東進ハイスクールの原点、ラ・サールにあり永瀬昭幸・ナガセ社長が語る(上)

この時の経験から、私は、子供を早い時期から特訓することはよいことだと思っています。ナガセが現在、中学受験塾の四谷大塚を経営しているのも、この私自身の経験と信念に基づいています。

通学手段はフェリーだった。

家が、鹿児島湾をはさんで鹿児島市の対岸の垂水市だったので、ラ・サールには6年間、フェリーで通っていました。フェリーに乗って1時間、さらに港から自転車をこいで30分。往復3時間以上かかりました。フェリーに乗り遅れると、次の便まで1時間待ち。ラ・サールには立派な寮があり、寮生も大勢います。通学時間ゼロの彼らと比べると、本来は大きなハンディでした。

しかし、フェリーの中は、私にとって一番勉強がはかどる場所でした。フェリーで通勤するサラリーマンの中には、父の教え子もたくさんいて、みんな私がどこの誰だか知っています。よく声も掛けてもらいました。高校の先生の息子が、フェリーの中で勉強もせずにボーっとしているわけには行きません。親の顔に泥を塗らないよう、フェリーの中ではずっと勉強していました。

特に勉強がはかどる場所は、テレビの横の席。乗客はだいたい、船内でテレビを見ているので、テレビの横にいると、あたかも全員の視線が私に注がれているような感じになります。サボれないという気持ちが一層強くなり、集中力が高まりました。こうして、遠距離通学のハンディをプラスに変えたのです。

6年間、修道士が教える倫理の授業があった。

「倫理の授業を通じてマクロの視点から判断する習慣が身についた」と話す。

ラ・サール学園はカトリックの修道会が建てた学校なので、「倫理」の授業も、聖書がベースとなっています。

ラ・サールの卒業生なら誰でも知っているラベル先生というカナダ人のブラザー(修道士)がいて、彼の授業が非常に印象に残っています。

聖書がベースなので、当然、宇宙はどうやって創られたかといった話が出てきます。そして、宇宙は創造主である神が創ったという話になるのですが、私も含めてほとんどの生徒が仏教徒ですから、みんな「カトリックの言いなりになってたまるか」と腹の中で思いながら聞いているわけです。

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