トヨタの誤算 なぜVWに首位を譲るのか

トヨタもライトトラックを販売しているが、すでに工場の供給が追いつかない状況だ。伊地知副社長は「今年の米新車市場は1740万台程度と前年並みで好調だが、60万台分が乗用車からライトトラックにシフトしている」と説明する。

トヨタ自動車の伊地知隆彦副社長

このため、トヨタは17年3月期の北米での販売見通しを当初の288万台から282万台に引き下げた。北米ではすでに昨年から、ガソリン安と低金利ローンを追い風に、高価格帯のライトトラック人気が高まっていたが、トヨタの予想以上に拡大したわけだ。16年10月のトヨタの米国でのシェアは13.6%でGM、フォードを下回った。

中国で販売伸ばすVW

一方のVW。昨年、米国発の排ガス不正問題に揺れた。しかし、発火点となった米国市場のVWのシェアは1.8%(16年10月)と、もともと低い。トヨタの主力市場は北米、日本、東南アジアの3国・地域だが、VWは中国、欧州、南米。ブラジルなど新興国で苦戦しているが、地元の欧州が好調を維持。さらに依存度が高い中国で、景気減速下にもかかわらず販売台数を10%超増やしている。

トヨタの北米での誤算と、VWの中国での健闘が両社の明暗を分けた格好だ。「米国市場はバブル的な様相がある、まさかあんなガソリンがぶ飲みの高価格帯の車がこんなに売れるとは思わなかった」(トヨタ幹部)という。旗艦車種のプリウスは日本国内では絶好調で10月の新車販売でもトップに立ったが、米国や中国は当初の期待通りに伸びているとはいえない。

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