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「半生感」がプレミアム グリコのエキナカ土産

日経トレンディネット

2016/10/29

「Bitte<TOKYO FUSION>(ビッテ トーキョーフュージョン)」(8枚入り、1000円)。東京駅の駅ナカで販売
日経トレンディネット

江崎グリコ(以下、グリコ)は2016年10月1日、エキナカで土産物店やコンビニエンスストアを運営するJR東日本リテールネットと共同開発したチョコレート菓子「Bitte <TOKYO FUSION>(ビッテ トーキョーフュージョン)」を東京駅限定で発売した。

「東京は世界中から多種多様なモノが集まる都市」というコンセプトのもと、世界各地から選んだ素材を使用。フランス産の岩塩と米国産のアーモンドを使用したビスケット生地でクリームをサンドし、ガーナ産のカカオを使用したチョコレートでコーティングしている。食べやすく配りやすい個包装タイプで、グリコは「帰省土産だけでなく、東京駅近郊で働く人のちょっとしたお土産としても使ってほしい」と話す。

クリーム部分はオーストラリア産のクリームチーズ、タイ産のパイナップル、北海道産の生クリーム、ジャマイカ産のラム酒を混ぜ合わせている

■“高級ポッキー”の成功を東京駅でも

今回のプロジェクトは、2020年の東京五輪に向けて新たな東京土産を開発したいJR東日本リテールネットが、2012年に大阪の百貨店限定からスタートした“高級ポッキー”「バトンドール」をヒットさせたグリコに声をかけたのがきっかけ。JR東日本リテールネットの三橋正一取締役は「我々もこういう商品をずっと作りたかった」という。

一方、グリコ側のメリットも大きい。エキナカという新たなマーケットに参入できるだけでなく、「ビッテ」という既存ブランドの限定品なので、既存ブランドの認知度も高められるのだ。

ビッテは2012年秋に「コーヒーに合うチョコレート菓子」として発売された。トーキョーフュージョンと同じくクリームを挟んだビスケットをチョコレートコーティングした構造で、現在は2商品が販売されている。メーンターゲットは大人の女性だ。

定番の「ビッテ ミルクショコラ」(6枚入りで240円)はチョコレートビスケットの間にチョコレートクリームを挟み、チョコレートでコーティングしている

しかし、開発にあたっては「ビッテありきだったというわけではない」とグリコのチョコレートマーケティング部 小林正典部長は話す。「どんな菓子にするかはゼロから議論した。ポッキーを応用することも検討したが、複数の層で構成しているビッテならいろいろな要素が詰め込めると考えた」(小林部長)

■トーキョーフュージョンは“半生”だった!

定番のビッテと東京駅限定のトーキョーフュージョン。構造だけ見るとそっくりだが、食べ比べると食感がまるで違うのに驚く。

まず定番のビッテから感じるのは「ザクザク感」。同じようにビスケットでクリームを挟んでいるが、ビスケットもしっかり焼き上げられているので、チョコレートクッキーに近い感覚だ。

一方、トーキョーフュージョンを試食した際に感じたのは「ふんわり感」。ビスケットがしっとりと柔らかく、間に挟まれたクリームも濃厚で食べ応えがある。

それもそのはず、トーキョーフュージョンは半生タイプなのだ。それは賞味期限に表れており、定番のビッテが製造から1年なのに対し、トーキョーフュージョンは3カ月と短い。「コンビニなどには賞味期限が短い商品は置けないが、今回はお土産品なので半生タイプにも挑戦できた」とグリコの広報は話す。

トーキョーフュージョンの断面。生クリームはラム酒が香る大人の味わい

■「半生感」をアピールできるか

トーキョーフュージョンの発売に合わせ、東京駅構内では大々的に広告を展開。「『東京だけの特別なビッテ』をうたい文句に、東京土産ナンバーワンを目指す」とJR東日本リテールネットの三橋取締役。

ポスターは3種類を用意。発売から約1週間、集中的に宣伝して認知を図る

東京駅のお土産人気トップといえば、バナナ味のカスタードクリームをスポンジで包んだ「東京ばな奈『「見ぃつけたっ』」で、生菓子のような滑らかな食感が特徴。価格は8個入りで約1000円と、トーキョーフュージョンと同等だ。トーキョーフュージョンは“半生感”を店頭や広告でどこまでアピールできるかが、人気土産の仲間入りのカギになりそうだ。

(ライター 樋口可奈子)

[日経トレンディネット 2016年10月12日付の記事を再構成]

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