吉本、地域活性化にアマゾンで独自番組

吉本興業は観光客誘致など地域活性化策で提携している北海道を盛り上げるため、アマゾン・ドット・コムの有料会員向け動画サービス「プライム・ビデオ」用に独自番組の配を始めた。吉本の芸人が北海道内の景勝地や名産物を紹介する番組で、国内だけでなく海外でも配信。番組を見た海外の視聴者が北海道を訪れたり、視聴中にアマゾンの通販サイトから番組で紹介している商品を購入できる。地方創生の新しい試みとして注目されそうだ。

アマゾン・プライム・ビデオで配信する新番組は「おもてなしグルメ旅」。第1弾となる北海道編は道出身のお笑い芸人、タカアンドトシがゲストと道内を旅しながら、グルメ情報を紹介している。北海道を皮切りに他の都府県でも同じ内容の番組を制作し、海外も含めて配信する。

北海道が第1弾となったのは、今年3月、吉本と北海道が「北海道を盛り上げ、その魅力を国内外に発信すること」を目的とした包括連携協定を結んだためだ。今回の番組配信はその具体的な動きの1つ。高橋はるみ知事は年間で外国人観光客300万人と、道産食品輸出1000億円の達成を公約にしており、吉本との提携などを通じて公約達成を目指している。

番組の対象は今後、全国に広がる。番組で紹介する物産品の候補になりそうなのが、吉本が全国で展開している「よしもと47シュフラン」の商品だ。47都道府県の主婦が「我がふるさとでは、ぜひこれを食べてほしい」と思うものを応募し、選定している。一方、アマゾンの会員情報を活用することで、決済や配送での入力の手間を省くことができる。

吉本はアマゾン・プライム・ビデオでベストセラー小説「火花」のドラマ化作品を独占配信するなど、アマゾンとの連携を強めている。今後はダウンタウンの松本人志氏が企画する独自番組の配信も予定している。

（編集委員　鈴木亮）