出張や旅行に即買い たためる普段使いのバッグ3選
携帯に便利 パッカブルな逸品たち(3)
この秋のファッションシーンでは、小さく折り畳んで収納できる(=パッカブル)アイテムの発売が例年に増して目立っている。パッカブル製品の1番のメリットは持ち運びしやすい点で、カバンに常備しておいて必要なときに使えることから、旅行や出張などの外出時に重宝する。今回は荷物が増えたときに活躍するパッカブルバッグにフォーカスした。パッカブルといえどもエコバッグのような簡易的な作りではなく、最近はメーンバッグとして使用できるほど凝ったデザインのものが増えている。
タウンユースでの需要も高まっている
パッカブルバッグとは、小さく折り畳んで収納できるカバンのこと。その多くがバッグ本体のポケットに収納できる設計になっており、コンパクトで邪魔にならず、使いたいときにサッと取り出せる。旅行や出張の際、キャリーケースやボストンバッグに忍ばせておけば、お土産が増えても安心だ。また、冠婚葬祭などでも荷物をひとまとめにできるので便利。
以前から発売されているアイテムだが、最近にわかに注目度が増しているという。
「クラッチバッグが定番となり、少量の荷物で出かける人が増えました。ただそんな日にお土産や貸していたモノを渡されたとき、クラッチバッグともう一つ荷物を持たなくてはなりません。このような状況において、パッカブルバッグは画期的な解決策となります」(エース 商品企画部 南谷誠氏)
休日の外出には財布やスマートフォンといった必要最低限の荷物を、クラッチバッグやボディーバッグなどミニバッグに入れて持ち歩く男性は多い。そこで、ショッピングで増えた荷物を入れるのにパッカブルバッグが大活躍。トラベルシーンだけでなく、休日のタウンユースでの需要も高まったことから人気が上昇したものと思われる。
こういった背景から、今年はタウンユースを意識したモデルが続々登場。
「今までは安価なイメージが強かったパッカブルバッグですが、今年はドレス感やクラス感を取り入れた商品が特徴です」(南谷氏)
パッカブルバッグは収納時にかさばらないよう薄手で柔らかな生地で作られているため、エコバッグのようにどうしても安っぽいイメージがあった。しかし今年は各メーカーから、メーンでの使用にも対応する凝ったデザインのものがリリースされている。
今回はそんなパッカブルバッグをピックアップした。定番のトートタイプのほか、アウトドアブランドのリュックや大容量のボストンなどサイズや形状もさまざま。手のひらサイズにたためるとは思えない注目のパッカブルバッグを紹介しよう。
F.CLIO/メーンバッグとして活躍する高級感を持つトート
国内有数のバッグメーカー、エースが展開するブランドのF.CLIOからは、パッカブルとは思えない高級感のあるトートバッグが登場。
「パッカブルと聞くとエコバッグや旅行時に持っていくお土産バッグを想像する方が多いと思います。しかし機能的には画期的なため、きっと日常でおしゃれに使いたい人もいるはずだと考え、ゆとりある大人のためのパッカブルトートをオーダーしました」(南谷氏)
パッカブル仕様であることを強調しないようにデザインされており、ボンディング加工を施したリモンタ社の生地を使用し、フロントポケットなど随所にレザーを取り入れることで高級感を演出している。
通常のパッカブルバッグに用いられる薄作りではなく、生地にコシがあるためカバンが自立するのも特徴だ。また、生地自体に独特のシワ感があり、それがデザインとして利いているため、折り畳んでもシワが気にならないのもうれしい。パッカブルとは思えないしっかりとした作りだが、裏地がないのでコンパクトに畳んで収納できる。
同ブランドは、1983年創設のイタリアPELLETTERIA CLIO社にて作り出されるハンドメイドの上質なバッグブランド。洗練されたビジネスバッグも人気が高く、そういったブランドイメージを反映した、メーンで使える次世代のパッカブルバッグといえるだろう。
「デザインがシンプルなので、年齢を問わず手に取っていただけます。特に長期出張に行かれる方が興味を持たれることが多いです」(南谷氏)
カリマー/軽登山からタウンまで使える高機能リュック
パッカブルアイテムはアウトドア用品がルーツ。現在も、ベースキャンプから頂上を目指す際に使用する登山用のアタックバッグなどは、パッカブル仕様になっているものが多い。
カリマーから発売されている「マースデイパック」は、そんなベースキャンプからのアタックだけでなく、キャンプやタウンでも使うことのできる良デザインのパッカブルリュックだ。
「トレッキングをされる方から、お子様がいるママまで幅広い層から支持されております」(カリマージャパン/エスビーエイ 商品担当)
人気の理由は"パッカブルのリュック"というだけでなく、トレッキング仕様のため高いフィット感と充実の機能を備えている点にある。
世界中のクライマーから支持される英アウトドアブランドの商品だけあって、S字シェイプのハーネス&簡易的なヒップベルトにより背負い心地も抜群。両サイドにコンプレッションを採用し、しっかり荷物を支え、バッグ内の荷物が動かない設計が施されている。さらにペットボトルが入れられるサイドポケットを搭載し、背面には通気性のよいメッシュを設けるなど、パッカブルでありながら機能も十分。
写真のオレンジのほか、ブルーやマジェンタ、使い勝手のいいオールブラックをラインアップ。使用シーンや服装に合わせて選べる豊富なカラーバリエーションもうれしい。
「弊社オンラインストアでは前年比約130%」(商品担当)と売り上げも好調に推移しているという。
ミレスト/旅行好き必見の大型ボストンバッグ
EVERYDAY TRAVELをキーワードに、"毎日を旅するように暮らしたい"大人へ向けたトラベルブランドのミレスト。その主力商品は、他に類を見ないパッカブル仕様の大容量ボストンバッグだ。
トラベルはもちろんのこと、日常生活での使いやすさと持ちやすさも追求しているのが特徴。バッグ全面に迷彩柄をプリントするなど、デザイン性にもこだわっていることがひと目でわかるだろう。
小型キャリーケース1台分以上の45リットルという大容量で、しっかり収納力を確保しながら飛行機内に持ち込めるサイズにこだわって設計されている。耐荷重60kgというタフな作りも魅力で、荷物が重くても持ち運びしやすいようにハンドルが長短2本付いているのも見逃せない。ファスナーの引き手には、旅先で荷物を預ける際に南京錠がかけられるようにリング状のオリジナルパーツを使用。カラーバリエーションも多く、無地4色(各4000円)、柄物3色(各4500)で男女問わず持つことができる。
「旅行の機会が多い男女、特に30~50代の方に支持されています。また、20代後半~30代後半の方は旅だけでなく、ビジネスやスポーツシーンでの日常使い用のバッグとしてご購入される方も多いです」(ミレスト/イデアインターナショナル PR担当)
旅行好きで、特にショッピング目的やお土産を大量に買う傾向にある女性は即決で購入していくそうだ。また、資料やPCなど仕事道具の多いビジネスパーソンや、ジム通いやフットサルなどを趣味に持つ人からも人気が高いという。
良デザインのパッカブルバッグは一台二役
以上、注目のパッカブルバッグを3つ紹介した。コンパクトに折り畳める作りといえども、いずれもエコバッグとは似ても似つかないデザイン&機能を持っていることがわかったはずだ。最近のパッカブルバッグはトート、リュック、ボストンとさまざまな形状のものが発売されているので、自分の使用シーンに合わせて選ぶことができるのもうれしい。
パッカブルバッグはトラベルシーンで活躍することは間違いない。ファッション性も高いので普段使い用のバッグとして購入し、旅行の際は小さくパッキングして持って行くのが賢い使い方といえるだろう。一台二役のパッカブルバッグは買って損なし!
第1回 仕事で好印象「シワにならないジャケット」が売れている
第2回 かばんに常備で傘代わり 人気のたためるアウター3選
第3回 出張・旅行向けに即買い 普段使いのたためるバッグ
(ライター 津田昌宏)
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