手描きイラストとともに書かれていたりする。

実は取材日の1週間前(10月23日)は西住みほの誕生日という設定になっていて、大洗で誕生日イベントが開催されていた。当日は日曜日だったこともあり、大勢のファンが参加したという(実際に参加したファンの話では「2000人くらいと聞いている」という)。こうしたファンが絵馬を残していったのだろう。

大洗では、西住みほ以外の人気キャラクターたちにも誕生日イベントがあり、そのほかにも大小様々なイベントが開催されている。町ぐるみでガルパンを盛り上げているので、商店街にいくと店先にはキャラクターの等身大立て看板が並び、「この店でしか買えない」とか「〇〇個限定」といったオリジナルの関連グッズを販売していたりする。

横浜からクルマで3時間かけて通っているというファンは、まさにこうした部分を楽しみに通っているという。「大洗には、この1年で20回くらいは来た。ほかの町にも聖地巡礼に行ったことがあるが、町が面白くなければ、これほどは通わない。おいしいものもいっぱいある」と話す。

来年12月から、ガルパンの“最終章”となる新作が全6章構成で順次イベント上映される。大洗の聖地巡礼はまだまだ続く。

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