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伝説のスポーツカー「アルピーヌ」復活 2018年にも

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日経トレンディネット

ルノー傘下のスポーツカーブランドとして知られるアルピーヌは2016年10月11日、新型モデルのコンセプトカー「アルピーヌ・ヴィジョン」を日本で初披露した。これは2016年2月16日にルノーがアルピーヌ・ブランドの復活を発表した際にフランスで発表していたモデルだ。

アルピーヌはもともと、ルノーの販売店を営み、レーシングドライバーとしても活躍したジャン・レデレ氏が1956年に創設した自動車メーカーだ。伝説的なラリーカー「アルピーヌ A110」など、数々のスポーツカーを世に送り出し、フランスモータースポーツの一時代を築いたことで知られる。初号モデル「A106」のベースはルノー「4CV」で、以降もルノー車との関わりは深く、1973年には同社の傘下に収まっている。1995年に高級スポーツカーであるアルピーヌ「A610」の生産終了と共に、表舞台からは姿を消していたが、今回のアルピーヌ・ヴィジョンでついに復活するというわけだ。

今回のコンセプトカーをベースに2017年には市販車を生産し、欧州市場で発売、翌2018年上期には日本で発売する予定だという。欧州以外では日本が最初の導入国となる。

ひと目で分かる"アルピーノらしさ"

アルピーヌ・ヴィジョンは、究極のスポーツカーを目指しているという。2シーターのライトウエイトスポーツカーで、車両中央部に搭載したエンジンにより後輪を駆動するミッドシップレイアウトを採用。パワーユニットは専用に開発された直列4気筒ターボエンジンだが、排気量はまだ未公表、組み合わせるトランスミッションはDCTだ。エンジンスペックは不明だが0-100km/h加速は4.5秒以下を実現させるという。また高い運動性能を発揮できるように、強力なブレーキも備えている。

スタイルは、往年のアルピーヌの名車A110のモチーフなどを積極的に取り入れながらも現代風。ファンならひと目でアルピーヌと分かる美しいデザインで、走りの軽快さとエレガントさを表現しているという。

インテリアはレザー、マイクロファイバー素材、アルミ、カーボンを採用したスポーティーな仕上がりで、シートはレースのように透けて見えるバケットタイプとなるが、レザー表皮にはダイヤモンドステッチを施すなど上品さも特徴だ。ダッシュボードには先進的な液晶メーターやタブレットなど先進的なアイテムを装備。クラシカルなスポーツカーテイストと現代のクルマの快適性を巧みに融合していると感じた。

価格はポルシェ「911」よりかなり手ごろ?

市販モデルの生産はアルピーヌと、ルノーのスポーツカー部門であるルノースポールの故郷、仏ディエップで行われる。年間の生産台数は1000台以上1万台以下という。また現時点では欧州以外で販売が決まっているのは日本だけ。

日本が欧州以外で最初の導入国になったのは、これまでのアルピーヌモデルの販売実績と、熱心なファンが存在するためだという。また、ライトウエイトスポーツカーが好まれる市場であるというのも理由の一つだ。

ただし、販売店はルノーの店舗から選ばれた数店舗にとどめるという。エリアや数、その後の店舗展開などについては未定だ。

来日したアルピーヌ・マネージング・ディレクター、マイケル・ヴァン・デル・サンデ氏によれば、「似たようなスポーツカーはいろいろあるが、高い性能を持ちながら、日常でも使えるクルマは他にはないと考えている。価格は未定だがプレミアムカーとしては現実的なもの」だという。価格はポルシェ「ボクスター」以上、「911」以下かと尋ねると、「ポルシェ911と似た性能を持ちながら、価格は911よりずっと手ごろとなる」とサンデ氏。

現在、ボクスターは600万円台から、911は1300万円台からがエントリー価格となる。つまりアルピーヌ・ヴィジョンの価格は1000万円以下となるのではないだろうか。まずは来年早い時期に明らかになる欧州での価格に注目したい。

(ライター 大音安弘)

[日経トレンディネット 2016年10月20日付の記事を再構成]

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