iPhone 7に携帯型アンプ ヘッドホンに至上の音世界
女優・奈津子の 教えて!家電ティーチャー
家電ティーチャーの奈津子です。今回は、iPhone 7の音を一段……いえ、数段以上もパワーアップする方法を紹介しちゃいます。
それはずばり「ポタアン」! ポタアンとは「ポータブルヘッドホンアンプ」のことです。今回はiPhone 7にオススメのポタアンを紹介する……のではなく、ポタアンをつなげることでたどり着ける"至福の音の世界"を、ちょっとだけ紹介しちゃいます!
iPhone 7+「ポタアン」で"ハイレゾ"も楽しめます!
ということ2016年10月22日から23日の2日間にかけて東京・中野の中野サンプラザで開催された「秋のヘッドフォン祭 2016」からリポートします。
今回はChordの人気ポタアン「Mojo」(実勢価格5万5500円)を高級イヤホン・ヘッドホンのモニター用にお借りしました。iPhone 7との接続方法は、アップルの「Lightning - USBカメラアダプタ」(同3200円)をiPhone 7のLightning端子に挿し、そこからマイクロUSBケーブルでMojoに接続するというスタイルです。
ちなみに、iPhone 7内蔵の「ミュージック」アプリでは、「e-Onkyo music」や「Mora」などで販売されている「ハイレゾ音源」を再生することはできないそうです(一部可能ですが、"ハイレゾ音質"で出力することはできないとのことです)。そのため、ハイレゾ音源を楽しむためにはオンキヨーの『HF Player』、ラディウスの『NePLAYER Lite』などのアプリが必要になるとのことです。どちらも無料ですが、ハイレゾを再生するためには別途課金が必要になる場合があるそうです!
iPhoneでのハイレゾ再生に対応するポタアンはMojoの他にもいくつかありますので、興味がある人は調べてみてください!
JH Audio×Astell & Kernコラボ「SIREN」エントリー登場!
まずは「AKシリーズ」で有名なAstell & Kernと、数多くのビッグアーティストのカスタムIEM(イン・イヤー・モニター)を手がけるジェリー・ハーベイ氏が手がけるJH Audioがコラボした「SIRENシリーズ」の最新モデルから紹介しましょう。
SIRENシリーズの"エントリーモデル"という位置付けになる「Michelle」は、3基のBA(バランスド・アーマチュア)ドライバーを内蔵するユニバーサル(カスタムメイドしない)タイプのIEMです。SIRENシリーズは上から「Layla II」(直販価格39万9980円・税込み)、「Roxanne II」(同26万9980円)、「Angie II」(同18万9980円)、「Rosie」(同13万9980円)というラインアップがありますが、どれも高いですよね……。
今回のモデルは発売日、価格ともに未定ですが、SIRENシリーズの音作りを踏襲しながら、米国での販売価格は499ドル!……ということは、日本円にして6万円前後になるのではないかと見られています。6万円でも十分に高いのですが、これまでのエントリーモデルだったRosieと比べても半分以下……?
実際に聴いてみましたが、とても低音が豊かで、高音も耳に刺さらないくらいにしゃっきりと聞かせてくれます。私は普段Astell & Kernの「AK70」を愛用しているのですが、やっぱりこの音好きです! ハウジングの造型に3Dプリンターを利用したとのことで、私のような小さな耳でもフィットしやすい点もとても魅力的に感じました。
B&W「P9 Signature」はブラウンカラーがかわいい!
続いてはBowers & Wilkins(B&W)が10月に発売したばかりの「P9 Signature」(実勢価格11万円)を紹介しましょう。
前回試聴した「P7 Wireless」はブラックとシルバーのカラーリングでしたが、こちらはブラウンとシルバーのかわいらしいカラーリングになっています。ヘッドバンドとイヤーカップには、レザーに独特の仕上げを加えた「サフィアーノレザー」を採用していて、とても高級感のある作りになっています。
低音がパワフルというより上品で、過不足のない鳴り方だと感じました。J-POPなどを聴いても楽しそうですね。本体が軽いので、耳が疲れない感じもいいです。折りたたんで付属のケースにしまって持ち運べるのも魅力的に感じました。
来年発売のデノン「AH-D7200」は木目がレトロで今風?
続いては、デノンが2017年1月中旬に発売する「AH-D7200」(予想実勢価格10万円前後)を紹介しましょう。デノンブランドのヘッドホン製造50周年を記念したフラッグシップモデルで、ハウジングには木目が美しく耐久性も高い天然のアメリカン・ウォールナット(くるみ)材を使用しています。
イヤーパッドには独自開発の人工皮革を採用。一般的な人工皮革に比べて約2倍の耐久性を実現しているそうです。
ケーブルは左右両出しの着脱式(3.5mmモノラルミニプラグ)のため、リケーブル(ケーブル交換)ができるのも魅力です。ケーブルを交換して音の違いを比べる、なんてディープな楽しみ方もできます。
レトロな感じでありながら、どこかおしゃれなデザインですよね。イヤーカップはかなり大きめですが、女子的には小顔効果があるので大歓迎です♪
クラリオンのヘッドホンは直接iPhoneにつながりました!
続いては"フルデジタル"のヘッドホンを紹介しましょう!
クラリオンが10月に発売する「ZH700FF」(実勢価格14万2000円)は、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換することなくドライバーを駆動する「フルデジタルサウンドテクノロジー」を搭載するモデルです。
60×54mmもの大きさの「エッジレス平面駆動ドライバーユニット」を、デジタル信号でそのまま高速応答させて音を鳴らすんだそうです。フローティング構造のため歪みが少ないんだとか。
フルデジタルヘッドホンなので、入力もデジタルのみです。光デジタル入力のほか、マイクロUSB端子での入力にも対応しているので、パソコンと直接接続することも可能です。
ハイレゾで宇多田ヒカルさんの『First Love』を試聴したら震えました! 口内の粘りのようなもの……というと変ですが、音と音が分離せずに絡み合うような印象を受けました。フルデジタルはレコードのような"あたたかみ"みたいものは感じませんが、カジュアルに聴きやすいし、個人的にはすごく好みでした。
最初はZH700FFをポタアンのMojo経由で試聴したのですが、実はUSBケーブル経由でiPhoneと直接接続できました! もちろん直接……といっても「Lightning - USBカメラアダプタ」は必要なのですが、アンプなしでつなげられるのは手軽です。14万2000円(税込み15万3360円!)と高いですが、ポタアンを別途買わなくて済むのでコスパは意外と悪くない……かもしれませんね!
Ultrasoneの「Jubilee」の音には奈津子もしびれます……
今回開催された秋のヘッドフォン祭 2016の目玉の一つとなったのが、Ultrasoneが世界250台限定で12月下旬に発売する「Jubilee 25 Edition」(実勢価格66万円)です。じっせいかかく……66万円! 消費税込みだと71万2800円です! 前回のヘッドフォン祭ではゼンハイザーの「HE-1」が何と600万円を超えるとんでもない価格だと伺いましたが、高級車が買えるヘッドホンともなるとさすがに別格。でもJubilee 25 Editionも軽自動車ぐらいなら買えちゃう値段ですよね……。
Jubilee 25 Editionは、2013年に555台限定で発売された「Edition 5」(当時の実勢価格は約50万円)をベースに、25周年モデルとしてリメイクしたそうです。Edition 5はイヤーカップに「樫の埋もれ木」を採用していましたが、Jubilee 25 Editionは木材の中でも最高級と言われる「縞黒檀(しまこくたん)」を採用しているとのこと。職人が1つ1つ削り出して、ピアノラッカーフィニッシュを施しているそうです。
今回、約5時間にわたって取材を続けてきましたが、ほぼ最後の最後。約15分ほど待った後で試聴ができました。ずっとBluetooth対応ヘッドホンを中心に聴いていたというのもあるのかもしれませんが、それまでの疲れが吹っ飛ぶような音! 音の密度がとても高いのですが、ずっしりと重いわけではなく、とても柔らかくて伸びやか。澄み渡るような高音のさわやかさもとても印象的でした。本当にため息が出るほど良かったです!
(文 奈津子、写真・構成 安蔵靖志)
女優・タレント。家電製品総合アドバイザー ゴールドグレード(AV情報家電)。元SDN48。特技は茶道、日舞、家電。餃子部部長。Webサイト「気になるアレを大調査ニュース! しらべぇ」にて、双子の妹・亜希子とコラムを連載中。
[日経トレンディネット 2016年10月31日付の記事を再構成]
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