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売れるか新型「プリウスPHV」 エコカー新潮流占う

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まもなく2代目となる新型プリウスPHVが発売される。ハイブリッド車(HV)として一時代を築いたプリウスだが、PHV時代も世界をリードすることができるのか。自動車ジャーナリスト、小沢コージ氏が読み解く。

目標台数、実に10倍以上!

「小沢さんにはお教えしましょう。新型『プリウスPHV』の販売目標は100万台です。現行は7万5000台でしたけど」

いま、プラグインハイブリッド(PHV)という新しいエコカーが話題を集めている。いや、集め始めているといったほうが正しいのかもしれない。この英頭文字でPHV、あるいはPHEVと呼ばれる新しいエコカーが日本で正式に発売されたのは、2012年発売の現行トヨタプリウスPHVと三菱「アウトランダーPHEV」が最初。だが、冒頭の新型プリウスシリーズのチーフエンジニア、豊島浩二氏の言葉にもあるように、現行プリウスPHVの累計販売数は約7万5000台。当時の「プリウス」シリーズ全体のざっと数パーセントにすぎなかった。

ところが今冬発売が予定されている新型、2代目プリウスPHVの目標台数は100万台。プリウスシリーズが旧型同様一世代あたり250万台は売れると仮定すると、4割近くがPHVになるわけで、これはすごい。地域にもよるが、プリウスのおよそ2台に1台ぐらいがPHVとなる計算になる。

ビックリするほどのドイツプレミアムPHV攻勢

PHVことプラグインハイブリッドを改めて解説すると、走行用バッテリーの搭載量を増やし、半分電気自動車(EV)としても使えるようにした進化型ハイブリッドカー。充電用プラグを備えており、だからプラグインハイブリッドと呼ばれる。

実はいま、日本ブランド以上に欧州の、特にドイツのプレミアムブランドがPHVモデル数を増やしてきている。それも日本とは少し違う経緯で導入し始めているのだ。

具体的には2015年9月に上陸したフォルクスワーゲン「ゴルフ」ベースの新型PHV「ゴルフ GTE」を皮切りに、アウディが「A3スポーツバック e-tron」、ポルシェが「カイエン SE ハイブリッド」「パナメーラ SE ハイブリッド」を発売。2016年に入ってからもメルセデス・ベンツが「C350e」、BMWが「330e」「225xe アクティブ ツアラー」「X5 xドライブ40e」、VWが「パサート GTE」を発売した。その数、実に10車種以上であり、現状日本がプリウスPHVやアウトランダーPHEVぐらいしかないことを考えると一見して勢いの差は明白だ。

だがドイツ勢の特徴は、搭載電池少なめの、常にガソリンを必要とする普通のハイブリッドの時代を経ず、いきなり電池多めのPHVとなって登場したことで、その本質はEV化に近い。

結果どうなるかというと、価格が飛び抜けて高く見える。例えばドイツ系PHVは最も安いゴルフGTEでも税込み469万円。絶対的に値段が高いうえに、一番安いガソリン版ゴルフが249万9000円だから、電動化代は装備差や走行性能差を考慮に入れないとざっくり200万円以上。よって現状日本でも爆発的には売れていない。

一方、普通のハイブリッドで世界的競争を20年近く繰り広げていたトヨタは、プリウスを国内で250万円弱スタートで売っている。要するにHVやEVなど電動化したクルマの価格競争力は、おそらく日本が最も高い。よってそれをベースにするPHVも安くなることが予想できる。事実、プリウスPHVはまだ価格未公表だが、国内で300万円ちょっとで発売されると目されているのだ。

つまりゴルフ GTEよりも100万円以上安いわけで、そうなるとプリウスPHVは確かに強い。よってPHV時代になっても日本ブランドは安心だし、世界的にもドイツブランドよりも売れると一瞬考えがちだが、話はそう簡単でもない。

新型プリウスPHVが売れそうな理由

閑話休題。なぜトヨタが、新型プリウスPHVの販売目標を100万台とし、次世代エコカーの本命と考えるかというと、まずはその圧倒的な性能の飛躍ぶりにある。

現行のプリウスPHVがあまり売れなかった理由に、EVとしての性能と、スタイルの課題があった。2012年の登場時、価格は320万円とノーマルプリウスより115万円も高く(後に300万円弱に値下げ)、電池搭載量が4.4kWhと少なく、フル充電状態からモード走行をしても26.4kmしか走れない。さらに見た目は一部エンブレムを除いて、ノーマルプリウスとほぼ変わらなかった。電池増し増しのPHVモデルとしての差別化があまり図られていなかったのだ。

それと比べると、新型はまずスタイルがノーマルプリウスとは全然違う。フロントマスクはライトが4連LEDのシャープなものになり、リアにもハイテク軽量素材の「炭素繊維強化プラスチック(CFRP)」を使ったバブルバックウインドーを採用。特別感があり、ノーマルよりカッコ良いという意見も多い。

さらに走行性能だ。そもそも新型PHVは、ベースのプリウスが新世代プラットホームの「Toyota New Global Architecture(TNGA)」を採用して乗り心地やハンドリングも良くなってるうえ、電池量を倍増させて8.8kWhも搭載。結果、モード燃費で60km、実走行でも50km前後はEVとして走れるだろう。

またテストコースで乗った限りだが、加速は新たにデュアルモータードライブシステムを採用してノーマルよりよく、車重が増えた分、乗り心地はしっとり。ついでに充電が切れたハイブリッド状態での燃費性能は上がってるし、オプションでルーフソーラーパネルを付けると夢の自給自足式エコカーにもなる。確かに現行型とは相当違う魅力的なPHVなのだ。

ポイントは価格と航続距離と補助金政策

しかし、だからといって日本以外の国でも爆発的に売れるとは限らない。それはPHVやEVは基本的に国の環境対策の一つであり、補助金に大きく左右されるからだ。

例えば世界的なVWスキャンダルにも影響されたのか、今後車両の電動化に力を入れると決めたドイツは、2016年7月に本格的な補助金制度をスタートさせた。2019年までにEVやPHV他を30万台以上販売する計画で総額1200億ユーロ(約1兆3000億円)も捻出。具体的にはEV1台につき4000ユーロ(44万円)、PHV1台に3000ユーロ(33万円)出す。そのうえ、欧州は2021年から厳しいCO2排出の企業平均燃費(CAFE)も始まる。それを見込んでいるからこそ、数多くのドイツプレミアムブランド製PHVが出ているのだ。

はたしてドイツの政策に、今後発売されるプリウスPHVがどこまで合致するかは分からない。単純に考えると、もともと安いPHVが補助金によってさらに安くなるわけだから爆発的に売れる。だが、ドイツはVWやメルセデスやBMWを応援したいはずなのだ。

一方、トヨタのお膝元である日本においても、プリウスPHVが本当にブームになるかは発売されてみないと分からない。充電すれば一定距離EVとして走れるからといって、300万円以上のクルマが何十万台も売れるのか?

鳴り物入りで発売されたピュアEVの日産「リーフ」は今、日本で月1000台ほどしか売れていない。当初、77万円レベルの補助金が出たのにそうなのだ。

もちろんプリウスPHVはそもそも手頃だし、メジャー感はあるし、減ったとはいえ補助金も10万円程度は出る。とりあえずPHVの波の行方は年末に出るプリウスPHVの売れ方次第。ここを乗り越えればイッキにエコカー=PHV時代が見えてくるはずだ。

小沢コージ
自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、『ベストカー』『時計Begin』『MonoMax』『夕刊フジ』『週刊プレイボーイ』、不定期で『carview!』『VividCar』などに寄稿。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)など。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

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