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かわいい馬の道標をたどる旅「九州オルレ」 南蛮貿易で栄えた港町を歩く「南島原コース」をめぐる

2016/11/16

アコウ群落には幹回りが太く、高さ20メートルに達するものも

さらに海岸沿いを東へ進むと、早崎漁港の道沿いに、南方系のクワ科の常緑高木「アコウ」の群落が現れる。20本ほどが群生していて、樹齢300年を超える巨木も。まるで東南アジアのような風景だ。

漁港をあとにして上り道を行く。2キロメートルほど歩いて再び海沿いに出ると、玄武岩の海岸だ。干潮時には磯を歩くことができる。海岸を覆う黒々とした岩石は「早崎玄武岩」と呼ばれる溶岩流が固まったもの。約430万年前、この辺りの海底火山の噴火から島原半島の形成が始まったという。早崎玄武岩はその最も古い痕跡だ。

明治13年の点灯以来、行き交う船の安全を見守る口之津灯台

さらに海岸を離れ、畑の中を進むと高台にある口之津灯台に到着する。高さ7メートルほどのレンガ造りの灯台は1880年(明治13年)に建てられた。当時、福岡県の三池炭坑で採掘された石炭は、遠浅の有明海を大型船が行き来することが難しかったことから、口之津港まで運ばれ、大型船に積み替えられて輸出されていた。130歳を超えて現役の灯台は当時の隆盛を静かに物語る。

港の歴史を伝える口之津歴史民俗資料館・海の資料館

ゴールは歴史的建造物でもある口之津歴史民俗資料館・海の資料館だ。歴史民俗資料館は1899年(明治32年)に長崎税関口之津支庁として建てられた洋風建物。南蛮貿易から現在に至るまでの口之津の歴史を紹介している。「ぜひ訪れてほしいと思い、ここをゴールに設定した」(南島原市商工観光課)という。

◆口之津へのアクセス◆
【東京から】羽田空港から長崎空港まで約2時間、長崎空港からバスで約2時間(諫早駅乗り換え、小浜経由)。【福岡から】博多駅から島原駅まで約2時間40分(特急利用、諫早駅乗り換え)、島原駅からバスで約1時間20分。いずれも乗り換え時間や待ち時間を含まず。

(コース画像は南島原市提供)

■日本人客1位は「別府」、韓国人客は「武雄」

九州全県に計17コースある「九州オルレ」。いずれも個性的なコースぞろいだが、日本人客とオルレ発祥の地からの韓国人客とでは好みが異なるというから興味深い。

九州オルレ コース別 利用実績ランキング
日本人韓国人
1別府 (大分県)武雄 (佐賀県)
2九重・やまなみ (大分県)九重・やまなみ (大分県)
3宗像・大島 (福岡県)唐津 (佐賀県)
4高千穂 (宮崎県)嬉野 (佐賀県)
5奥豊後 (大分県)別府 (大分県)

九州観光推進機構まとめ

日本人客の利用実績1位は大分県の「別府コース」(距離11キロメートル、所要時間3~4時間)。阿蘇くじゅう国立公園を含む自然豊かなコースで、鶴見岳や由布岳の絶景を楽しむことができる。

一方、韓国人客の利用実績1位は佐賀県の「武雄コース」(14.5キロメートル、4~5時間)で、高低差100メートルを超える山道や1300年の歴史を持つ武雄の温泉街をめぐる。コースの途中では、樹齢3000年の2本の大楠(おおくす)にも出合える。

「日本人客は年配の方が多いためか、緩やかで風光明媚(めいび)なコースが選ばれているようだ。一方、韓国人客は山がちなハードなコースを選ぶ傾向がある」(九州観光推進機構)という。

(平片均也)

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