変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

日産自動車は無資格の従業員が完成車の検査に携わっていた問題にからみ、国交省にリコール(回収・無償修理)を届け出る。121万台が対象となり、国内販売やブランドへの影響も避けられない情勢だ。「危機こそ好機」が口癖のカルロス・ゴーン会長はこの問題をどう乗り切るのか。昨年秋、ゴーン氏が社内外の社員の質疑に答えた同氏のリーダーのマネジメント論を再掲、ゴーン氏の課題解決策を読み解く。

――これまでの仕事で、ゴーンさんがもっともチャレンジングな仕事は何だったのでしょうか。

「一般的に、その次の仕事が一番チャレンジングです。過去の実績は、成功すれば簡単だと思えてしまう。みんな忘れてしまうのです。また、同じくらい難しい課題が同時に発生したら大変ですね。たとえば、品質管理のような内部的な問題があるときに、大震災のような外部的な危機が起きたら大変です。そこに自分の健康や家族の事情など、プライベートにも問題が重なってしまったら……。2011年、12年は東日本大震災にユーロ危機など、複数の危機が同時期に発生しました。しかも突然です。すべての課題に最大の時間を費やし、成果が見られるまでやり続けなければなりませんでした」

日産のままで。ただし『成功する』日産に

――これまでに最も厳しかった決断はなんですか。

「『日産リバイバルプラン』(1999年にゴーン氏が策定した日産再建計画)です。いくつかの工場を廃止し、多くの会社を売却しなければなりませんでした。その上、結果にもコミットしなければならなかったのです。従業員に対しても、会社に対しても劇的な変化をもたらしました」

――リバイバルプランの実施にあたり、何を変え、何を変えなかったのですか。

「驚かれるかもしれませんが、私は変化が嫌いなのです。変えなければならないことは、最小限に抑えたいのです。よくなると期待するから変えるのであって、変えることが目的になってはいけません。私は日産のままでいたかった。ただし、『成功する日産』にしたかったのです」

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック