乃木坂46、ももクロ… アイドルのソロが盛んなワケ

女性アイドルのソロ活動が活発化している。最近はグループとは違う一面を積極的に見せることで、旧来のファン以外へもアピール。グループや個人の新たなファン層を開拓する好機となっている。どんなジャンルに注力するかは、所属するグループによって違うようだ。

国内だけで300人以上のメンバーが所属するAKB48グループは、幅広いジャンルでソロ活動を展開する全方位型。初劇場公演から11年目に入り、キャリアを重ねたメンバーが“大人の女性”を印象付ける活動が目立つ。23歳の指原莉乃は写真集『スキャンダル中毒』(講談社)で美脚と美尻を大胆に披露。女性誌『an・an』(マガジンハウス)のSEX特集号でも下着姿で表紙を務めた。最近では渡辺麻友がトヨタ「クラウン」のCMに舞妓姿で出演している。

欅坂46もモデル業に注力

『べっぴんさん』月~土/8時/NHK

乃木坂46と欅坂46の「坂道シリーズ」は、クールなビジュアルを生かして女性誌モデルとして活動するメンバーが多く、同性ファンの獲得に成功。4月に行われた「GirlsAward 2016 SPRING/SUMMER」では専属モデルを務めている白石麻衣ら乃木坂46の5人だけでなく、今年デビューしたばかりの欅坂46から土生瑞穂が初ランウェイ。10月8日に国立代々木第一体育館で開催された「GirlsAward 2016 AUTUMN/WINTER」でも乃木坂46のメンバーに加えて、欅坂46から土生のほか小林由依、平手友梨奈、渡邉理佐がモデルとして出演した。

また、男性ファンにとって見逃せないソロ活動もある。それが写真集だ。特に乃木坂46の場合、コミック誌などでグラビアを飾ることの多いAKB48グループとは違い、メンバーが水着姿を披露するのは、ほぼ写真集のみ。これもグループとは異なる顔といえる。

ももいろクローバーZや私立恵比寿中学が所属する、スターダストプロモーションのアイドルは、柴咲コウや北川景子ら多くの女優が所属している事務所という強みから、ソロで映画やドラマに出演するメンバーが多い。特に注目されているのが、10月3日からスタートしたNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』に出演している、ももいろクローバーZの百田夏菜子。第一線で活躍する現役の女性アイドルが、朝ドラに重要な役でレギュラー出演した例は過去にはない。高視聴率も見込まれ、中高年など、幅広い層へアピールするだろう。

一方、ハロー!プロジェクトは、2000年代初頭はモーニング娘。の初期メンバーの出演ドラマなどがあったが、最近はグループとしてのライブ活動が中心で、ソロ活動は控えめ。ソロ写真集の発売は多いものの、新たな一面を見せる活動は決して多くはない。

高山一実は小説に挑戦

最近の新たなアイドルのソロ仕事として目立つのは、単なる日記ではなく、文学の香り漂う文章を執筆するメンバーが増えていることだ。NMB48の須藤凜々花は、哲学への関心が高いことをグループ加入時から個性としてきたが、2016年3月には政治社会学者・堀内進之介との共著で哲学本『人生を危険にさらせ!』を出版した。

乃木坂46の高山一実は、『ダ・ヴィンチ』5月号から長編小説『トラペジウム』を隔月連載している。「高山さんの文章は女性キャラクター同士の関係性やファッション描写など、若い女性ならではの目線と表現力が最大の魅力。ファンの方からは、『普段は本は読まないけど小説が楽しいと初めて知った』と感想が届く一方で、『高山さんは初めて知ったが、言葉選びが面白くてクセになる』という反響もある」(『ダ・ヴィンチ』編集部)。

ソロ活動で新たなジャンルに挑む人は、今後も増えていきそうだ。

(日経エンタテインメント! 伊藤哲郎、ライター 高倉文紀)

[日経エンタテインメント! 2016年11月号の記事を再構成]

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