『逃げ恥』『真田丸』独特の存在感でブレイク 星野源

日経エンタテインメント!

ほしの・げん 1981年1月28日生まれ、埼玉県出身。03年『WATER BOYS』で連ドラ初出演。16年は『逃げ恥』のほか、7月からNHK大河『真田丸』に徳川秀忠役で出演(写真:辺見真也)

近年の男優界を振り返ると、堺雅人主演の連ドラ『半沢直樹』が高視聴率を取り、NHK大河ドラマ『八重の桜』で西島秀俊が話題になった2013年を起点に、40歳以上の男優に関心が集まる波があった。2015年は『恋仲』で福士蒼汰、『民王』で菅田将暉が連ドラの主演を務めるなど、20代の新鮮な人材の台頭が目立った。

一方、しばらく大きな動きが見られなかったのが30代。しかし、ここにきて存在感を増している。主役、脇役を問わず、様々なタイプの男優が人気を得て、勢いづいているのだ。

その30代男優の中でも、10月から放送開始の秋ドラマで最も注目を集めているのが『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)に出演中の星野源だ。

星野はバンド活動を経て、現在はソロの音楽活動、大人計画を中心とする舞台出演のほか多数の連載を持ち、コント番組のレギュラーもこなす。その分、映画やドラマの出演本数は俳優専業の人に比べると少ないが、絶対音感を持つ人物を演じた『アキハバラ@DEEP』(06年)や、毎話歌唱シーンがあった『11人もいる!』(11年)など、個性が生きる作品選びに成功している。30歳を目前にした10年には、朝ドラ『ゲゲゲの女房』に出演し、幅広い世代に知られるようになった。

そしてさらに飛躍したのが、15年の『コウノドリ』だ。患者に現実を突きつける、一切笑わない産婦人科医の四宮を好演。厳しさの中にも人間的な温かさを持つ人物を、確かな演技力で表現した。

『逃げ恥』では35年間恋愛経験のない真面目なサラリーマン・津崎を演じている。新垣結衣ふんするみくりと、雇用主と従業員という関係で契約結婚をするラブコメディだ。

プロデューサーの那須田淳氏は、「サブカルチャーの匂いがする、多彩な才能と独特のオーラを持つ星野君に、ずっと興味を持っていました」と明かす。那須田氏は『コウノドリ』にも携わっており、今回の起用は2回目となる。「『コウノドリ』の四宮はとてもクールな役で、星野君が演じてきたキャラクターとは真逆でしたが、役をちゃんとご自身に引き寄せてくれました」。

『逃げるは恥だが役に立つ』 契約結婚のはずの2人が、一緒に暮すうちに互いを意識し出す。星野が歌う主題歌『恋』にあわせてダンスするエンディングも話題。(火曜22時/TBS系)

『逃げ恥』は変わった設定のため、新鮮な2ショットをと考えたときに、新垣の相手役として星野が真っ先に思い浮かんだという。分かりやすいイケメンではないけれど、<親近感が持てて、どこかかわいい、男性が共感できる持ち味>が決め手だったそうだ。「今回も役を自分のものにして、原作マンガの行間から感じ取ったものも表現してくれています」。

『逃げ恥』は第8話で視聴率16.1%を記録して絶好調。星野人気も回を追うごとに上昇中だ。

(日経エンタテインメント!内藤悦子)

[日経エンタテインメント! 2016年12月号の記事を再構成]

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