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風邪・インフル対策で話題 エルダーフラワーって何?

日経ヘルス

2016/11/21

(写真:鈴木正美)
日経ヘルス

ハーブティーは、リラックス効果などが実感できる飲み物で女性に人気が高い。今回は、これからの季節にぴったりな効能を持つハーブ「エルダーフラワー」を軸に、おすすめハーブティーをご紹介しよう。

ハーブは、植物の葉や花、実、根などを乾燥させて用いる。ドイツでは医薬品として取り扱われるほど効果が確かなものもあり、近年は日本でも広く親しまれるようになってきた。

特に人気を集めているのが、乾燥ハーブをお湯で抽出して飲むハーブティーだ。アロマのような豊かな香りで、特に女性に人気だ。緑蔭診療所でハーブなどのセルフケアの指導を含む治療を行う医師の橋口玲子さんは「ハーブティーの香りは精油と同じ揮発成分。香りが嗅覚を介して脳に達し、作用を発揮する。ハーブに含まれる水溶性成分は腸などの消化管から吸収される」と説明する。

そんなハーブティーのうち、日本で注目を集めているハーブが「エルダーフラワー」。このハーブは夏から秋、冬への体のケアにぴったりのハーブだという。「エルダーフラワーの花に含まれるフラボノイドには、発汗を促す作用があり、体内にこもった熱をじわじわと外に出す作用がある」(橋口さん)。ほかにも、気道の分泌液を増やす働きがあるので、せきがひどいときなどは、エルダーフラワーをベースにジャーマン・カモミールやタイムなどをブレンドするのもおすすめだ。

しかも、ハーブティーのほとんどは、カフェインが含まれないので、就寝前でも安心。時間帯を問わず飲めるのも魅力のひとつだ。

ハーブティーを効かせる飲み方は1日2~3杯
ハーブに詳しい医師の橋口玲子さんは「ハーブティーは1日2~3杯、毎日飲むのが効果的」と話す。エルダーフラワーには保温、発汗作用による風邪の引き始めの予防、インフルエンザ予防も期待できる。

■秋~冬におすすめの5つのハーブ

種類豊富なハーブの中から、気温が下がり、乾燥する季節にかかりやすい、病気の予防や改善に効果を発揮するおすすめのハーブをご紹介。

インフルエンザ予防に効く エルダーフラワー

保温作用が発汗を促し悪寒を鎮める。消炎作用により、のどや気管の腫れや痛みも改善させるので、風邪やインフルエンザにも効果的。アトピー性皮膚炎などのアレルギー性の炎症にも有効。和名はセイヨウニワトコ。葉の部分は有毒なので飲用は不可。[発汗][消炎][利尿][抗アレルギー]

薬効が広い家庭用の万能ハーブ ジャーマンカモミール

和名はカミツレ、カモマイル。「お医者さんの草」などとも呼ばれるほど、薬効が広い。リンゴのような甘い香りで、鎮静、保温、粘膜保護、鎮痛、消炎、胃痙攣(けいれん)緩和などの作用がある。ただし、キク科なので、キク科植物にアレルギーのある人は注意を。[発汗][リラックス][血行促進]

発汗作用と優れた鎮静作用を持つ リンデン(リンデンフラワー)

発汗、解熱作用や気持ちの高ぶりを鎮め、緊張を和らげる優れた鎮静作用がある。また、花に含まれるビオフラボノイドという成分が、血圧を下げ動脈硬化の予防にも働く。風邪や生理のときの頭痛、緊張による肩こりや頭痛にも効果的。和名はセイヨウボダイジュ。[発汗][興奮を抑制][筋肉疲労の緩和]

胃弱による食欲不振や片頭痛に レモンバーベナ

さわやかな風味が神経の高ぶりを鎮め、自律神経のバランスを整える。リラックスとリフレッシュの効果が期待できる。夕食後や、仕事の合間など、気持ちを切り替えたいときにおすすめ。和名はコウスイボク。指を洗うフィンガーボウルの香りづけにも使われる。[興奮を抑制][リラックス][消化促進]

暴飲暴食や鼻炎・風邪の改善にも ペパーミント

爽やかな香りは鼻やのど、気管支のつまりを和らげ鼻炎や風邪にも効果的。また、イライラした気分を鎮め、抑うつや無気力感を改善、精神を活性化させる作用もある。精神的ストレスや暴飲暴食で弱った胃や腸のぜん動運動を促し、消化を助ける。[中枢神経の刺激][胃の機能の活性化]

■基本のハーブティーのいれ方

1.先にポットを温めておき、ドライハーブを入れる。手で入れるときは1人分でふたつまみ程度。 2.ポットに沸騰させた人数分のお湯(1人180ml)を注ぎ、抽出させる。アイスにする場合も同じ。 3.揮発性の芳香成分を逃がさないために、必ず蓋をして蒸らす。細かい花や葉は2~3分でよい。 4.茶こしを使い、静かにカップに注ぐ。有効成分をハーブに戻さないように最後の1滴まで注ぐ。
ハーブティーは暗所&密封で保管
ハーブは空気に触れると酸化し、光に当たると色や味が劣化、高温多湿の状態だとカビの原因になることも。保管するときは、密閉できる容器に入れ冷暗所に置くこと。瓶の場合は遮光瓶がベスト。

■ハーブティーの健康トリビア

ハーブティーには、「抗酸化作用やアレルギー反応の抑制にも役立つポリフェノールが豊富に含まれる」と橋口さん。

これらの成分をより効果的に抽出することを考え、お湯で抽出することも大切なポイントだという。ポットでいれるのが手間と感じるのであれば、簡易茶こし付きのマグカップを使うのがおすすめだ。また、ハーブの成分を抽出して砂糖や果汁を加えたハーブコーディアルは、甘くて濃厚なシロップ。炭酸水などで割って飲むのもいい。

また、女性にとってハーブは心強い味方だが、気をつけるべき一面を持つ。特に、妊娠期や授乳期には、体調管理などメリットのあるハーブのほか、多量にとり過ぎないほうがいいハーブもある。そのため、医師などに必ず相談してから取り入れて。

欧州では病気予防のために使われる

日本ではハーブティーは一般食品扱いとなっているため、デパートなどで簡単に購入することができる。しかし、欧米ではハーブに関する法律によって、医薬品と健康食品に分類されている。ドイツでは保険の適用もあり、病気予防のためにハーブが積極的に使われている。

ハチミツを加えるとムダ食べの予防効果も

どうしても甘みが欲しいときは、砂糖ではなくハチミツをプラス。ハチミツは天然の甘味料なので、砂糖と比べ血糖値の上昇がゆるやかで、どんなハーブにも合う。また、ビタミンやミネラルも豊富。甘いお菓子の衝動食い防止にも効果的だ。

妊娠中、授乳中は気をつけるべきハーブも

通常販売されているハーブやスパイスは、妊娠中や授乳中もハーブティーや料理でとる程度の量であれば危険はない。ただし、セージ、ナツメグ、フェンネル、スターアニスの大量摂取は避けること。また、男女を問わずリコリスの長期摂取は避けよう。

熱湯抽出することで有効成分が溶け出す

ハーブティーは、必ず沸騰させたお湯でいれるのがポイント。「ハーブティーに含まれるポリフェノールやカテキンなどの成分が湯の中に溶け出し、有効成分を摂取できる。アイスハーブティーを作る場合も、熱湯で作ってから冷蔵庫で冷やすようにして」と、橋口さん。

風邪やインフルエンザ予防に2煎目でうがい

風邪やインフルエンザの予防や口内炎の治療などに、ハーブティーによるうがいは有効。「通常、ハーブティーは1煎しかいれないが、うがい用に2煎目をいれ、それでうがいをするのがおすすめ」と橋口さん。エルダーフラワーのほか、タイム、セージ、ジャーマン・カモミールも向く。

■ハーブティーライフを充実させるブレンドレシピ

ハーブの中でも、クセがほとんどなく飲みやすいといわれる“エルダーフラワー”。これからの季節におすすめのブレンドハーブティーは、どれも風邪予防にも最適だ。あなたのお気に入りを探してみて。

ブレンドのコツ
1.茶葉の割合は1:1
2.お湯でゆっくりと抽出する

イライラ気分を鎮静化 エルダーフラワー&リンデンフラワー

リンデンのフラワーには蜜のような甘い香りがあり、イライラした気持ちを抑えてくれる。エルダーフラワーとブレンドすると、はじめにほのかな甘さを感じ、後からさわやかな清涼感が残る。スッキリとした後味が楽しめる。

消化を助け、爽快な風味に エルダーフラワー&ペパーミント

エルダーフラワーの消炎・抗菌作用に、食事の後に飲むと消化を助けるミントをブレンド。ミントはハッカ成分が強すぎて苦手という人でも、エルダーフラワーを混ぜることで、飲みやすい爽快感のあるハーブティーになる。

温め効果で冷え知らず&リラックス エルダーフラワー&ジャーマンカモミール

青リンゴのようなフレッシュな香りと、フローラル系の甘い香りを併せ持つジャーマンカモミール。エルダーフラワーと合わせることで、体をポカポカと温める効果が倍に。冷え性の人や風邪の引き始めに飲むと効能を発揮する。

マイルドな酸味が高揚感を鎮める エルダーフラワー&レモンバーベナ

さわやかなレモンの香りと、ほのかな酸味を持つレモンバーベナ。気持ちを落ち着かせるとともに、消化を助ける作用もある。エルダーフラワーと合わせるとマイルドな酸味になるので、酸っぱい味が苦手な人でも楽しめる。

橋口玲子医師
緑蔭診療所(神奈川県南足柄市)
内科、小児科、慢性疾患や心身症に対し現代医学と漢方を併用した治療、さらに、ハーブ療法などの代替補完療法を取り入れた診療を行っている。著書に『医者が教える アロマ&ハーブセラピー』(マイナビ)、『ハーブ療法』(金芳堂)など多数。

(ライター 高橋晴美、写真 鈴木正美、スタイリング タカハシユキ)

[日経ヘルス 2016年11月号の記事を再構成]

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