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スマホを断つ! 鎌倉で脱デジタル依存の旅

2016/11/10

スマホなしで歩いた鎌倉の印象を大きな布に描いた

 フェイスブックなど交流サイト(SNS)やメールでやりとりするかたわら、ニュースをこまめにチェック。地図アプリで場所を確かめ、気になることがあればすぐ検索。寝相を監視しベストタイミングで起こしてくれる目覚ましアプリまで使っている筆者は、今や24時間365日、スマートフォン(スマホ)と“一心同体”状態だ。確かに便利だが、用がなくてもつい画面を開いてしまうなど、一抹のむなしさや疲れを感じることもある。半日スマホを持たずに鎌倉を散策する「デジタルデトックス(解毒)ツアー」があると聞き、参加してみた。

■デジタル機器をすべて預ける

 雨上がりの日差しがまぶしい10月下旬。朝9時半に集合場所の鎌倉駅東口に向かうと、ガイド役の宇治香さんと、ツアーを主宰する株式会社Ridilover(リディラバ)の武村佳奈さんが出迎えてくれた。鎌倉で生まれ育った宇治さんは、市民の創意と工夫で持続可能なまちづくりに取り組む「トランジション・タウン鎌倉」も主宰する、地元の生き字引のような人。デジタルデトックスツアーも、「よりよい地域と暮らし」を見つめ直す手法の一つとして考えられたようだ。

 7人の参加者が集まると、さっそくスタート地点となる本覚寺へ移動。ここで宇治さんがプログラムのあらましを説明する。

宇治さん手描きの地図を頼りに、ガイドブックや検索ではたどりつけない人気観光地の魅力を探す

 この日の参加者はたまたま筆者以外の全員が20~30代の女性。「スマホべったりの姿を子供に見られてる」ことに不安を感じるという都内在住の女性は、「スマホ依存がひどい。会議中もずっといじっている」という会社の後輩を誘い、有給休暇をとって参加した。2人ともにこにこ笑っているけれど、1日デジタルから離れてリフレッシュしたいという気持ちの真剣さは伝わってくる。関西の大学生や、中国地方から首都圏観光に来た人など、遠方からの参加者も。誰もがありきたりの観光ではない「経験」を求めている。

 自己紹介が終わったところで、重大な儀式がある。参加者全員のスマホをはじめとするデジタル機器をすべて主宰者のバッグに預け、解散まではお返ししませんという宣告が下される。「写真を撮りたくなったら心のシャッターを押し、心のフィルムに焼き付けましょう」

素敵な風景に出合っても、「とりあえずデジカメで記録」することはできない(写真左後方が宇治さん)

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