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最後の最後にしくじってしまった伊藤君。業績も上がり、ようやく将来が明るくなってきた矢先のことです。これを乗り切れるかに、会社の評判がかかっています。

「これは私の責任です」と言ったところで、その潔さは買いますが、何かの結果を生み出すわけではありません。

伊藤君の成長を見守ってきた社長以下先輩スタッフはここで一丸となってこの難局に立ち向かうことにしました。

イラスト Dセイン

イラスト Dセイン

Part 1
 Sally: We just got another order from Peak Industries. They want 20,000 parts by Friday.
  Ito: What?! That's impossible.
 Sally: But you said you could fill an order of any size. You gave them your word.
  Ito: I know, but... Could you tell them it'll take us two weeks?
 Sally: Don't pass the buck. It's your job.
  Ito: I know, but...
 Sally: Your reputation is on the line.
  Ito: I guess I need to face the music. I'll call them right away.
 Sally: That would be best. Just take the bull by the horns.
【対訳】
サリー: ピーク工業からまた注文が入ったわよ。金曜日までに20,000部品ほしいんですって。
伊藤: 何ですって? それは無理ですよ。
サリー: でもどんな量の注文にも応じられるって言ったわよね。あなたは彼らに約束したでしょ。
 伊藤: 分かってますけど……2週間はかかると彼らに言っていただけますか?
サリー: 責任転嫁しないの。あなたの仕事よ。
 伊藤: 分かってますけど……
サリー: あなたの評判が危うくなるわよ。
 伊藤: 自分で招いた結果にはきちんと向き合わないとならないですね。すぐに電話をします。  
サリー: それが一番でしょうね。恐れないできちんと取り組んでね。

解説)

give someone your word: ~に約束する

pass the buck: 責任転嫁する

Your reputation is on the line.: あなたの評判は線上にある、すなわち「あなたの評判は危うくなる」

face the music: 自分が招いた結果を潔く受け入れる

take the bull by the horns: 牛を角で捕まえる、すなわち「危険なことなどにも恐れず取り組む、立ち向かう」

Part 2
Tanaka: I just got a call from Peak Industries. They're demanding 20,000 parts by Friday.
  Ito: I know. But that's impossible.
Tanaka: Our reputation is at stake. If we fail, it could have big repercussions.
  Ito: This is my responsibility. I'll get right on it.
Tanaka: Let's put everything else on hold and focus on this.
Mariko: We're all in this together. I'll start calling around to local suppliers.
 Sally: I'll cancel my date tonight. Maybe we can have some of the parts sent by airmail.
  Ito: I owe everyone. If we get through this, I'll take everyone out to dinner!
Mariko: Can I invite my boyfriend too?
  Ito: Um...sure!
【対訳】
 社長: ピーク工業から電話があった。金曜日までに20,000部品を必要としている。
 伊藤: 分かっています。でも不可能なんです。
 社長: 我々の評判がかかっている。もし失敗すれば、大きな反動が来る。
 伊藤: 僕の責任です。すぐに取りかかります。
 社長: 他のことはすべてを一時保留にしてこれに全力で取り組もう。
まり子: 我々は皆、この件で仲間よ。すぐに地元の業者に電話し始めるわね。
サリー: 私も今夜のデートはキャンセルします。おそらく航空便で送ってもらえる部品もあるはずです。
 伊藤: 皆さんに感謝します。もし、これを切り抜けたら、僕が皆さんを食事に招待します。
まり子: 私のボーイフレンドも誘っていいかしら?
 伊藤: うーん、もちろんです!

解説)

be at stake: ~がかかっている/危機に瀕している

If we fail, it could have big repercussions.: もし、失敗すれば、大きな反動がある。

*「もし失敗すれば、大きな反動が来ることになるだろう」という仮定法。

* have big repercussions: 大きな反動がある/影響がある

I'll get right on it.: すぐに取りかかります。

put everything else on hold: 他のことはすべて保留にする

We're all in this together.: 何があっても私たちは仲間だ/ひとつだ

call around: あちらこちらに電話をかける/電話をかけまくる

I owe everyone.: 皆に借りがある、すなわち「皆に感謝する」の意味。

セインのビジネスひと口メモ

Under Promise. Over Deliver.

「約束は控えめに、それ以上の期待に応える」

1980年代の有名なアメリカ人コンサルタント、講演家、著者、トム・ピーターズは常にこう言っていました。「約束は控えめに、それ以上の期待に応える」。これはアメリカや他の国々のビジネス界において有名でよく使われるフレーズとなりました。

仕事を得るために、私たちは過剰な約束をする傾向にあります。そうなれば結果は失望に終わり、多くの信用を失うことになりかねません。ピーターズは、約束以上の成果を出すことでこそ、信用を得ることができ、ひいてはビジネスで成功する道となると確信していました。

Stay on the road to success!

:D セイン

デイビッド・セインの「ビジネス英語・今日の一場面」は木曜更新です。
デイビッド・セイン(David Thayne)
米国出身。累計売り上げ部数350万部の著作を刊行してきた英語本のベストセラー著者。英会話学校経営、翻訳、英語書籍・教材制作などを行うクリエーター集団「エートゥーゼット」(www.smartenglish.co.jp)の代表を務める。日本で26年以上の豊富な英語教授経験を持ち、これまでに教えた日本人は数万人にのぼる。日本人に合った日本人のための英語マスター術を多数開発している。
 東京・文京区のエートゥーゼット英語学校の校長を務めるとともに、英会話教育メソッド「デイビッド・セイン英語ジム」(http://www.david-thayne.com)の監修も行っている。主な著書に、「チームリーダーの英語表現」(日本経済新聞出版社)、「ネイティブが教える英語の語法とライティング」(研究社)などがある。

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