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祐真キキ 米ドラマのオーディションに合格する方法 国際派女優への道(2)

日経エンタテインメント!

2017/1/17

『HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン』で刀ガールことミコ・オオトモ役に抜てきされて脚光を浴びる日本人女優、祐真キキ。女優をめざして23歳で渡米。オーディションにトライし続けて、今回の大役を得た。国際派女優への道を歩き出した彼女が、その歩みを語る2回目は、女優を志した理由や米国でのオーディション現場の実際について語ってくれた。

すけざね・きき 1989年4月5日、京都生まれ。23歳で渡米してアメリカで活動。オーディションで『HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン』のミコ役に抜てきされる。(写真:松川忍)

『HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン』で刀ガールことミコ・オオトモを演じた祐真キキです。今回は女優を志したきっかけや、アメリカでどんなふうにオーディションが行われているのかを話そうと思います。

私が育ったのは京都です。自然が多い田舎のほうで、やんちゃな子どもでした。夏になるとカブトムシやクワガタ採りをしたり、兄と釣りに行ったり。学校から帰ってきたら、すぐに外に遊びに行って、泥だらけになってましたね。目立ちたがり屋でもあったので、テレビに出たいといった気持ちはありましたが、子どものころから女優をめざしていたわけではありません。それをはっきり意識したのは、20歳くらいのころです。

■人道支援をしたくて女優に

高校在学中に1年間アメリカに留学して英語を学び、帰ってきて卒業した後、「自分は本当は何がやりたいんだろう」と考えていました。そのころ、どうしてもアフリカに行ってみたくて、知り合いがいたタンザニアを訪れたんです。

タンザニアには1カ月くらいいて、各地を回ったのですが、ザンジバル島に行ったときに、南スーダンのへき地で人道支援をしているというアメリカ人の男性に出会いました。そこで情報を聞いたり、自分の夢を語っているうちに、私も人道支援のようなことをしたいという気持ちが固まってきました。でも同時に、現地に行くには知識も技術も必要だし、そう安易にできることじゃない、ということもよくわかりました。

そうしたなかで、自分が有名になって影響力を持てば、そういうこともできるのでは、という思いを強くしたんです。尊敬しているマザー・テレサさんやアンジェリーナ・ジョリーさんのようになりたい。ほかにもハリウッドの俳優さんには慈善活動に熱心な人たちが多いことも知り、私も女優をめざしたいと決意したんです。

帰国してから、俳優養成機関のアップスに入って演技の勉強をして、映画『ラストサムライ』にも出ていた高良隆志先生のもとで殺陣も学びました。そして23歳のときに、ロサンゼルスへ渡ったのです。それからは、ひたずらオーディションを受け続けて、チャンスを待つ日々。200以上のオーディションを受けたと思います。

■自分を売り込む映像が必要

オーディションは多種多様で、学生が作る映画やウェブシリーズなども含めて、いろいろ受けました。まだプロと言えない俳優志望の人たちが登録できるサイトがあるんです。売れるまでは、ここでオーディションを見つけましょう、みたいなサイトが。そこには、地上波で流れるテレビ番組のオーディションのような情報は流れません。それはエージェントにしか流れなくて、名前が売れてしっかりしたエージェントがつけば、受けられるオーディションのレベルも上がっていくという仕組みです。

ただ最初は、自分を売り込むための映像が必要なので、それを集めるために小さなオーディションでも、どんどん受けました。キャスティングをする人は、俳優が映っている映像を見て、その人をオーディションに呼ぶかどうかを決めます。だから、自分がどういう人間で、どういう演技をするのかわかる映像が、小さな仕事のものでもよいので、いろいろあったほうが売り込みやすいんですね。

『HEROES REBORN/ヒーローズ・リボーン』のオーディションを受けられたのは、偶然なんです。ロサンゼルスでも殺陣のクラスに通っていたのですが、同じクラスに中学生ぐらいの男の子がいて、送り迎えとかでお母さんとお会いして仲良くなっていました。その方がキャスティング・ディレクターと友人で、殺陣のできる日本人を探しているということを、たまたま耳にしたんです。すぐにアクションをしている映像を全部送って、オーディションまでたどり着くことができました。

オーディションは、たいてい5分くらいで終わるのですが、その日は2時間半くらいかかりました。でも、その1回で決まったんです。最初はキャスティング・ディレクターの前で演技をして、次にプロデューサーの方々の前で同じことをやりました。番組の生みの親のティム・クリングさんもいて、言われた通りに演じました。木刀を持って行ったんです。アルミホイルを巻いて刀っぽくして。それで立ち回りを見たいとおっしゃったので、思いっきり大声を出してやりました。その後、その場で面接みたいな感じになって、プロデューサーの方々から「いつからアメリカにいるのか」というような質問がありました。その日は、それで終わりで、4日後くらいにオーケーの返事が来ました。

■殺陣のトレーニングが役立つ

あんなにスムーズに合格したのは、奇跡的なことだと思います。イメージがどんぴしゃだったのかもしれないですね。黒髪のストレートで前髪をVにしていったのも、身長が小さいのもよかったのかもしれない。髪型にしても木刀にしても、準備していったことをすべて気に入ってくれたようです。

アメリカに来てからも殺陣のトレーニングを続けていたのも役に立ちました。アメリカで女優をめざすなら、刀を使うアクションの機会が多いだろう、と思って準備していたのですが、思っていたよりも早くその機会を得られました。いつオーディションの機会が来るかわからないし、常に自分の力を100%発揮できる状況にして、準備を万全にしておくことが大事だと、強く思いました。

本記事の続きとなる、祐真キキさんの最新インタビューは発売中の『日経エンタテインメント!海外ドラマSpecial2017[冬]号』に掲載しています。俳優の仕事で感じた日米の文化の違いについて語っています。
祐真キキ 国際派女優への道
(1)米ドラマで“刀ガール”に抜てき、世界が注目
(2)米ドラマのオーディションに合格する方法
(3)ドラマ撮影の現場で感じた日米文化の違い

[日経エンタテインメント! 海外ドラマSpecial 2016[秋]号の記事を再構成]

日経エンタテインメント! 海外ドラマSpecial2017[冬]号(日経BPムック)

編集:日経エンタテインメント!
出版:日経BP社
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