入り口からわくわく、SNS映えする仕掛けありの店

「THE PUBLIC SIX」店舗外観。巨大な木造船のようにも見える不思議なたたずまい
「THE PUBLIC SIX」店舗外観。巨大な木造船のようにも見える不思議なたたずまい

インスタグラムなどのSNSでは、飲食店や料理は常に話題になっていますね。SNSで見かけたお店に行ってみるということも多くなったのではないでしょうか。そのせいか、見栄えのインパクトや美しさを重視したメニューが登場するなど「SNS映え」が飲食店にとっても大きな要素になってきました。今回ご紹介するのは、インパクトのあるお店の中でも、特に入り口付近に特徴があるお店。入る前から驚きがあり、もちろん味にも満足できるおすすめの3店をピックアップしました。

暗闇に浮かぶ青いドア、奥にはさらに階段

東急東横線・東京メトロの中目黒駅から徒歩約1分、ドアノブに手を伸ばすのを躊躇(ちゅうちょ)してしまうような青いドアが。まるで飲食店の従業員用の入り口のような無機質なドアは、本当にここでいいの? と再確認したくなる雰囲気を漂わせています。勇気を出してえいっとドアを開けるとその奥には怪しい階段が。少し不安になりつつ歩を進めた先にあるのが、鴨料理を提供する「なかもぐろ」です。

鴨料理「なかもぐろ」外観(写真左)。別の店舗の裏口のようにも見えるが、入り口。看板も足元のあんどんと、右上にある小さいスチールのプレートだけ。鴨と茸の美肌鍋:コース4000円(写真右、2人前)は前菜盛り合わせ、彩り野菜の自家製ディップ、鴨の串焼きにデザートも付く

運営会社のエー・ピーカンパニー 広報の彦坂真依子さんによると、飲食店を運営するために取得した物件の1階には同社の居酒屋「塚田農場」をオープンさせ、2階は鴨料理のお店をと考えていたものの、鴨の品質へのこだわりや料理の完成度を高めるために約1年を要したそうです。その後、店舗をオープンする際に今の青いドアが完成したそうで、特に分かりにくいお店を狙ったわけではないそうですが、実際に来店時に迷う人も多いとか。お店にもふらりと通りかかって入店するというパターンは少なく、お料理の情報を知って訪れる方が多いそうですが、こんな入り口だからこそ余計に好奇心がかき立てられます。

店内では山形県最上郡の自社鴨舎で育てるブランド鴨「最上鴨」のさまざまな部位を使ったメニューを提供。「最上鴨は米どころ山形の飼料米を食べているため、甘みが感じられます。鴨は脂の融点が14~16度と低く、手のひらでも溶けるぐらいなので、脂残りがなくさらりとお召し上がりいただけます」(彦坂さん)

秘密基地のような大きな扉の向こうにはスタイリッシュなパブ

東京メトロ・都営地下鉄の六本木駅から芋洗坂を下ると、ヴィンテージ・ウッドの巨大な壁面に、2つの目のようにも見える楕円形のガラス窓の建物が現れます。窓と窓の間には実に高さ3メートルはあろうかという自動扉。左右に開くと入ることができるのが、ガストロパブ&スポーツバーの「THE PUBLIC SIX」です。

この店舗をデザインしたのはGLAMOROUS co.,ltd.の森田恭通氏。森田氏によると、シンボリックなガラス窓は、店内のゲストには外の様子がほどよく見えるよう演出し、通りからは店内の活気を感じられる構造になっていながらも、お互いの視線が合わないように計算されているとか。店内に滞在している人には心地よく、これから訪れる人へは期待感をあおるような演出です。無機質なビル群のはざまに突如現れる異質な外観は、思わず写真に撮ってSNSにアップしたくなります。

料理は六本木という土地柄、来る2020年の東京オリンピックへのカウントダウンを念頭に、日本文化に根差したメニューを展開。厳選した国産食材を使って代表的なパブメニューをアレンジして提供しています。外観だけでなく料理にもこだわりが随所に感じられ、ちょっとした異空間に来たような感覚が味わえます。

「THE PUBLIC SIX TOKYO」茨城 美明豚ジンジャーポークチョップ(1800円)など、日本各地の厳選食材を使ったお酒に合うメニューが多彩に取りそろえられています

座席はソファー席やスタンディング席が楽しめます。店内には印象的な鹿の剥製が配されているシックなパブですが、スポーツ中継のある日には剥製を動かし、大型モニターで観戦できるようになっています。

本棚の向こうに広がるのは壁一面ウイスキーの世界

東京メトロの表参道駅から歩いて3分、ツタに覆われた建物の2階に上ると、背の高いガラスのドアにたどり着きます。中に入るとまず本棚があるのですが、それも実は扉になっていて、奥にはなんとウイスキー1000種類超をそろえるバー「TOKYO Whisky Library」の世界が広がっています。店内には3メートル以上ある高さの壁上部までウイスキーボトルがぎっしり並んでいて、まさに壮観!

「TOKYO Whisky Library」はこんな入り口。同じ敷地内には教会もあり、クラシックな気分にも浸れます

オーナーがポートランドにあるウイスキーライブラリーに感銘を受け、構想2年をかけた後、2016年10月3日にオープンしたばかり。

「日本ではウイスキーバーというと閉鎖的なイメージを持つ方もいらっしゃいますが、東アジアなど海外ではもっと気軽に若者や女性も楽しめるものなのです。エンターテインメント性も兼ね備えたウイスキーバーをオープンしたかったということで、ライブラリーのようにウイスキーを陳列しています」(TOKYO Whisky Library 広報担当の関早保子さん)

ラインアップはスコットランド産のウイスキーが半数以上を占めていますが、他にアイルランド、日本、アメリカなどのクラフトもそろえています。今後も約1年をかけてさらにアイテムを増やし、1500種まで充実させる予定だとか。どんなウイスキーが好みかを知ることができるように、国別、地域別、ヴィンテージ違いなどで飲み比べできるテイスティングフライトのセットもあります。

店内では料理もいただけますが、ウイスキーに合わせて作られたオリジナルのチョコレートはぜひ試してみて。ビーン・トゥ・バー チョコレートの専門店として人気の富ケ谷の「Minimal」が作った、ここでしか食べられないチョコレートは山崎、メーカーズマーク、マッカラン、ボウモアに合わせて作られており、そのマリアージュを楽しむのがおすすめです。

それぞれが個性的な特徴を持つお店ばかり。ぜひ実際に訪れて、体験してみてはいかが?

[DATA]
なかもぐろ    https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13188190/
THE PUBLIC SIX  http://www.bagus-99.com/public6/
TOKYO Whisly Library  http://tokyo-whisky-library.com/

※価格は特記がない限りすべて税別です。

(取材・文 GreenCreate)

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