大勢で分け合えば楽しい ホームパーティー向き優待

日経マネー

2016/12/7
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忘年会、クリスマスにお正月と、イベント続きの年末年始。家族や友人で集まった時ももちろん、優待を活用する桐谷さんに大勢でも楽しめるホームパーティー向き優待を教えてもらいました。

早いもので、今年も忘年会のシーズンがやって来ました。優待仲間との楽しみは、オフ会と称した情報交換会。いつもは優待券が使える飲食店を使っていますが、たまには優待品でホームパーティーをするのもいいですね。もっとも私の部屋は散らかっていて、恥ずかしくて人を呼べないという状況ではあるのですが……。

桐谷広人(きりたに・ひろと) 67歳。プロ棋士(七段)。1984年の失恋を機に株式投資を始める。現在400以上の優待銘柄を持ち、その優待品で日々の生活をほぼ賄っている。癒される人柄も人気の理由

さて、大人数で食べて楽しいといえば、お寿司ですね。寿司店を手掛ける企業で利回りがいいのは、「かっぱ寿司」で知られるカッパ・クリエイト(東1・7421)。優待券は店舗での飲食だけでなくテークアウトにも利用できますので、パーティーに最適ですね。そうそう、「かっぱ寿司」では、テークアウトメニューだけでなく、回っているお寿司を専用容器に詰めて持ち帰ることもできるんですよ。これなら好きなネタばかりを選べますね。

ライドオン・エクスプレスの宅配寿司。「銀のさら」「すし上等!」などを展開。

また、宅配寿司といえば、「銀のさら」などを手掛けるライドオン・エクスプレス(東1・6082)。この銘柄、優待好きの間では利回りが良いことで知られていたのですが、2016年11月11日に優待改悪を発表。2017年3月末からは、これまでの半分の額になってしまい、残念に思っているところです。

お寿司じゃなくてピザがいいという方は「SALVATORE CUOMO」などを展開するワイズテーブルコーポレーション(東2・2798)はいかがでしょう。無配なのが欠点ですが、食事券を肉やワインなどに換えることもできる、うれしい優待が魅力です。

注:データは2016年11月2日の終値、「優待+配当利回り」の――は算出不能。

お酒はおこめ券でゲット

パーティーにはお酒が欠かせませんね。アサヒグループホールディングス(東1・2502)といった大手の優待もビールですが、利回りを考えると、お得ではありません。そこで私が考えたのが、おこめ券が使えるディスカウントストア「ドン・キホーテ」でお酒を手に入れること。ワインや日本酒、何でもそろうのも魅力です。

おこめ券をくれる企業はたくさんありますが、一推しは総合利回り5.0%の朝日工業(JQ・5456)です。ちなみにドンキホーテホールディングス(東1・7532)も上場企業ですが、配当が0.56%で残念ながら優待はありません。

続いては、肉です。ハムメーカーといえば日本ハム(東1・2282)ですが、優待をもらうには、約270万円も必要。そんなにお金を掛けてパーティーをしても仕方がありませんね。

私のお薦めは、オリックス(東1・8591)の「ふるさと優待」で牛タンを手に入れること。この銘柄は私のお気に入りとして以前もご紹介しましたが、配当3.16%、総合利回り6.2%と、とにかく利回りがいい。一番利回りよく肉を食べたいなら、オリックスで決まりです。

次にいいのは、アトム(東2・7412)でしょう。ここは、カッパ・クリエイト含め、コロワイドグループです。食事だけでなく、ポイントに応じて好きな食品に換えることもできるんですよ。アトムの株を500株保有すれば、しゃぶしゃぶ肉やステーキをもらえます。

デザートももちろん優待で

ニッコーの食器。5000円クーポンを「アウトレット」コーナーで使えばこんなに

最後はデザートです。不二家(東1・2211)の優待券でケーキと行きたいところですが、ここは現在無配で利回りも低い。森永製菓(東1・2201)は優待がなく、明治ホールディングス(東1・2269)は2000円のお菓子をもらうために約105万円も必要です。そこで、正栄食品工業(東2・8079)はいかがでしょう。1000株持てばお菓子を山ほどもらえます。また地元、長野県のお菓子を送ってくれる鈴木(東1・6785)もお薦めですよ。

そうそう、私の部屋には来客に対応できる食器もそろっています。それはニッコー(名2・5343)の株主を十数年もやっているから。これは、25年前と比べると株価が40分の1になってしまったという銘柄なのですが……、株を売れないうちに年2回届く食器が増えました。サイトから5000円分の好きな食器を選べますので、アウトレットコーナーにある品をたくさん頂いているんですよ。

【今回の桐谷戦略】 将棋も株もAIには敵わない!?

 将棋棋士の三浦弘行九段が、竜王戦で竜王への挑戦権を獲得するも、対局中に将棋ソフトを使用した疑惑で出場停止処分となりました。この問題で私のところにも週刊誌からたくさん電話がかかってきましたよ。真相は分かりませんが、コンピューターがプロ棋士よりも強くなったのは確かではないでしょうか。

 株の世界もAI(人工知能)による取引が主流になってきています。少し前には、500人のファンドマネジャーよりもAIが良い運用成績を収めたという新聞記事がありました。株価が下がれば買って、上がれば売ればいいと分かっていても人間はなかなかできません。株価が下がると恐くなって買えず、上がると欲張って売れない。将棋だけでなく、株の世界でもコンピューターには敵わないのではと思いますね。

12月の権利確定銘柄

では最後に、株主優待ブログ「毎日優待三昧」が人気の個人投資家rika氏が厳選した「2016年11月に入手できるお得銘柄」を紹介しよう。2016年11月中に割当基準日を迎える銘柄だ(なお、2016年11月末が割当基準日の場合、優待を得るための最終売買日は、11月25日になる)。銘柄選択の際の参考にしてほしい。

注:データは2016年11月2日の終値、年2回同内容の優待がある場合、1回分の内容を表示。「利回り」の――は算出不能。

(日経マネー 御船晶子)

[日経マネー2017年1月号の記事を再構成]

日経マネー2017年1月号

著者 :日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 750円 (税込み)