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帰国後もインバウンド消費期待 小林製薬が囲い込みへ 高級品から値ごろ商品にシフト/中国で医薬品販売も

2016/11/4 日経MJ

訪日客消費は高額品から低価格な医薬品や化粧品にシフトしている(大阪市のツルハドラッグ道頓堀中央店)

2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、中国人に人気の「神薬」をそろえる小林製薬がインバウンド(訪日外国人)消費を囲い込む動きに出ている。医薬品や化粧品を中心に新商品の開発を進めるほか、ドラッグストアなどの売り場で中国語の店頭販促(POP)などを用意。3年後をメドに中国での医薬品販売にも乗り出す。

中国人が日本を訪れた際に必ず買うべき商品をまとめた「12の神薬」と呼ばれるリストのうち、小林製薬の商品は5つが選ばれている。

訪日客の購入品目は腕時計などの高額品から、最近では値ごろ感があり、高品質な医薬品と化粧品などに変わっている。旅行スタイルも買い物の時間に余裕がある個人旅行客が増加。そのため定番商品だけでなく、派生商品などにも目を向け、売れ筋の品目が同社の漢方薬「ダスモック」や洗眼液「アイボン」などに広がっている。

店頭では中国語の店頭販促(POP)を用意した(大阪市のツルハドラッグ道頓堀中央店)

「神薬」の認知度の高さを生かして新商品の開発を急ぐ。消炎鎮痛剤「アンメルツ」ブランドからは「アンメルツNEO」(90ミリリットル入り税別1900円)を4月に発売した。既存品よりボトルを約3センチ長くしており、1人で背中の広い範囲まで塗れるようにした。

生理の不調などを改善する女性保健薬「命の母」ブランドからは化粧水(180ミリリットル、店頭想定価格税別1480円)や美容液(30ミリリットル、同1780円)などのスキンケア商品をこのほど投入した。

約10年間、伸び悩んでいた液体ばんそうこう「サカムケア」も購入者の7割が外国人に。販売好調を受けて開発費も付き、ハケを大きくした新商品「サカムケア靴ずれ傷ガード」(税別850円)を追加した。

東京の銀座や秋葉原、大阪の心斎橋や道頓堀など中国客でにぎわうエリアを対象に中国語のPOPも用意した。サカムケアには「皴裂 皸裂(ひび割れ あかぎれ)」と記載し、ハケで指に塗っているイラストを採用している。

帰国後の需要も取り込む。3年後をメドに中国で医薬品を製造・販売する認可を取得して、アンメルツなどの医薬品を中国で販売する。商品は安徽省にある自社工場で現地生産する予定だ。

中国販売の手始めとして5月に中国アリババグループが運営する越境EC(電子商取引)サイト「天猫国際」に自社の旗艦店を出した。神薬に選ばれる「熱さまシート」や口臭防止剤「ブレスケア」など17品目を扱い、品目数は順次増やしていく。

16年3月期の連結決算ではインバウンド向けの売上高が約43億円と前年に比べて倍増した。足元の16年4~9月期も前年同期に比べて1割以上伸びている。けん引役になっているインバウンド消費の取り込みに力を入れ、外国人への認知度を生かして海外事業も加速させていく。

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