このAR写真を撮影するのに「舞台めぐり」という聖地巡礼者向けのスマホアプリを活用した。アプリを起動すると、あらかじめ登録された聖地の場所をGPS(全地球測位システム)連動の地図上に表示してくれるので、初めて訪れる場所でも迷わずにたどり着ける。写真の中に配置するキャラクターの大きさや位置は自由に変えられる。構図を変えながら何枚か撮影するのも楽しいだろう。このアプリは、現在「orange」(長野県松本市)や「弱虫ペダル」(神奈川県・江の島、箱根ほか)など50タイトル以上のアニメ作品に対応している。アプリのユーザーは20~30代が中心だという。

次の画面写真は、舞台めぐりの「足あと」というログのページである。自分が撮った写真と撮影場所の地図、アニメ作品の該当シーンを一覧できる。

写っている建物は日本海軍呉鎮守府の下士官集会所。現在は自衛隊の集会所になっている。

物語の舞台は、すずさんの嫁ぎ先である広島県呉市に移る。呉駅のすぐ近くには「くれ観光情報プラザ」という案内所があり、映画に登場するシーンのロケーションマップを配布している。聖地巡礼をするなら入手しておこう。

ここからは呉観光ボランティアの会の福原実夫会長と西山元康さんの協力を得て呉の「聖地」を巡った。

最初に向かったのは「三ツ蔵」と呼ばれる蔵のある場所だ。すずさんが嫁いだ北條家は山の裾にあり、そこから市街や闇市へ向かう小道の脇に「三ツ蔵」がある。劇中で何度も登場する。

福原さんは、「北條家があったと思われる正確な場所はわからないが、すずさんはたぶんこの道を通っていったんですよ」と案内してくれた。最初は少し曲がった細い下り坂を進む。そのたたずまいは、新しい住宅に囲まれていながらも、どことなく郷愁を誘う。しばらく歩くと、そこだけタイムスリップしたかのような趣の三ツ蔵の前に着いた。文字通り3つの蔵が並んでいる。ここで写真を撮った。

三ツ蔵をあとにして、さらに道を進むと公園に出る。福原さんは「公園の向こうは朝日町といって、昔、遊郭があったところです」と教えてくれた。

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戦艦大和を建造したドックを見下ろす