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旅・風景

砂漠の高地は天体観察に最適 塩湖や間欠泉も チリ

日経ナショナル ジオグラフィック社

2016/11/11

ナショナルジオグラフィック日本版

最近では世界旅行の幅がずいぶん広がってきましたが、家族や友人、恋人などの大切な人と至福のときをどう過ごしたらいいかを企画するのは意外に難しいもの。そこでナショナル ジオグラフィックが多数あるリゾートの中から、一定期間滞在してゆっくりと過ごすのにふさわしい、魅力的な旅先とステイ先(滞在先)をご紹介します。
ロス・フラメンコ国立保護区にあるミスカンティ湖。(Photo:Courtesy of the Alto Atacama Desert Lodge & Spa)

米航空宇宙局(NASA)が火星探査機バイキング1号と2号の実験を行ったのは、チリのアタカマ砂漠だった。人類が誕生して以来、ここに雨らしい雨が降った記録はない。12万年の間、河床には一滴も降っておらず、地球上でもっとも火星に似ている土地であることから、探査機の実験場に選ばれた。「月の谷」の夕日は私たちが見慣れている夕日ではなく、サテライトが観測するような“宇宙的”な夕日と言える。そもそも「月の谷」という名前自体、地球の景色からかけ離れていることを表している。

アタカマ砂漠は標高2000メートルから6000メートルもあるので、空気が非常に薄く、慣れるのに時間がかかる。しかし湿度も光害もないので空は澄んでおり、天文学者が天体観察に集まる。地球のどこよりも星が近くに見える場所なのだ。信じがたいことに旧石器時代にはアンデス文明がこの地で栄えた。人口2000人程度のこの地域の主要な町、サンペドロ・デ・アタカマには考古学博物館がある。

荒れ地としか呼びようのないこの世離れした砂漠を訪れるのは、よほどタフな人か、宇宙や天文学マニアばかりだろうと思うのは大きな間違いだ。これほど極端な土地はあまりないだろうが、“究極のバカンス”とは愛を試すものであり、これから先に遭遇する喜びや試練を極彩色で予告するものだ。

喜びは、ふんだんに見つけられる。信じられないほど美しい景色が、蜃気楼のように渓谷の彼方や山の頂き越しに現れる。世界で3番目に大きい塩湖であるアタカマ塩湖に行くと、薄い水たまりのあちこちにクリスタル状になった塩分が積み上がっているのが見られる。ピンク色のフラミンゴが何千羽もいるし、トカゲやラマも見かける。ここに順応した数少ない動物だ。アタカマ砂漠を徒歩、馬、自転車でトレッキングすれば、ありとあらゆる色をしたシュールな岩石層、高く噴き上げる間欠泉など驚くべき自然現象を見ることができる。

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