引っ越さずに広く住む レンタル収納活用で賢く節約
レンタル収納サービスは、自宅の荷物や衣類を外部に有料で預けられるサービス。最近はネットで荷物の出し入れができる低料金タイプなどが登場し、内容は様々。料金体系やサービスの特徴を知って、ニーズに合ったものを選びましょう。
収納サービスは、大別すると2種類あります。1つは倉庫会社が運営する施設などで荷物を預かってもらい、会社側が管理責任を持つ「トランクルーム」のタイプ。もう1つは利用者が場所を借りて自己責任で管理する「レンタルスペース」のタイプです(ただし、実際には「レンタルスペース」型も「トランクルーム」と称している場合が多い)。
通常、トランクルームは事前に手続きをした上で、会社のスタッフに荷物の出し入れをしてもらいます。一方、レンタルスペースは専用のカギや認証番号を受け取り、利用可能時間内なら好きな時に自分で荷物を出し入れできるのが大きな特徴です。どちらのタイプが向くかは、預ける品物や出し入れの頻度によって異なります。大事な物を預ける場合は、保管場所のセキュリティーや空調、湿度や温度の管理法も比較のポイントです。
配送はお任せのトランクルーム ネット収納が安くて便利
夏物衣類やプール用具、扇風機など、来シーズンまで使わない荷物を預けるのなら、候補になるのはネットで荷物の入出庫手続きができるサービスです。荷物は預け入れも受け取りも自宅ででき、保管場所まで足を運ぶ必要がないのがメリットです。
ホワイトプラス(東京・渋谷)が運営するHIROIEは、東京都と神奈川・千葉・埼玉県の一部を対象に収納サービスを提供。同社の提携する保管施設に一定のスペースを借りて預ける方式で、段ボール箱が10個ほど置けるスペース(0.2畳)の場合、保管料は月額4298円です。
荷物を預ける際は、ネットで手続きすれば宅配業者が自宅まで来てくれて、梱包と配送をしてくれます。出庫時も同様にネットで申し込み、最短で翌日に荷物が届きます。梱包と配送料金は品目ごとに決められ、例えば扇風機なら1080円、一人掛けソファは3240円です。
荷物を箱単位で預けるのなら、寺田倉庫(東京・品川)の「minikura(ミニクラ)HAKO」が便利。1箱当たりの保管料は月200円と低価格なのが魅力です。配送料は、入庫時は無料、1年以上預けた場合は出庫時も無料になります。こちらも入出庫の手続きは全てネットで可能。配送は宅配スタッフが行いますが、荷物は自身で箱詰めします。
同じく寺田倉庫が提供するネット収納の「minikura MONO」は、預けた品物を、業者が1点ずつ写真を撮影した上で保管してもらえるのが特徴。撮影した写真はパスワードで管理される利用者専用ページに登録され、パソコンやスマートフォン(スマホ)でいつでも閲覧可能です。洋服やかばんなど、何を預けたか忘れてしまった時のチェックに便利です。大切なコレクションや子供の描いた絵など、時々眺めたいものを預けるのにも役立ちます。別途料金を払えば、箱詰めした荷物の中から1つだけを取り出して手元に戻すことも可能。月額料金は1箱250円で、利用可能地域は全国が対象です。
早朝や夜間も使うなら、取り出し自由のレンタルスペース型
ネット収納サービスのほとんどは、荷物を大きな倉庫などでまとめて保管し、出し入れは業者が行うトランクルーム型。ネットを使わない「従来型」より低価格なのが利点ですが、保管中の荷物が急に必要になっても、営業時間外だと取り出しできない点には注意が必要です。
一方、荷物の運搬や出し入れを自分で行う「レンタルスペース型」は、いつでも自由に荷物を取り出せるのが便利な点。保管施設には24時間365日、自由に入室できる場合が多く、頻繁に入出庫したい人向きのサービスです。ゴルフバッグなどを早朝に取り出し、深夜に戻しに行くという使い方もでき、緊急時に自ら品物を取りに行ける安心感があります。
全国に6万室以上の収納スペースを持つのがエリアリンク(東京・千代田)が運営するハローストレージ。24時間365日利用でき(一部拠点を除く)、都市部の屋内トランクルームのほか、家具など比較的大きな荷物を置くのに役立つ郊外の屋外コンテナなどプランが幅広いのが特徴です。
北海道から九州までの主要エリアを中心に拠点を持つキュラーズ(東京・品川)、東京都を中心に展開するストレージプラス(東京都港区)なども常時利用が可能。ストレージプラスは、収納スペースに自由に高さを調節できる棚を設置しています。ハンガータイプもあり、大切な衣類にしわを作らず収納できます。
収納サービス利用前に確認したいのが、保管物に万が一のことがあった際の補償について。例えば、前述のHIROIEは1梱包当たり上限10万円まで、minikuraは段ボール1箱当たり最大1万円の補償があります(オプションで増額も可能)。補償内容や条件は、預ける品目や事故内容、品物の破損状況により各社で違うため、事前に確認しておくと安心です。
また、自分で荷物を出し入れするレンタルスペース型は、保管場所が2階や3階の場合もあるので、エレベーターの有無など運搬時の条件も調べておきましょう。
(構成 日経BPコンサルティング 「金融コンテンツLab.」、ファイナンシャルプランナー 福島由恵)
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